チコリー(菊苦菜)とは?英語表記・栄養までわかりやすく解説

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チコリーとは ~解説~

チコリー

チコリーはキク科キクニガナ属の野菜で、独特のほろ苦さとシャキッとした食感が特徴の葉野菜です。原産は地中海沿岸地方で、フランス・イタリア・ベルギーなどヨーロッパではポピュラーな食材として広く親しまれています。

日本ではサラダ用の洋野菜として流通することが多く、近年は栽培品種が増え、彩り野菜としても注目されています。

✅ チコリーとは?分類と呼び方をわかりやすく解説!

チコリーはヨーロッパ原産の葉野菜で、種類が多く、呼び方も言語によって違うため少しややこしく感じるかもしれません。ここでは、よく混同されがちな「チコリー/エンダイブ/ラディッキオ」の違いや、加熱時の注意点をわかりやすくまとめます。


分類

名称特徴備考
チコリー(chicory)苦味のある葉野菜の総称。赤・白・緑など品種豊富。英語圏では全体を「chicory」と呼ぶことが多い。
ラディッキオ(radicchio)赤紫色のチコリー。丸く結球した葉が特徴。「ラディッキオ・ロッソ」などの品種が有名。
エンダイブ(endive)緑のフリル状の葉が特徴のチコリー。英語では「endive」、フランス語では「chicorée frisée」。

言語による呼び方の違い(要注意!)

言語呼び名指すもの
英語Chicory葉チコリー・根チコリー(赤も緑も含む)全般
英語Endiveカールした緑の葉をもつ品種(エンダイブ)
フランス語Endive(アンディーブ)白いチコリー(ベルギーチコリ)を指す
フランス語Chicorée根チコリー(コーヒー代用)を指す場合がある
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現役和食調理師のヒント

英語とフランス語では、「endive」と「chicory」の指す野菜が逆になることがあるので、輸入野菜を選ぶときは注意しましょう!


チコリーレッド(ラディッキオ)は加熱注意

赤紫色のチコリー(ラディッキオ)は加熱すると色が抜けやすいのが特徴です。
生でサラダに使うのがおすすめですが、レモン汁や酢を少し加えると色落ちを軽減できます。


まとめ:チコリーは見た目も呼び方もバリエーション豊か!

言語によって名前の使い方が違うので、料理本やパッケージでは文脈に注目!
「チコリー」は総称。
赤いのが「ラディッキオ」、緑でフリル状のが「エンダイブ」。

チコリーの保存方法

チコリーは繊細な葉野菜で、乾燥や衝撃に弱く、冷えすぎにも注意が必要です。保存方法を工夫すれば、苦味やみずみずしさを保ったまま美味しく使えます。


冷蔵保存(基本の保存法)

  • 軽く湿らせたキッチンペーパーでチコリーを包み、ポリ袋または保存容器に入れて野菜室へ
  • 立てて保存するのが理想(株付きのものなら根元を下に)
  • 冷蔵庫の温度が低すぎると葉が変色することがあるため注意
  • 保存期間:約5〜7日以内が目安

冷凍保存(調理用に使う場合)

チコリーは生食用に向いているため冷凍にはあまり適しませんが、加熱用なら以下の方法で保存可能です。

  1. 葉を一枚ずつはがして洗い、水気をしっかり拭き取る
  2. 食べやすくカットして、ラップで小分けにし保存袋へ
  3. スープやグラタンなど加熱調理専用として使用
  • 保存期間:2〜3週間
  • 注意点:加熱すると色落ち・食感の劣化が出やすい

変色を防ぎたいときのコツ

赤紫のラディッキオなどは、加熱による退色や酸化による変色が起こりやすいため、以下の方法で対処できます:

  • レモン汁や酢を少量加えると色落ちをやや抑えられる
  • サラダとして使う場合は、切った直後にドレッシングとあえると酸化しにくい

✅ まとめ

保存方法保存期間ポイント
冷蔵(基本)5〜7日湿らせて袋に入れ、立てて野菜室へ
冷凍(加熱用)2〜3週間スープ・グラタンなど加熱専用に
色変わり対策できるだけ早く調理酸を加えると◎

主な品種群

  • リーフチコリー
  • サラダチコリー
  • ラディッキオ
  • ベルギーチコリー
  • インサラータ・ベルガ
  • チコリア
  • カタローニャ
  • チコリーノ
  • パン・ディ・ズッケロ / チコリア・ミラノ
  • ラディッキオ

チコリーと相性の良い食材

チコリーは独特の苦味が特徴の葉野菜ですが、組み合わせ次第で驚くほど食べやすくなり、味に深みが増します。ヨーロッパでは定番の苦味野菜として、前菜やメインにも活用されます。


チコリー × チーズ

(ブルーチーズ/パルメザンなど)

塩気とコクが苦味を中和し、旨みに変わる
→ チコリーのボート型の葉にチーズを乗せて前菜に。特にブルーチーズとの組み合わせは欧州風サラダの定番。


チコリー × くるみ/アーモンド

食感と香ばしさをプラスして風味のコントラストを演出
→ チコリーのサラダに砕いたナッツを散らすと、食感と香りがアクセントに。


チコリー × ハム・ベーコン・生ハム

塩味と脂がチコリーの苦味を引き立て、相性抜群
→ チコリーのグリルにベーコンを巻いたり、生ハムをのせた前菜にも◎。


チコリー ×りんご/オレンジ/いちじく

甘味と酸味が加わり、苦味がぐっとやわらぐ
→ 柑橘ドレッシングとあわせて爽やかなサラダに。見た目も華やか。


チコリー × バルサミコ酢・はちみつ

酸味や甘味がチコリーの苦味と調和
→ グリルチコリーにバルサミコをかけて。サラダにははちみつ入りドレッシングが◎。


✅ まとめ:苦味は“合わせ方”次第でごちそうに

チコリーは単体では食べづらく感じても、塩味・甘味・酸味・脂肪分との組み合わせで、まったく別の美味しさになります。サラダだけでなく、焼き野菜やオードブル、温菜料理にも応用できる万能食材です。

チコリーの栄養素 ~食品成分表~

チコリ(生)若芽
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー17
水分94.7g
タンパク質1.0g
脂質g
食物繊維(総量)1.1g
炭水化物3.9g
ナトリウム3
カリウム170
カルシウム24
マグネシウム9
リン25
0.2
亜鉛0.2
0.05
マンガン0.07
ヨウ素1
セレン
クロム1
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)11
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.2
ビタミンK8
ビタミンB10.06
ビタミンB20.02
ナイアシン0.2
ビタミンB60.03
ビタミンB12
葉酸41
パントテン酸0.14
ビオチン1.1
ビタミンC2
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

チコリは“苦味×シャキ感”を楽しむ超低カロリー野菜。 生で葉酸とカリウムを取りつつ、油脂や乳製品・味噌などで苦味をまろやかに。前菜やカナッペ、和の胡麻・酢味噌とも好相性です。

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チコリーの漢字・英語表記

表記読み方発音記号解説
漢字表記菊苦菜(きくにがな)キク科で苦味のある野菜という意味から命名された和名です。
英語表記Chicory[ˈʃɪkəri](シッカリー/チコリー)英語では「チコリー」と発音し、ヨーロッパ原産の葉野菜全般を指します。

「chicory」は英語で、ヨーロッパ原産の苦味のある野菜全般を指します。
具体的には

  • 葉野菜としてのエンダイブ(endive)
  • 紫色のリーフレタスのようなトレビス(radicchio)
  • 根を焙煎してコーヒーの代用品とするルートチコリー(root chicory)

などもすべて “chicory” に含まれます。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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