蕗の甘辛煮|プロが教える“よくわかるレシピ”

よくわかるレシピ

春の香りを楽しむ副菜「蕗(ふき)の甘辛煮」。
シャキッとした食感と、ほろ苦さの中に感じる上品な甘辛味が魅力です。

しかし、「えぐみが残る」「味が濃い」「焦げた」など、意外と失敗しやすい料理。
原因は、下茹でと煮詰めの火加減にあります。

現役和食調理師の結論は――
👉「下処理でえぐみを抜き、煮詰める前に火を落とす」。

焦げないように仕上げれば、箸休めにぴったりな上品な常備菜になります。


よくある失敗と原因

  • えぐみが残る → 下茹で不足 or 板ずり不足
  • 味が濃い → 煮詰めすぎ
  • 甘い → 砂糖・みりんの入れすぎ
  • 焦げる → 水分が少ない状態で強火のまま
  • 風味が弱い → 唐辛子を入れるタイミングが遅い

材料

食材

材料分量役割
約150g主素材。食感と香りを生かす
赤唐辛子1本香りと辛味のアクセント

調味料

調味料分量割合役割
出汁50cc5旨味と下味をつける
濃口醤油20cc2味と香りの決め手
砂糖10g1甘味と照りを出す
みりん20cc2コクとつやを加える
料理酒20cc2香りと深みを引き出す

下処理

  • :板ずりして塩をなじませ、3分ほど茹でる。
     氷水に取り、冷めたら皮を剥いて3cm長さに切る。
  • 赤唐辛子:種を取り、小口切りにする。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

板ずりは「えぐみを抜くための準備」。香りよく仕上げるコツです。


作り方(よくわかるレシピ)

  1. 炒める(中火)
    フライパンに油をひき、下ごしらえした蕗を入れて中火で2〜3分炒める。
    🔸 合図:「表面に軽くツヤが出てきたら」次へ。
  2. 出汁と調味料を加える(弱火)
    出汁・濃口醤油・砂糖・みりん・料理酒を加える。
    弱火にして時々混ぜながら煮る。
  3. 煮詰める(弱火)
    赤唐辛子を加え、汁気がなくなる直前まで煮る。
    🔸 合図:「鍋底に薄く泡が残るくらい」が止め時。
    焦げやすいので、ここからは混ぜながら火を止めるタイミングを見極める。
  4. 盛り付ける
    汁気を切って皿に盛り、赤唐辛子を上に散らす。

現役和食調理師のコメント

蕗は「煮すぎず、香りを残す」のが一番のコツです。
甘辛く仕上げるときは、最後の1〜2分が勝負
煮汁がほとんど見えなくなったらすぐに火を止め、余熱で仕上げます。
焦がさず煮詰める感覚を身につければ、どんな副菜も美しく仕上がります。


失敗しない3つのコツ

  • 板ずりと下茹では必ず行う(えぐみ防止)
  • 煮詰めの最後は弱火&鍋底に注意
  • 味見をして少し薄いと感じる程度で火を止める

保存方法

  • 冷蔵保存:密閉容器で3〜4日間。味がなじむほど美味しくなる。
  • 冷凍保存:食感が落ちるため非推奨。
  • 作り置き活用:お弁当や箸休め、副菜の常備菜として最適。

相性の良い料理・献立

  • 主菜:鯖の味噌煮鶏の照り焼き
  • 副菜:高野豆腐の含め煮小松菜のおひたし
  • 汁物:なめこの味噌汁すまし汁

旬と豆知識

蕗(ふき)は春から初夏が旬。
香りの成分「フキノリド」は加熱しても残り、独特のほろ苦さが魅力です。
カリウムを多く含み、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。
▶ 詳しくは【旬の野菜カレンダー】・【蕗の栄養ページ】へ。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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