にんにく(大蒜)の使い方と保存方法|旬・栄養・品種まで調理師が解説|garlic

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にんにく(大蒜)はどう保存するのが正解?
冷凍しても栄養や風味は落ちないの?
英語ではどう表記される?

独特の香りと豊富な栄養で世界中の料理に欠かせないにんにくですが、保存方法を誤ると芽が出たり風味が失われてしまいます。実は、常温・冷蔵・冷凍で適した保存法が異なり、使い方に合わせた工夫が必要です。

この記事では、にんにくの旬・栄養素・保存方法(常温・冷蔵・冷凍・オイル漬け)・相性の良い食材・品種・英語表記まで調理師目線で解説します。にんにくを長く美味しく楽しむコツを、ぜひ最後までご覧ください。

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にんにくの旬|おいしい時期と特徴

大蒜

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

5月〜6月(新にんにくの時期)は収穫直後のフレッシュな「新にんにく」が出回る季節。皮が薄く、水分が多くてみずみずしい。生食にも◎

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

「新にんにく」は皮がむきやすく、炒め物や丸ごとローストにぴったり

にんにくとは? ~特徴~

大蒜 にんにく(garlic)
  • にんにく(大蒜)は、ネギ属の多年草で、古くから薬味・保存食・調味料として重宝されてきた香味野菜です。
  • 独特の強い香りと旨味が特徴で、炒め物や煮込み料理、漬物などあらゆるジャンルの料理に使われています。
  • 日本では「にんにく醤油」「ペペロンチーノ」「ラーメン」「餃子」など幅広く活用
  • 西洋では「ガーリックバター」「アヒージョ」「ソース」などの風味付けに不可欠
  • 殺菌・抗菌作用があるとされ、昔から体を温める食材としても親しまれてきました
  • ニンニクを熟成発酵させた黒ニンニク(フルーティーにんにく)という物が存在する
  • にんにくは刺激が強い成分が含まれているので、過剰に摂取すると胃腸の調子が悪くなる可能性がある
  • 国内の物は約70%が青森県産

✅ 香りの正体は「アリシン」

  • にんにくを刻んだり潰したときに出る成分「アリシン」が、特有の香りと辛味を生み出します
  • アリシンは熱に弱く、加熱するとまろやかな旨味に変化
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「香りを立たせるには冷たい油からじっくり加熱するのがポイント」
焦げやすいので火加減に注意し、香りが出たらすぐに次の食材を投入するのがプロのコツです。

にんにくと相性の良い食材

にんにくは、食材の旨味や香りを引き立てる名脇役。脂や香辛料と合わせることでその力を最大限に発揮します。


食材例相性の理由
牛肉
豚肉
鶏肉
ラム
肉の臭みを抑え、旨味を引き出す
ガーリックステーキ
牛肉のガーリック炒め
エビ
イカ
タコ
アサリ
白身魚
臭みを抑え、風味を豊かにする
イカのガーリックバター炒め
アサリのガーリック酒蒸し
アヒージョ
ほうれん草
小松菜
キャベツ
ピーマン
きのこ
香りとコクをプラスし、炒め物に最適
にんにく炒め
ペペロンチーノ風炒め
にんにくの中華炒め
オリーブオイル
ごま油
バター
油と一緒に加熱することで香りが広がる
ペペロンチーノ
アヒージョ
味噌
醤油
ナンプラー
アンチョビ
旨味の相乗効果で奥深い味わいに
豚肉のにんにく味噌炒め
にんにく味噌だれ
パスタ
じゃがいも
パン
ごはん
香ばしさと食欲を引き立てる
ガーリックポテト
にんにく風味のポテトフライ

✅ 料理別の定番

  • ガーリックトースト(にんにく+バター+パン)
  • アヒージョ(にんにく+オリーブオイル+魚介+きのこ)
  • にんにく味噌炒め(にんにく+豚肉+味噌+野菜)
  • ペペロンチーノ(にんにく+唐辛子+オイル+パスタ)
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にんにくは焦がすと苦味が出るため、油に香りを移すだけに留めるのがポイント。香りを活かしたいときは、切るよりも潰して使用すると香味が強くなります。

にんにくの保存方法

にんにくは乾燥に強く、比較的保存しやすい食材ですが、保存方法を間違えると芽が出たりカビが生えたりすることも。用途に応じた保存が大切です。


✅ 丸ごとのにんにく(常温保存)

  • 保存方法: 風通しがよく、涼しく乾燥した場所(15℃以下)で吊るす or カゴに入れて保存
  • 保存期間: 約1~2か月
  • 注意点: 湿気と直射日光を避ける。冷蔵庫は湿度が高く傷みやすい

✅ 使いかけのにんにく(冷蔵保存)

  • 保存方法: 皮付きのままラップ、または密閉容器に入れて冷蔵庫(野菜室)
  • 保存期間: 約1週間
  • ポイント: 断面が乾燥しないよう、ラップでしっかり包む

✅ みじん切り・すりおろし・刻みにんにく(冷凍保存)

  • 保存方法: 小分けしてラップや保存袋に入れ、冷凍庫へ
  • 保存期間: 約1か月
  • 使い方: 凍ったまま炒め物などに。香りはやや飛ぶので風味重視には不向き

✅ オイル漬けにんにく

  • 保存方法: 皮をむいたにんにくをオリーブオイルやごま油に浸して冷蔵保存
  • 保存期間: 2〜3週間(※早めに使用)
  • 注意: 密封性を高め、雑菌の混入を防ぐこと
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にんにくは冷凍・オイル漬け・乾燥と用途に応じて使い分けると便利です。特にみじん切りの冷凍保存は時短調理に大活躍。ニオイが移らないよう密閉することが大切です。

主な品種群

  • プチニンニク
  • ニューホワイト六片
  • 福地ホワイト六片
  • ジャンボニンニク
  • 最上赤にんにく

にんにくの栄養素 ~食品成分表~

にんにく(りん茎)
可食部100g当たり

栄養素油いため単位
廃棄率09%
エネルギー191129
水分53.763.9g
タンパク質8.26.4g
脂質5.90.9g
食物繊維(総量)6.86.2g
炭水化物30.627.5g
ナトリウム168
カリウム610510
カルシウム1814
マグネシウム2924
リン200160
1.20.8
亜鉛1.00.8
0.210.16
マンガン0.360.28
ヨウ素
セレン1
クロム
モリブデン16
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)22
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.50.5
ビタミンK3
ビタミンB10.230.19
ビタミンB20.090.07
ナイアシン0.80.7
ビタミンB61.801.53
ビタミンB12
葉酸12093
パントテン酸0.680.55
ビオチン2.0
ビタミンC1012
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

油いためで数値が全体に上がりやすい
水分が63.9%→53.7%に減って濃縮されるため、カリウム・B6・リンなど多くの成分が相対的に増えています。

エネルギーと脂質の増加
129→191 kcal、脂質0.9→5.9 g。油吸収の影響で、にんにく自体は低脂質でも、調理でエネルギー密度が上がります。

脂溶性ビタミンEが増える
0.5→1.5 mg。油調理でビタミンEが取り込みやすくなっています。

ビタミンCはやや減少
12→10 mg。加熱で熱・酸化の影響を受けやすいことが表に出ています。

実用量の注意
表示は100g当たりですが、実際の使用量は1片(約5〜10 g)程度が多め。したがって、栄養素の摂取量は表の1/10〜1/20程度になる点を記事内で補足すると親切です。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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にんにくの英語・漢字表記と使い方

  • 英語表記: garlic
  • 発音記号: /ˈɡɑːrlɪk/(アメリカ英語)
  • カタカナ読み: ガーリック

「garlic」は、世界中の料理で使われている香味野菜。英語圏でもよく知られており、スパイスやソースの名前にも頻出します。

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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