みりんを入れてパンを焼いたらどうなったか|ホームベーカリー奮闘記

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みりんをパン作りに使うと、どんな味になるか気になりませんか?
「甘すぎるのでは?」
「焼き色が付きすぎる?」

そんな疑問を解消するために、今回はホームベーカリーで“みりん8%配合”の食パンを焼いて実験してみました。調理師の視点から

  • 味・香り・焼き上がりの様子
  • 食感の違い(きめの粗さ)
  • 原価やコスパのバランス
    を詳しく検証しています。

これからホームベーカリーを始める方にも役立つよう、レシピ・環境・使用機器・材料リンク・原価表までしっかり掲載。最後にはおすすめのホームベーカリーサービスも紹介しています。

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結論

本みりんを8%配合した食パンはホームベーカリーで問題なく焼けました
焼き上がりは外側が軽く香ばしく、中はふわふわ・しっとりとした、食感の良い仕上がりです。

一方で、みりんの甘さを考慮して砂糖を減らした影響から、甘みやコクは控えめで、やや味気なさを感じました。みりん由来の風味は感じられるものの、単体で食べると物足りなさが残ります。

ただし、甘さが抑えられている分、サンドイッチや食事パンとしての相性は非常に良好。料理と合わせる用途では使いやすい配合です。


このレシピを試した理由

みりんをパンに使うと、甘み・香り・食感にどんな影響が出るのかを確かめたかったからです。
和食では定番の調味料ですが、パン作りで主役として使われることは多くありません。

砂糖の代わりに使えるのか、それとも風味付けに留まるのか。実際に配合して焼いてみないと分からない部分が多いため、今回は本みりんを8%配合し、そのままの挙動を確認することにしました。甘さを抑えた場合でも、しっとり感や焼き上がりに違いが出るのかを見たかった、というのが今回の狙いです。


レシピと条件

レシピ|みりん8%の食パン

※この原価表は、当時実際に使用していた材料価格をもとに算出しています。
現在は原材料価格が変動しているため、あくまで目安としてご覧ください。

材料割合(%)分量原価
強力粉100 %250g95 円
ドライイースト1.2 %3g16.8 円
64 %160 cc8 円
生クリーム16 %40 g34 円
みりん8 %20 g12 円
2 %5 g1 円
バター6 %15 g30 円
▼原価合計196.8円

※今回使用した材料は、製菓・製パン材料専門店「コッタ」で購入しました。
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条件

今回使用したホームベーカリーはPanasonic SD-BH104(廃盤モデル)
発売からかなり年数が経っていますが、現在も安定した焼き上がりで現役使用中です。

項目環境
日付2021.1.22
室温14℃
湿度60℃
天気小雨
タイマーセットあり
ホームベーカリーの設定ソフトモード
焼き上がり「淡」

実際の焼き上がりと食感

膨らみ
本みりんを8%配合していますが、膨らみは良好です。生地は軽く、押すと戻る柔らかさがあり、全体として安定した焼き上がりになりました。極端な詰まりや腰折れは見られず、ホームベーカリーとしては扱いやすい仕上がりです。


焼き色
焼き色は淡めで均一。みりん由来の強い色付きはなく、見た目は通常の食パンに近い印象です。焼成中は、ほんのりとアルコールを思わせる香りが立ちました。


クラム
クラムはやや粗め。砂糖を減らした影響か、きめ細かさよりも軽さが出ています。しっとり感はありますが、もっちりというよりはふんわり寄りの構造です。


食感
口当たりはとても良く、外側は軽く香ばしく、中はふわふわ・しっとりとした食感。ただし、甘みは控えめで、単体で食べるとやや味気なさを感じます。

一方で、甘さが少ないぶん、サンドイッチや食事パンとしての相性は非常に良好。具材の味を邪魔せず、料理と合わせやすい仕上がりです。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

アルコールの風味が少々気になるところ。スキムミルクを入れていないせいか風味不足。


なぜこの結果になったのか(仮説)

本みりんに含まれる糖分とアルコール成分が、生地の性質に影響したと考えられます。みりん由来の糖分は焼成時に働き、しっとり感や焼き色の安定に寄与した一方、砂糖を減らしたことで、甘みやコクが弱くなった可能性があります。

また、アルコール分は発酵や焼成の過程で揮発しますが、その過程で生地の構造に変化が起き、きめがやや粗く、軽い食感になったと推測できます。みりん単体では甘さの主役になりにくく、風味付けや食感補助として使う素材という位置づけが、今回の結果につながったと考えられます。


再現するためのポイント

  • みりんは甘味料の代替ではなく、しっとり感と風味付け目的で使う。砂糖を完全に置き換える前提にしない。
  • 甘さを出したい場合は砂糖を少量併用してバランスを取る。
  • クラムが粗くなりやすいため、ふんわり系の食事パンとして割り切ると満足度が高い。
  • 単体で食べるよりサンドイッチや惣菜パン用途で使うと相性が良い。
  • 焼き色は淡くなりやすいのでトーストで軽く焼き色を付けると香ばしさが引き立つ。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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