玉葱の旬・種類・栄養・保存まで|調理師が教える使いこなし|たまねぎ

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玉ねぎの旬

新玉葱

北海道産

玉ねぎは通年出回っている野菜ですが、旬の時期には栄養価が高く、味も格別です。 特に春先の「新玉ねぎ」はみずみずしく甘みが強く、生で食べても美味しいのが特徴です。
一方で、秋に収穫された玉ねぎは辛味が強く、加熱調理に向いています。
2月上旬の九州産が出回り始めてから産地が北上し、8月上旬から翌年の5月までは北海道産が主に流通しています。 

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

玉ねぎの種類と違い(新玉ねぎ・赤玉ねぎ・白玉ねぎ)

ひとくちに「玉ねぎ」といっても、見た目や味わい、使い方が異なる種類があります。
ここでは、スーパーなどでよく見かける新玉ねぎ・赤玉ねぎ・白玉ねぎの特徴を、調理師目線でわかりやすくご紹介します。
それぞれの違いを知っておくと、料理に合わせてより美味しく使い分けることができますよ。

新玉ねぎの特徴と使い方

春に出回る「新玉ねぎ」は、通常の玉ねぎを早採りして皮をむいたもので、みずみずしく甘みがあり、生食にぴったりです。
辛味が少なく、スライスしてサラダやマリネに使うと、そのやわらかい食感と甘さが引き立ちます。日持ちはあまりしないため、早めに使い切るのがポイントです。

赤玉ねぎの特徴と使い方

赤紫色の皮が目を引く「赤玉ねぎ」は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれ、彩りのよい料理に最適です。
辛味はややありますが、新鮮なものはスライスしてサラダにすると、色も味もアクセントになります。
酢やレモン汁に漬けると色がさらに鮮やかになり、常備菜にもおすすめです。

白玉ねぎの特徴と使い方

「白玉ねぎ」は、皮も中身も白く、一般的な黄玉ねぎよりも水分が多く、やさしい甘さと軽い辛味が特徴です。
スープやポトフなど、玉ねぎのやさしい旨みを引き出したい料理に向いています。
流通量は少なめですが、産地直送などで手に入った際には、ぜひ加熱調理でその味を楽しんでください。

玉ねぎの主な品種

玉葱 たまねぎ(Onion)

玉ねぎは品種によって色や大きさ、辛味や甘さに違いがあります。
ここでは、日本でよく流通している代表的な玉ねぎの品種を中心に、調理師としての視点から「味の特徴」や「おすすめの使い方」をご紹介します。
日々の料理に合わせて、玉ねぎの品種を意識することで、よりおいしく仕上げることができますよ。

札幌黄(さっぽろき)

「札幌黄」は北海道で古くから栽培されている在来種で、甘みとコクが強く、煮込み料理に向いているのが特徴です。
栽培が難しく流通量が少ないため、見かけたらぜひ試してみたい希少な玉ねぎです。
加熱するほど甘みが増し、シチューやカレーにぴったりです。

もみじ系(もみじ3号・もみじ2000など)

「もみじ系」は、西日本を中心に流通している玉ねぎの代表品種です。
貯蔵性に優れ、皮がしっかりしているため、1年中安定して出回るのが特徴です。
辛味がやや強く、加熱することで甘さが引き立ちます。炒め物や煮物におすすめです。

サラダ玉ねぎ(新玉ねぎ用)

「サラダ玉ねぎ」は新玉ねぎとして出回る品種で、水分が多く、辛味が少ないのが特徴です。
代表的な品種には「アトン」「アーリーレッド」などがあり、春先に店頭でよく見かけます。
スライスしてそのままサラダやマリネに使うと、玉ねぎ本来の甘さを感じられます。

玉ねぎの選び方と見分け方

玉ねぎは見た目が似ていても、鮮度やおいしさに差があります。
ここでは、新玉ねぎ・赤玉ねぎ・通常の黄玉ねぎを見分けるポイントを、調理師の視点からわかりやすく解説します。
正しい選び方を知っておくと、日持ちが良く、調理もしやすくなりますよ。

共通してチェックしたいポイント(すべての玉ねぎに共通)

  • 皮が乾いていて、ツヤがあるもの(湿っているものは傷みやすい)
  • 持ったときに重みがあり、しっかり硬いもの
  • 芽が出ていないもの(発芽は劣化のサイン)
  • 傷・カビ・黒ずみがないこと

これらはどの品種にも共通する見極めポイントです。購入前に軽くチェックする習慣をつけましょう。

新玉ねぎの選び方

新玉ねぎは水分量が多くデリケートなため、皮が薄くて透けているようなツヤ感のあるものがおすすめです。
首の部分がしっかり閉じていて、指で押しても柔らかすぎないものを選びましょう。
やや日持ちしにくいため、すぐ使う分だけ購入するのが基本です。

赤玉ねぎの選び方

赤玉ねぎは皮の色が鮮やかで、傷みやすい外皮が剥がれていないものが良品です。
色ムラが少なく、外側の皮がしっかりしているものは、内部も健康である可能性が高いです。
サラダやマリネに使う場合は、できるだけ新鮮なものを選びましょう。

玉ねぎの皮の活用と栄養

料理の際にむいて捨ててしまいがちな「玉ねぎの皮」。
実は、皮の部分にこそポリフェノールや抗酸化成分が豊富に含まれているのをご存知でしょうか?
ここでは、玉ねぎの皮に含まれる栄養素や、かんたんな活用方法をご紹介します。 いつもの料理や生活にちょっとだけ取り入れて、食材を無駄なく使い切りましょう。

玉ねぎの皮に含まれる栄養素(ケルセチンなど)

玉ねぎの皮には、ケルセチンというポリフェノールの一種が豊富に含まれています。
ケルセチンは抗酸化作用があり、血流改善や老化防止などの働きがあるとされ、機能性食品としても注目されています。
この栄養素は白い中身よりも、実は「茶色い外皮」に多く含まれているため、うまく活用することで健康効果が期待できます。

玉ねぎの皮の活用法3選

  • 1. 出汁として使う
     皮を洗って煮出すだけで、ほんのり甘くコクのある出汁に。カレーや味噌汁のベースにも。
  • 2. 皮茶(玉ねぎ茶)として飲む
     乾燥させた皮をお茶に。香ばしくて飲みやすく、冷え対策にもおすすめ。
  • 3. 乾燥→粉末にしてふりかけに
     電子レンジや天日干しで乾燥 → ミキサーで粉末に。ごはんやスープにふりかけて活用。

どの方法も加熱でケルセチンの吸収率が上がると言われており、日常に取り入れやすいのが魅力です。

使うときの注意点

スーパーで買った玉ねぎの皮には、農薬やワックスが残っている可能性もあります。
使用前には水でよく洗い、できれば無農薬の玉ねぎを使うとより安心です。
また、芽が出ているものやカビが生えている皮は使用を避けましょう。

玉ねぎの保存方法

玉ねぎは常温で長期保存できる便利な野菜ですが、保存方法を間違えると芽が出たり傷んだりしてしまいます。
ここでは、品種ごとの適切な保存方法(常温・冷蔵・冷凍)を、調理師の視点からご紹介します。
無駄なく使い切るために、正しい保存方法を知っておきましょう。

常温保存の基本(黄玉ねぎ)

皮がしっかりしている通常の黄玉ねぎは、風通しが良く直射日光の当たらない冷暗所で常温保存するのが基本です。
ネットやかごに入れ、吊るすと通気性がよく長持ちします。
湿気が多い場所では腐りやすくなるため注意が必要です。

新玉ねぎは冷蔵保存

新玉ねぎは水分が多く傷みやすいため、新聞紙やキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
目安は3〜5日程度。早めに使い切るのが前提です。
カット後はラップでしっかり包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう(目安:2〜3日)。

冷凍保存もOK!時短にも便利

玉ねぎは冷凍保存も可能です。用途に合わせて以下の方法があります:

  • スライス冷凍:薄切りにしてラップで小分け → 保存袋で冷凍(約1ヶ月)
  • みじん切り冷凍:まとめて刻んで冷凍 → 炒め物やスープに便利
  • 丸ごと冷凍:皮をむいて根を落とし、丸ごと冷凍 → 煮込み料理に

冷凍後は食感が変わるため、生食には不向きですが、加熱調理には最適です。

保存に関する+αアドバイス

・芽が出た玉ねぎは食べられますが、芽の部分は取り除きましょう
・切った玉ねぎは空気に触れると匂いや風味が変わりやすいため、密閉保存を徹底しましょう。

玉ねぎと相性の良い食材と料理

玉ねぎは幅広い料理に使える万能野菜ですが、特に相性の良い食材と組み合わせることで、甘みや旨みがより引き立ちます
ここでは、調理師としておすすめしたい定番の組み合わせと、それを活かした料理例をご紹介します。
毎日の献立やアレンジレシピの参考にどうぞ。

じゃがいも × 玉ねぎ【最強コンビ】

甘みとホクホク感のバランスが絶妙で、どんな料理でも使いやすい王道の組み合わせです。
・肉じゃが
・ポテトサラダ(みじん切り玉ねぎを加えると爽やかに)
・コロッケ(具のベースとして甘さと香りが加わる)
玉ねぎの旨味が加わることで、じゃがいもの味がより引き立ちます。

ベーコン・ソーセージ × 玉ねぎ

脂のうま味を玉ねぎが吸収し、甘さが引き立つ鉄板の組み合わせ。炒めるだけで立派な一品になります。
・オニオンベーコン炒め
・ウインナーと玉ねぎのケチャップ炒め
・ポトフ(じっくり煮込むととろける甘さに)
玉ねぎは炒めるほど甘くなるため、朝食やお弁当にもおすすめです。

トマト × 玉ねぎ

酸味と甘みが混ざり合い、さっぱり&コクのある味わいに。色の相性も良く、見た目も華やかです。
・トマトと玉ねぎのサラダ(オリーブオイル+塩でシンプルに)
・ガスパチョ(スペインの冷製スープ)
・ミネストローネ(ベースの旨味に最適)
夏のメニューやさっぱり副菜に最適です。

ひき肉 × 玉ねぎ(加熱で旨味が凝縮)

甘さ・コク・肉汁の相乗効果で料理が一段と美味しくなります。
・ハンバーグ(みじん切りを加えてふんわり&ジューシー)
・ドライカレー(玉ねぎの甘みが辛さをマイルドに)
・麻婆豆腐(隠し味に少量加えるとコクがUP)
定番のひき肉料理に加えることで、香りと深みが出ます。

玉ねぎを使った人気レシピ

玉ねぎは生でも加熱しても美味しく、あらゆる料理に使える万能野菜です。
ここでは、家庭で人気の定番レシピから、簡単に作れる副菜・スープまで、おすすめの玉ねぎ料理をご紹介します。
レシピページへのリンクも掲載しているので、気になる料理があればぜひチェックしてみてください。

定番の玉ねぎ料理

  • 【肉じゃが】…甘みを生かした煮込みの定番
  • 【ハンバーグ】…みじん切り玉ねぎでふっくらジューシー
  • 【玉ねぎとベーコンの炒め物】…あと一品に便利な時短メニュー

これらはどの家庭でも作りやすく、玉ねぎの甘みと旨みをしっかり味わえるレシピです。

生で楽しむ!玉ねぎのさっぱり系レシピ

  • 【新玉ねぎのサラダ】…スライス+ポン酢やオリーブオイルで簡単
  • 【玉ねぎのマリネ】…酢と砂糖でさっぱり常備菜
  • 【ツナと玉ねぎの和風和え】…火を使わず時短

新玉ねぎや赤玉ねぎは辛味が少なく、生でも食べやすいのが特徴。春〜初夏に特におすすめです。

スープ&煮込みでとろける玉ねぎ

  • 【オニオンスープ】…玉ねぎをじっくり炒めて甘みを凝縮
  • 【ポトフ】…玉ねぎ・にんじん・ウインナーで具だくさん
  • 【カレースープ】…炒め玉ねぎで旨みを底上げ

煮込むことで玉ねぎがとろっと溶けて、料理全体に自然な甘さとコクを与えてくれます

揚げ&焼きで満足感アップ

  • 【玉ねぎの天ぷら】…新玉ねぎをシンプルに味わう
  • 【オニオンリング】…カリカリ衣がクセになる人気メニュー
  • 【玉ねぎステーキ】…輪切りにして焼くだけ、塩とバターで

火を通すと甘さが際立つ玉ねぎは、揚げ物やグリル料理との相性も抜群です。

玉ねぎの栄養素|食品成分表

玉ねぎは、ビタミンやミネラルを豊富に含むヘルシーな食材として知られています。
ここでは、玉ねぎ(生)と(油いため)100gあたりに含まれる主な栄養素を一覧表にまとめました。

栄養素油いため含有量
廃棄率06%
エネルギー10033
水分80.190.1g
タンパク質1.41.0g
脂質5.90.1g
食物繊維(総量)2.71.5g
炭水化物12.08.4g
ナトリウム32
カリウム210150
カルシウム2417
マグネシウム119
リン4731
0.20.3
亜鉛0.30.2
0.080.05
マンガン0.180.15
ヨウ素1
セレン1
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)21
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.9
ビタミンK7
ビタミンB10.040.04
ビタミンB20.020.01
ナイアシン0.10.1
ビタミンB60.220.14
ビタミンB12
葉酸2115
パントテン酸0.290.17
ビオチン0.6
ビタミンC97
  • 水分が多くて低カロリー
    生の玉ねぎは90%が水分、エネルギーは33kcalでとてもヘルシー。
  • カリウムを豊富に含む
    むくみ対策や血圧サポートに役立つカリウムが150mg(生)含まれている。
  • 整腸作用に期待できる食物繊維
    生で1.5g、油いためでは2.7gと食物繊維がしっかり摂れる。
  • ビタミンCで免疫サポート
    生の状態で7mgのビタミンCを含み、風邪予防にも効果的。
  • 加熱で甘みと栄養吸収がアップ
    炒めることで脂溶性ビタミン(K・Eなど)が摂りやすくなり、味も甘くなる。
  • 辛味成分は加熱でやさしく変化
    硫化アリルが加熱によって糖に変化し、甘みが際立つ。

玉ねぎの切り方動画

玉ねぎの切り方には、料理に合わせたいくつかの基本があります。
ここでは、スライス・みじん切り・くし切りなどの切り方のコツを動画とあわせてご紹介します。
調理師が実際に行っている方法を、動画でわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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