サーロイン(ストリップロイン)は、牛の背中から腰にかけて位置する、霜降りと赤身のバランスが絶妙な高級部位です。ステーキやローストビーフなどで使われることが多く、柔らかさと旨味を兼ね備えた「牛肉の王様」とも呼ばれます。
「サーロインってどの部分?」
「ストリップロインとの違いは?」
「和牛と輸入牛では味が違うの?」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、調理師歴25年以上の視点から、サーロイン(ストリップロイン)の特徴・部位・おすすめ料理をやさしく解説します。さらに、希少部位「マキサーロイン」「サーロインカブリ」や、和牛・輸入牛の違いにも触れ、料理に合わせた選び方がわかるよう構成しました。
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サーロイン(ストリップロイン)とは ~部位の解説~

サーロイン(Sirloin)は、牛の背中の中央〜後方、リブロース(あばら)とランプ(腰)の間に位置する部位です。英語では「Strip Loin(ストリップロイン)」とも呼ばれ、海外ではこの呼び名が一般的です。日本の「サーロインステーキ」は、このストリップロイン部分を厚切りにしたものを指します。
サーロインは赤身と脂身のバランスが絶妙で、肉質は非常にやわらかくジューシー。ほどよい霜降りが入り、コク深い味わいと香ばしい脂の旨味を楽しめます。
特に和牛のサーロインは脂の甘みが強く、口に入れた瞬間にとろけるような食感が特徴です。
一方で輸入牛は、脂が控えめでさっぱりとした風味があり、赤身の旨味をしっかり感じたい人に向いています。
💡「サー(Sir)」の名は、イギリス王ヘンリー8世があまりの美味しさにナイトの称号を授けたという逸話から。それほどまでに“王様級”の美味しさを誇る部位です。

現役和食調理師のヒント
サーロインはステーキの王道部位として人気が高く、ローストビーフ、しゃぶしゃぶ、すき焼きなど幅広い料理におススメです
サーロインの特徴まとめ

サーロイン(ストリップロイン)は牛の部位の中でも特に高級な位置づけにあります。適度な霜降りときめ細かな肉質が特徴で柔らかさ・風味・脂のバランスが取れた万能部位です。ステーキだけでなく、ローストやすき焼きなど、肉の旨味を主役にした料理に最適です。
| 特徴項目 | 内容 |
|---|---|
| 肉質 | やわらかく、きめ細かい。赤身と脂身のバランスが良い |
| 味わい | コクがあり、脂の甘みが強い。香ばしい風味 |
| 脂の量 | 霜降りが入りやすく、脂が多め(特に和牛) |
| 見た目 | 脂と赤身が層状に入り、上質な見た目 |
| 食感 | しっとり、なめらか。焼き加減で食感が変化する |
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肉の旨みと柔らかさが段違いのサーロイン

現役和食調理師のヒント
「脂の旨味を活かしたいなら和牛」「赤身の味を楽しみたいなら輸入牛」がおすすめです。
サーロインの細かい部位と希少部位

サーロインには、位置や用途によっていくつかの細かい部位があります。中でも「マキサーロイン」や「サーロインカブリ」は、希少性が高く高級焼肉店でも人気の部位です。部位ごとの特徴を知ることで、料理に最適な選び方ができるようになります。
| 名称 | 位置 | 特徴 |
|---|---|---|
| ストリップロイン (サーロイン本体) | リブロースとランプの間 | 赤身と脂のバランスがよく、きめ細かくやわらかい。高級部位として人気 |
| マキサーロイン | サーロイン上部(背中側) | 霜降りが入りやすく、とても柔らかい。上カルビに似た食感 |
| サーロインカブリ (サーロインキャップ) | サーロイン外側(表面を覆う薄い肉) | 脂が多く旨味が強い。一頭から少量しか取れない希少部位 |

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サーロインは、脂の旨味と赤身のバランスが取れた部位で、位置によって印象が大きく変わるのが面白いところです。
和牛サーロインと輸入サーロインの違い

同じ「サーロイン」でも、和牛と輸入牛(主にアメリカ・オーストラリア産)では性質が大きく異なります。それぞれの特徴を知ることで、料理の目的や好みに合わせた選び方ができます。
| 比較項目 | 和牛サーロイン | 輸入サーロイン |
|---|---|---|
| 見た目 | 霜降りがしっかり入る | 赤身が中心で、脂は少なめ |
| 肉質 | とても柔らかく、口の中でとろける食感 | 引き締まった肉質で、噛むほどに旨味 |
| 味わい | 脂の甘みと旨味が強く、濃厚でコクがある | 赤身の風味が豊かで、さっぱりとした味わい |
| 香り | 乳香・甘い香りが特徴 | 肉本来の香りが強い ワイルドな印象 |
| おすすめ料理 | ステーキ すき焼き しゃぶしゃぶ | ステーキ グリル ローストビーフ |
| 価格 | 高価 | 比較的リーズナブル |
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現役和食調理師のヒント
輸入牛のサーロインは赤身の旨味をしっかり味わいたい方におすすめ。グリルやローストビーフなど、肉の香ばしさを引き出す調理法が向いています。
サーロインに向いている料理と調理法

サーロインは、脂の旨味と赤身のコクが調和した高級部位。
焼き方や調理法次第で、ジューシーさ・香ばしさ・とろける食感を最大限に引き出せます。
以下の表を参考に、シーンに合わせた料理を選びましょう。
| 料理名 | 調理のポイント |
|---|---|
| ステーキ | 室温に戻し、強火で両面を焼いた後、余熱で中心をミディアムレアに。塩のみで十分おいしい |
| ローストビーフ | 表面を焼き固めたあと、低温でじっくり火入れ。肉汁を逃さないのがコツ |
| すき焼き | 薄切りにしてサッと火を通すだけでOK。煮すぎると固くなるので注意 |
| しゃぶしゃぶ | 沸騰直前のだしで数秒くぐらせる。ポン酢やごまだれで味の変化を |
サーロインステーキは、肉質が命です
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サーロインは火加減が命です。焼きすぎると脂が抜けて硬くなるため、ミディアムレア~ミディアムで仕上げるのが基本。ステーキなら強火で短時間、ローストビーフなら低温でじっくり、すき焼きなら“サッと火を通す”程度に。
サーロインと他の部位(ヒレ・リブロース・ランプ)との違い

サーロインは、牛の背中部分に位置し、赤身と脂のバランスが取れた高級部位です。
同じ高級ラインの「ヒレ」「リブロース」「ランプ」と比べると、食感や風味に明確な違いがあります。料理に合わせて使い分けると、肉の魅力をより引き出せます。
| 部位名 | 肉質・食感 | 味わい |
|---|---|---|
| サーロイン | やわらかく、脂と赤身のバランスが良い | 脂の甘みとコクが強く、香ばしい風味 |
| ヒレ | きめ細かく非常に柔らかい | あっさり上品、脂少なめ |
| リブロース | 脂が多く、ジューシー | コク深く、濃厚な旨味 |
| ランプ | やや締まりがあり、赤身中心 | 赤身の旨味が濃く、さっぱり |

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ヒレは脂が少なく上品な味わい、リブロースはとろけるような濃厚さ、ランプは赤身の旨味を堪能できるのが特徴です。
サーロインの栄養素 ~食品成分表~
サーロインは、たんぱく質と脂質のバランスが取れた高級部位です。ステーキなどでしっかり量を食べると、エネルギー量が高く、満足感が得やすい部位でもあります。一方で、脂質も多いため、調理法や食べる量の工夫でバランスを取ることが大切です。
【和牛肉】サーロイン 生
100gあたりの含有量
| 栄養素 | 脂身付 | 赤肉 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | 0 | % |
| エネルギー | 460 | 294 | ㎉ |
| 水分 | 40.0 | 55.9 | g |
| タンパク質 | 11.7 | 17.1 | g |
| 脂質 | 47.5 | 25.8 | g |
| 食物繊維(総量) | – | – | g |
| 炭水化物 | 0.3 | 0.4 | g |
| ナトリウム | 32 | 42 | ㎎ |
| カリウム | 180 | 260 | ㎎ |
| カルシウム | 3 | 4 | ㎎ |
| マグネシウム | 12 | 18 | ㎎ |
| リン | 100 | 150 | ㎎ |
| 鉄 | 0.9 | 2.0 | ㎎ |
| 亜鉛 | 2.8 | 4.2 | ㎎ |
| 銅 | 0.05 | 0.07 | ㎎ |
| マンガン | – | – | ㎎ |
| ヨウ素 | – | – | ㎍ |
| セレン | – | – | ㎍ |
| クロム | – | – | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 3 | 2 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | – | ㎍ |
| ビタミンD | – | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.6 | 0.4 | ㎎ |
| ビタミンK | 10 | 7 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.05 | 0.07 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.12 | 0.17 | ㎎ |
| ナイアシン | 3.6 | 5.3 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.23 | 0.35 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 1.1 | 1.4 | ㎍ |
| 葉酸 | 5 | 8 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.66 | 0.93 | ㎎ |
| ビオチン | – | – | ㎍ |
| ビタミンC | 1 | 1 | ㎎ |
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サーロインの英語・漢字表記
サーロインは、英語では 「Sirloin」 または 「Strip Loin(ストリップロイン)」 と呼ばれます。海外では部位の取り方が日本と異なるため、用途によって呼び名が変わることもあります。以下の表に、主な表記と読み方をまとめました。
| 表記 | 読み方 | 意味・解説 |
|---|---|---|
| Sirloin | サーロイン | 日本で一般的に使われる名称。リブロースとランプの間の部位 |
| Strip Loin | ストリップロイン | 北米などでの呼称。サーロインステーキの原料部位 |
| Loin | ロイン | 背中側の総称。サーロインはロインの一部 |
海外のメニューやレシピでは、部位名が英語で表記されていることも多くあります。
👉 【英語一覧】牛肉・豚肉・鶏肉の部位の名前まとめ で、主要な部位の英語表記を一覧で確認できます。
🌍海外での呼び方の違い
アメリカ:Sirloin(後部)、Strip Loin(ステーキカット)
オーストラリア:Sirloin、Porterhouse(Tボーンの一部)
日本:サーロイン、ストリップロイン
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