わらび(蕨)の旬・あく抜き・保存法|山菜の特徴とおいしい食べ方を解説

TOP

※本記事には広告が表示されます。

春の訪れを告げる山菜、わらび。くるっと巻いた新芽と、ほろ苦さや独特のぬめりが持ち味です。ただ、わらびはそのままでは食べられず、あく抜きが欠かせない山菜でもあります。

この記事では、調理師歴25年の私が、わらびのあく抜きの正しいやり方を中心に、旬の時期・選び方・塩漬けなどの保存方法・美味しい食べ方まで、順を追って解説します。下ごしらえのコツさえ押さえれば、春ならではの味わいを存分に楽しめます。

蕨の旬 ~おいしい時期~

蕨(わらび)の旬カレンダー。旬の目安は3〜5月で、春が食べごろ
蕨(わらび)の旬:3〜5月(目安)|春の山菜。ほろ苦さを楽しむ季節

わらびの旬は3月から5月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

“4月は何が旬?”を一覧でサッと見たい方へ:保存版はこちら▶【保存版】4月|旬の野菜と果物【一覧表】

わらびとは?~解説~

わらび(蕨)は、シダ植物の一種で、春に芽吹く若芽を食用とする山菜です。学名は Pteridium aquilinum(プテリディウム・アクイリナム)で、世界各地に分布しており、特に日本では古くから春の味覚として親しまれてきました。

地表から伸びるくるっと巻いた新芽(若芽)が特徴で、ほろ苦さと独特の香りが魅力です。古くから「春の山菜」として、地域の郷土料理やお浸し、煮物などに利用されてきました。

わらびは、生のままでは食べられない山菜です。「プタキロサイド」という体に良くない成分を含むため、必ず「重曹」や「木灰」を使ったあく抜きをしてから調理します。このあく抜きと加熱によって、その成分は分解され、安心して食べられるようになります。あく抜きは、えぐみを取り除くためだけでなく、安全に食べるために欠かせない工程です。正しく処理すれば、独特のぬめりと食感、春らしいほろ苦さを存分に楽しめます。

わらびの選び方

新鮮なわらびを選ぶポイントは、以下のような点に注目しましょう。

  • 穂先がしっかり巻かれているもの
     → やわらかく香りがよい、収穫したての証です。
  • 茎がまっすぐで、太さが均一
     → 曲がっていたり、極端に太いものはスジが硬い場合があります。
  • 全体にハリとツヤがあるもの
     → 乾燥してしなびているものは鮮度が落ちています。
  • 切り口がみずみずしく、黒ずんでいない
     → 茎の断面が茶色くなっているものは収穫後時間が経過している証拠です。

なお、天然物は採れた時期や場所によって状態が異なることもあります。出回り時期に合わせて、地元産や採れたての直売所品を選ぶのがおすすめです。

わらびの保存方法

わらびは収穫後すぐにアクが出やすいため、購入当日または翌日までにアク抜きを行うのがおすすめです。長持ちさせたい場合は、以下の方法で保存します。

冷蔵保存(短期)

  • アク抜き前のわらびは乾燥しやすいため、新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵庫へ(1~2日以内に処理)。
  • アク抜き後は、保存容器にひたひたの水と一緒に入れ、毎日水を替えれば2~3日程度保存可能。

冷凍保存(長期)

  • アク抜きをしてから水気をよく切り、食べやすい大きさにカット。
  • ラップで小分けに包み、保存袋に入れて冷凍庫へ(約1ヶ月保存可能)。
  • 解凍は自然解凍または流水解凍がおすすめ。

わらびのあく抜き方法

わらびは、そのままでは食べられない山菜です。「プタキロサイド」という体に良くない成分と、強いえぐみ・苦味を含むため、必ずあく抜きをしてから調理します。下記の手順で重曹と熱湯を使ってあく抜きをすれば、この成分は分解され、えぐみも抜けて、安心して美味しく食べられます。生や、あく抜きが不十分なままでは食べないよう注意してください。

材料(目安)

  • 生わらび:100g
  • 重曹(食用):小さじ1
  • 熱湯:約500ml

手順

わらびを洗う
泥などを軽く洗い流し、根元の固い部分を1〜2cm切り落とします。

ボウルまたは鍋に並べる
わらびを重ならないように平らに置きます。

重曹を全体にふりかける
わらび100gに対して小さじ1程度が目安です。まんべんなくふりかけます。

熱湯を注ぐ
全体が浸かるように沸騰したお湯をゆっくり注ぎます。

落としぶた or ラップをかぶせる
空気に触れないようにして、常温で6~8時間ほど放置(一晩置いてもOK)。

冷水でしっかりすすぐ
色がくすまないように注意しながら、水でよく洗い流します。


補足:失敗しないポイント

  • 熱湯はぐらぐら沸騰したものを使用。
  • アク抜きが不十分だと、食後に舌がピリピリすることがあります。
  • 逆に長時間浸けすぎると、わらびが柔らかくなりすぎて風味が落ちるため注意。

わらびの塩漬け(長期保存)の作り方

わらびをたくさん手に入れたときや、旬を過ぎても楽しみたいときは、塩漬けにするのが一番です。塩漬けなら冷暗所で半年〜1年ほど保存でき、しかも漬けている間にあくも抜けていきます。「わらび 塩漬け」で調べる人にもおすすめの、昔ながらの保存法です。

塩漬けの材料

  • わらび 適量
  • 塩 わらびの重量の約30%(多めが失敗しないコツ)
  • 重石(わらびの2〜3倍の重さ)

塩漬けの手順

  1. わらびを洗い、根元のかたい部分を切りそろえる(生のままでよい。長ければ容器に合わせて切る)
  2. 保存容器やジッパー付き保存袋に、塩 → わらび → 塩の順で、塩がまんべんなく行き渡るように重ねて入れる
  3. 一番上が塩になるように敷き詰める
  4. 落としぶたやトレーをのせ、その上に重石をのせる
  5. 冷暗所で保存する
  6. 1日ほどで水(塩水)が上がってくる。わらびが水から出ていると傷むので、しっかり浸かった状態を保つ
  7. 水が上がったら重石を軽くする。1か月ほどでなじみ、あくも抜けていく
調理師
調理師

塩は「少ないかな」と思うくらいでは足りません。多めが鉄則です。塩が少ないと傷みやすく、わらびが溶けてしまうこともあります。また、漬けている途中で漬け汁が茶色く濁ってきたら、一度捨てて水洗いし、塩を足して漬け直すと、長くきれいに保存できます。重石がなければ、水を入れたペットボトルや袋入りの塩で代用できます。

塩漬けわらびの塩抜き方法

塩漬けにしたわらびを使うときは、塩抜きをしてから調理します。塩抜きの手順はとても簡単です。

  1. 鍋に塩漬けわらびと、たっぷりの水を入れて火にかける
  2. 沸騰させる直前で火を止め、そのまま冷めるまで置く
  3. 冷めたら水を替え、味をみて塩気が強ければ、もう一度水を替えてさらす
  4. ちょうどよい塩加減になったら完成
調理師
調理師

塩抜きは、水にさらす時間で塩加減を調整します。塩気が抜けすぎると水っぽくなるので、少し塩味が残るくらいで止めて、料理の味付けで補うのがおすすめです。塩抜きしたわらびは、あく抜きも済んでいるので、そのまま煮物やおひたし、和え物にすぐ使えます。

塩漬けと塩抜きを覚えておけば、春に採れたわらびを一年中楽しめます。旬にまとめて仕込んでおくと、季節を問わず山菜の味わいを食卓に添えられます。

わらびと相性の良い食材・料理

わらびは、山菜ならではのほろ苦さとぬめりが特徴で、以下のような食材・料理とよく合います。

相性の良い食材

  • 油揚げ・豆腐:やさしい味わいがわらびの風味を引き立てます。
  • かつお節・しょうゆ:定番の組み合わせ。おひたしにぴったり。
  • たまご(卵とじ):苦味をマイルドにして、やさしい味わいに。
  • 味噌:味噌汁や酢味噌和えに。コクが加わります。
  • 山菜仲間(ぜんまい、たらの芽など):春の旬を楽しめる組み合わせ。

わらびを使った料理例

  • わらびのおひたし
  • わらびと油揚げの煮物
  • わらびの卵とじ
  • わらびの天ぷら
  • わらびと味噌の酢味噌和え
  • わらびご飯
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

、「アク抜きを丁寧に行うこと」が、わらびの魅力を最大限に活かすポイントです。しっかりアクを抜くことで、えぐみが消え、食材との調和がとれます。

蕨の栄養素(食品成分表)

生わらび

栄養素ゆで単位
廃棄率0%
エネルギー13
水分95.2g
タンパク質1.5g
脂質0.1g
食物繊維(総量)3.0g
炭水化物3.0g
ナトリウム
カリウム10
カルシウム11
マグネシウム10
リン24
0.6
亜鉛0.5
0.06
マンガン0.08
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)160
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.3
ビタミンK15
ビタミンB1
ビタミンB20.05
ナイアシン0.4
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸33
パントテン酸
ビオチン
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

わらびの英語・漢字・発音

漢字表記:蕨
ひらがな表記:わらび
英語表記:Bracken
英語の発音記号:/ˈbræk.ən/
カタカナ読み:ブラッカン(またはブラッケン)

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました