梅 うめ(Plum)

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梅の旬|おいしい時期

青梅の旬のカレンダー。5月下旬から6月が、梅酒やシロップ作りに最適な収穫時期であることを示す図解。
青梅の旬は5月下旬〜6月。わずか1ヶ月足らずの、爽やかな香りを楽しむための貴重な時期です。

青梅の旬は5月から6月ごろ
梅雨の訪れとともに市場に並ぶ青梅は、数ある旬食材の中でも「最も時期が短い」もののひとつです。

青梅として収穫されるのは、例年5月下旬から6月下旬までのわずか1ヶ月足らず。この短い期間を過ぎると実は黄色く色づき、「完熟梅」へと変化してしまいます。梅酒や梅シロップに欠かせない、あのキリッとした酸味と爽やかな香りを楽しめるのは、まさにこの一瞬だけです。

職人の目利き:最高の「梅仕事」は時期がすべて

調理師として25年以上、数多くの梅を扱ってきましたが、良い青梅を手に入れるコツは「迷わずすぐに動くこと」に尽きます。

  • 5月下旬
    小梅が先に旬を迎えます。お弁当のカリカリ梅などに向いています。
  • 6月上旬〜中旬
    いよいよ大粒の南高梅などの「本番」が始まります。この時期の青梅は皮が薄く、果肉が締まっており、梅酒作りには最高です。

鮮度が落ちるとすぐに黄色くなってしまうため、手に入れたらその日のうちに仕込むのが、プロが教える一番の秘訣です。


この時期に旬を迎える他の食材はこちら
5月が旬の食材一覧
6月が旬の食材一覧

梅とは ~解説~

梅の写真。旬や特徴、栄養について解説します。
新鮮な梅。旬の時期や栄養素については本文で詳しく解説しています。
  • 中国中部が原産、日本に入ってきたのが奈良時代と言われる
  • 生の梅には有毒な成分が含まれているため、そのまま食べることはできません
  • 加熱、アルコール漬けや塩漬けに加工する
  • 梅酒には成熟初期の固い梅が良い
  • 梅干し、梅ジャムには完熟して黄色を帯び始めたのが良い
  • 果皮が緑色で傷のない物を選ぶ
  • 青梅には「シアン化合物」という天然毒素が含まれています。青梅はシアン化合物を含むため、そのまま食べることはできません
  • 青梅のシアン化合物は梅干しや梅酒などへの加工・熟成により分解される
  • 主成分のクエン酸などが疲労物質を分解してくれる

栄養
クエン酸により唾液の分泌を促進し、胃液などの消化酵素の働きを活発にして食欲を増進
クエン酸やリンゴ酸は代謝を促し、疲労回復が期待できる
クエン酸には殺菌抗菌効果もあると考えられています

選び方
▼青梅の上手な選び方
①果実がふっくらとしているもの
②丸みがあるもの
③果皮に張りがあるもの
④表面に傷や斑点がないもの
※品種によって選ぶポイントが異なる事に注意しましょう

保存方法

  • 購入後はすぐに使う
  • やむを得ない場合は冷暗所
  • 生の梅は傷みやすく、購入した袋のまま常温保存するとすぐにカビが生える
  • 冷蔵庫に入れると低温障害を起こし、表面が変形したり、茶色く変色する

冷凍保存(青くて硬いものを使用する)
①傷が付いている梅を取り除く
②流水で洗い水気をよく切り、キッチンペーパーで水気を拭き取る
③竹串でヘタを取り除く
④冷凍用保存袋に重ならないように入れる
⑤冷凍庫で保存

主な品種群

  • 南高(なんこう)
    皮が薄くて果肉はやわらかい梅のトップブランド
  • 小粒南高(こつぶなんこう)
    南高の粒の大きさをひと回り小さくした中粒品種
  • 古城(ごじろ)
    かたく引き締まってフレッシュな香り
  • 白加賀(しらかが)
    大粒で果実の形が美しく、果肉がきめ細かい
  • 紅映(べにさし)
    陽の当たった部分が鮮やかな紅色に染まる
  • 豊後(ぶんご)
    梅とあんずの交雑種
  • 鶯宿(おうしゅく)
    ながらのかたい梅で力強い香り
  • 竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)
    果実のサイズが小さい。カリカリ梅(梅漬け)に加工されることが多い。
  • 甲州小梅(こうしゅうこうめ)
    竜峡小梅と同じくカリカリ梅用として有名

梅を使った料理

  • 青梅のシロップ煮
  • 梅酒
  • 梅干し
  • 梅ジャム

梅の栄養素

梅の栄養素含有量表「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

うめ(生)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率15%
エネルギー33
水分90.4g
タンパク質0.7g
脂質0.5g
食物繊維(総量)2.5g
炭水化物7.9g
ナトリウム2
カリウム240
カルシウム12
マグネシウム8
リン14
0.6
亜鉛0.1
0.05
マンガン0.07
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)7
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.3
ビタミンK3
ビタミンB10.03
ビタミンB20.05
ナイアシン0.4
ビタミンB60.06
ビタミンB12
葉酸8
パントテン酸0.35
ビオチン0.5
ビタミンC6
参照「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

青梅に含まれる注目の栄養素

青梅は、100gあたり33kcalと非常に低カロリーでありながら、身体の巡りや健やかさを支える微量栄養素がバランスよく含まれています。特に、日々の活力を維持したい方に注目していただきたい成分を3つ解説します。

果物の中でもトップクラスの「ビタミンE」

青梅の数値で際立っているのが、ビタミンE(トコフェロールα)の含有量です。100gあたり3.3mgという数字は、他の一般的な果物と比べても非常に高い水準です。 ビタミンEは「若々しさを保ちたい」「内側から健康を維持したい」という願いをサポートする、美容と健康に欠かせない栄養素です。ビタミンEの働きと上手な摂り方についてはこちら

身体のバランスを整える「カリウム」

現代の食生活で意識して摂りたいカリウムが、100gあたり240mg含まれています。カリウムは、塩分とのバランスを整え、身体の調子を一定に保つために重要な役割を果たすミネラルです。 外食が多くなりがちな方や、すっきりとした毎日を過ごしたい方の心強い味方となります。カリウムの重要性と健康への関わりについて

健やかな毎日を支える「鉄」

青梅には0.6mg含まれています。果物から鉄を摂取できるのは、特に女性や活動的な毎日を送る方にとって嬉しいポイントです。 鉄は、身体の隅々まで元気を届けるために必要な成分であり、日々の不足しがちな栄養を補うサポート役として期待できます。鉄の上手な活用法と健康維持のヒント

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

成分表には項目がありませんが、青梅の最大の魅力は、あの酸味の正体である「クエン酸」や「リンゴ酸」といった有機酸にあります。これらは、梅酒や梅シロップとして加工した後も、私たちの食生活に爽やかな刺激と活力を与えてくれます。

梅の英語・漢字表記

plum 
Japanese plum
Japanese apricot
Ume

まとめ

青梅の旬は「一瞬」の輝き
ここまで、青梅の短い旬と、身体を支える栄養素について解説してきました。

  • 旬は5月下旬〜6月: わずか1ヶ月足らずの「青い時期」が梅仕事の勝負です。
  • 栄養のチカラ: ビタミンEやミネラルが、初夏の健康維持を支えてくれます。
  • 鮮度が命: 手に入れたらその日のうちに仕込むのが、一番の成功の秘訣です。

一年に一度しか出会えない爽やかな香りを、ぜひ梅酒やシロップで閉じ込めてみてください。


【調理師の独り言】「丁寧な暮らし」と「手抜き」のいい関係

青梅を丁寧に洗ってヘタを取り、仕込みをする時間は、心まで整う素晴らしいひと時です。ですが、こうした季節の仕事を楽しめるのは、心に余裕があってこそ。

現役の調理師として25年以上台所に立っていますが、私も家では毎日完璧に作ろうとは思いません。 「今日は梅仕事で頑張ったから、夕飯は思いっきり楽をしよう」 そんな風に、力の入れどころを分けることが、長く料理を楽しむコツです。もしあなたが、日々の食事作りに少しお疲れなら、こちらの記事も覗いてみてください。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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