人参(にんじん)の旬はいつ?選び方・保存法・栄養まで調理師が解説|carrot

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人参の漢字・英語表記

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英語圏では「carrot」といえば一般的にオレンジ色の西洋にんじんを指します。
日本語の「人参」は、「東洋にんじん(細長く香りが強い)」と「西洋にんじん(太く甘みがある)」を含みます。

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人参の旬 ~おいしい時期~

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現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

冬人参は生でも甘く、加熱すればとろけるような柔らかさに。にんじんしりしりやポタージュなど、甘みを活かした調理法がおすすめです。

人参とは?栄養豊富な万能野菜の魅力

人参 にんじん(Carrot)

人参(にんじん)は、セリ科の根菜で、独特の甘みと香りをもつ日本の食卓に欠かせない定番野菜です。生でも加熱してもおいしく、炒め物、煮物、汁物、サラダとあらゆる料理に使われます。


種類による違い

  1. 西洋にんじん(オレンジ色)
     → 現在主流。甘みがあり、肉厚で火の通りもよい。
  2. 東洋にんじん(赤紫がかった色)
     → 細長く香りが強め。昔ながらの和食に使われることも。

栄養の特徴

  • β-カロテンが豊富で、体内でビタミンAに変換されるため、粘膜の健康維持や視力のサポートに役立ちます。
  • 食物繊維も多く、腸内環境を整えるはたらきも期待できます。
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にんじんは油と一緒に調理するとβ-カロテンの吸収率がアップします。ごま油炒めや、オイルを使ったドレッシングなどで上手に活用しましょう。

人参の選び方

スーパーや八百屋でにんじんを選ぶ際は、以下の点を観察することで甘くてみずみずしい人参に出会えます。

1. 色が濃く、ツヤがあるもの
鮮やかなオレンジ色で、皮がしっとり・つややかなものが新鮮。
乾燥して白っぽくなっているものは収穫から時間が経っている証拠です。

2. 表面がなめらかでひび割れがない
ひび割れや変色がないものを選びましょう。
傷みのサインである黒ずみやぶよぶよ感も要注意。

3. 形がまっすぐで、太さが均一
太さが均一でまっすぐなにんじんは、芯が細くて甘みが強い傾向があります。
先が細くなりすぎているものは、加熱するとややパサつくことも。

4. ヘタの切り口が小さく、変色していない
ヘタの部分が黒ずんでいたり、広がっているものは避けましょう。
切り口が新しいものは、収穫後の日が浅い証拠です。

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冬場のにんじんは「ずっしり重い」ものが甘くておすすめ
和え物やポタージュに使うと、自然な甘みが引き立ちます。加熱用・生食用で選び方を意識すると仕上がりが変わりますよ。

人参と相性の良い食材

人参は甘み・香り・彩りに優れた万能野菜。ほかの食材との組み合わせ次第で、味の深みや栄養の吸収率が格段にアップします。


✅ 油(ごま油・オリーブオイル・バター)

  • 人参に多く含まれるβ-カロテンは、油と一緒に摂ると吸収率がアップ
  • ごま油炒めや、オイルを使ったマリネ、グラッセが◎

✅ 卵

  • 卵に含まれる脂質が人参の栄養を引き立てる
  • 人参しりしり、卵とじ、オムレツなど、手軽で栄養バランスも良好

✅ 豚肉・鶏肉

  • 動物性たんぱく質と一緒に炒めたり煮ることで、満足感と旨味がアップ
  • 豚汁、鶏の照り煮、人参入りハンバーグなどにおすすめ
    肉じゃが

✅ りんご・レーズン(甘味を活かす)

  • 人参の甘みと好相性。すりおろしにしてサラダやスムージーにも
  • キャロットラペ(人参のフレンチ風マリネ)にレーズンを加えるのも◎

✅ 味噌・ごま・醤油

  • 人参のやさしい甘みと、和の調味料の香ばしさが絶妙
  • 白和え、胡麻和え、味噌炒めなどが定番
    筑前煮
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現役和食調理師のヒント

炒める・和える・蒸す」など、加熱法によっても相性が変わります。人参しりしり(沖縄料理)は、ごま油×卵の組み合わせで、人参の甘さと香ばしさを最大限に引き出せます。

人参の保存方法

人参は比較的日持ちする野菜ですが、正しい保存方法を知ることで風味・栄養・食感を長くキープできます。


常温保存(冬場限定)

  • 気温が10℃以下の冬季のみ可(室温が低い場所に限る)
  • 新聞紙に包み、立てて保存すると鮮度が長持ち
  • 保存期間:5〜7日程度

冷蔵保存(基本)

  • 湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて野菜室
  • 立てて保存すると、にんじんの成長方向(上に伸びる)に沿って傷みにくくなる
  • 保存期間:2週間前後

冷凍保存(使い切れないときに)

  • 皮をむき、千切り・輪切り・乱切りなどにして下茹で(軽く茹でて)してから冷凍
  • 生のままでも冷凍可能だが、解凍後はやや食感が落ちる
  • 保存期間:1ヶ月程度
  • 解凍は凍ったまま調理(炒め物・味噌汁などに)
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にんじんのヘタ(切り口)から水分が抜けやすいので、カット後はラップでぴったり包んで冷蔵庫へ。

主な品種

  • 金時人参
  • ミニ人参
  • 島人参
  • 金美
  • 滝野川大長群
  • 朝鮮人参
  • ベビーキャロット

人参の栄養素 ~食品成分表~

にんじん 皮なし

栄養素茹で単位
廃棄率010%
エネルギー2832
水分90.089.6g
タンパク質0.70.7g
脂質0.10.2g
食物繊維(総量)2.82.8g
炭水化物8.58.8g
ナトリウム2724
カリウム240300
カルシウム2924
マグネシウム99
リン2628
0.2.0.2
亜鉛0.20.2
0.050.04
マンガン0.170.11
ヨウ素
セレン1
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)72006300
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.40.5
ビタミンK184
ビタミンB10.060.04
ビタミンB20.050.03
ナイアシン0.60.7
ビタミンB60.100.09
ビタミンB12
葉酸1923
パントテン酸0.250.27
ビオチン2.52.5
ビタミンC44
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

β-カロテンが非常に豊富
生→茹でで数値が上がるのは、加熱で細胞壁が壊れて抽出性が高まることや可食部当たりの濃度差が一因。油と一緒に摂る(炒め物・ドレッシング和え)と吸収率がさらに向上。

カリウムは茹でで減少(300→240 mg)
水溶性の流出が起きるため、蒸し調理・電子レンジ加熱・煮汁利用が有利。

食物繊維は安定(2.8 g)
加熱でほぼ変わらず、整腸・血糖上昇の緩和に寄与。

ビタミンCは少なめ(4 mg)
人参単体でCを狙う食材ではないため、柑橘・ブロッコリー等と組み合わせて補完を。

皮むきデータである点に留意
カロテノイドは皮に近い層に多いため、厚剥きしすぎないか、皮ごと調理(よく洗う)でロスを抑えられます。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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