このしろの旬はいつ?
内臓の臭みはどう取るの?
どんな料理に合う魚?
独特の風味と脂の旨味を持つこのしろは、秋から冬にかけて旬を迎える魚。酢締めや押し寿司など伝統的な食べ方はもちろん、煮物や焼き物でも格別です。この記事では、旬の時期や特徴、内臓処理のコツ、調理師おすすめの食べ方をわかりやすく解説します。
成長とともに呼び名と「旬」が変わる!コノシロの魅力

コノシロは、成長段階によって呼び名が変わる「出世魚」です。それぞれのサイズによって最も美味しいとされる時期や用途が異なるため、料理人にとっても非常に奥が深い魚と言えます。画像のカレンダーにある通り、初夏の「シンコ」から真冬の「コノシロ」まで、それぞれの旬を詳しく見ていきましょう。
シンコ(7月〜8月)
江戸前寿司の華
体長4〜5cmほどの幼魚を「シンコ」と呼びます。
- 特徴: 非常に繊細で柔らかい身が特徴。一貫の寿司に数匹を並べて握る姿は、夏の江戸前寿司の風物詩です。
- 価値: 市場に出始める初物には、キロ単位で驚くほどの高値がつくこともあります。
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小肌(コハダ/8月〜9月)
寿司職人の腕の見せ所
7〜10cm前後の、寿司ネタとして最も一般的なサイズです。
- 味わい: 適度に脂がのり始め、酢締めにすることで旨味が最も引き立ちます。
- 目利き: 皮の肌理(きめ)が細かく、光沢があるものが上質です。
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なかずみ(9月〜10月)
食べ応えの増す成長期
15cm前後まで成長したものです。
- 特徴: 小肌よりも身が厚くなり、脂の乗りも強くなります。
- 料理: 酢締めはもちろん、焼き物としても十分に楽しめるサイズです。
コノシロ(11月〜2月)
脂がのりきる真冬の主役
20cm以上の成魚です。
- 特徴: 冬の寒さとともに脂がたっぷりとのり、濃厚な味わいになります。
- 楽しみ方: 煮付けや塩焼き、南蛮漬けなど、家庭料理でもその旨味を存分に発揮します。
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現役和食調理師のヒント
「しんこ」は一口で季節を感じられる贅沢な寿司ネタ。小肌やなかずみ、このしろと成長するにつれ脂や風味が変わるので、同じ魚でも料理の印象がガラリと変わります。旬ごとの違いを食べ比べるのもおすすめです。
このしろとは ~特徴と味わい~

このしろ(鮗/鯯)は、ニシン科に属する海水魚で、成長に伴って名前が変わる出世魚です。体は細長く、銀色の光沢が美しく、背中には青緑色の輝きが見られます。成長段階ごとの呼び名は「しんこ」→「小肌(こはだ)」→「なかずみ」→「このしろ」で、最終的には全長20〜25cm前後になります。
生態と分布
- 北海道南部以南の沿岸から東シナ海まで広く分布
- 主に内湾や河口付近に群れを成して回遊
- 冬に向けて脂を蓄え、秋から冬にかけて漁獲量が増加
味と食感
骨は細かく、調理次第で骨ごと食べられる
脂のりの良さと旨味が魅力で、酢締めにすると酸味と脂のバランスが絶妙
成長段階によって食感や味わいが変化
しんこ:柔らかく上品な味わい
小肌:旨味が増し、酢締めに最適
なかずみ/このしろ:脂がのって濃厚な風味、焼き物・煮物にも向く

現役和食調理師のヒント
このしろは鮮度落ちが早く、特に生食用は水揚げ当日が勝負。酢締めにすることで保存性が上がり、旨味も凝縮します。寿司屋の小肌が絶妙なのは、酢の加減と締め時間に職人技が光っているからなんです。
地方名
- ツナシ
- ハビロ
- ドロクイ
- ジャコ
このしろの下処理・内臓の取り扱い(臭み・苦味対策)
このしろは脂がのった魚ですが、内臓には特有の苦味や臭みがあるため、下処理は丁寧に行うのが美味しさの秘訣です。
基本の下処理手順
- 鱗を取る
全体を軽く水洗いし、包丁やスケーラーで鱗を丁寧に取り除きます。
鱗が残ると食感が悪くなるので、尾びれや胸びれの付け根までしっかりと。 - 腹を開いて内臓を除去
腹の下側を浅く切り込み、内臓を指やスプーンで取り出します。
特に胆のう(緑色の袋)が破れると強い苦味が出るため、慎重に取り除きます。 - 血合いを洗い流す
腹の内側にある血合いを流水で洗い流します。
この工程で臭みの原因を大幅に減らせます。 - キッチンペーパーで水分を拭き取る
水分が残ると鮮度が落ちやすく、臭みの原因になるため、下処理後は必ず拭き取ります。
内臓処理のポイント
- 酢締めや寿司用の場合は、内臓を残さないのが基本。
- 焼き物にする場合でも、苦味が気になる方は内臓を取り除くのがおすすめ。
- 内臓の風味を楽しみたい場合は、鮮度が極めて良いものを選び、加熱して利用します。
コノシロを美味しく食べるための「小骨」対策
コノシロは非常に美味しい魚ですが、一方で「魚の中で最も小骨が多い」と言われるほど、骨の処理が欠かせない魚でもあります。特に成魚(コノシロサイズ)になると骨がしっかりしてくるため、家庭での下処理には工夫が必要です。
「小骨が気になって子どもに食べさせにくい」「上手に骨を処理したい」というお悩みは、プロの現場でもよく耳にするものです。安心してお魚を味わっていただくための「小骨の抜き方や処理のコツ」については、こちらの記事で詳しくまとめています。
魚の小骨の取り方|簡単な骨抜き方法と子ども向け対策

現役和食調理師のヒント
寿司屋では、このしろの下処理はスピード勝負。水揚げから数時間以内にさばき、内臓と血合いを丁寧に処理することで、脂の旨味だけを残し臭みを感じさせません。
このしろと相性の良い食材
| 食材 | 組み合わせの理由・使い方例 |
|---|---|
| 酢 | 脂の旨味を引き立て、酢締めや押し寿司に最適 |
| 生姜 | 臭みを和らげ、爽やかな香りをプラス |
| 大葉 | 酢締めや寿司に添えると香りと彩りが良い |
| すだち かぼす | 焼き物や酢の物に爽やかな酸味を加える |
| 白ごま | 酢味噌和えや押し寿司に香ばしさを添える |
| 味噌 | 内臓や身と合わせて煮るとコクのある味わいに |
| 長ねぎ | 焼き物や南蛮漬けに加えると風味がアップ |

おかみさんの一言
このしろはね、脂がたっぷりのってるから、そのままだとちょっと重たいの。だから酢やすだち、生姜なんかでキュッと引き締めると、味がぐっと冴えるのよ。
このしろに合う調理法
| 調理法 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 酢締め | ◎ | 脂の旨味と酸味が絶妙に調和し、臭みを抑えられる |
| 押し寿司 | ◎ | 酢締めにした身を押し固め、旨味を凝縮できる |
| 焼き物 | ○ | 皮目の脂が香ばしく、身はふっくら仕上がる |
| 南蛮漬け | ○ | 酸味と香味野菜でさっぱりと食べられる |
| 煮付け | △ | 脂が強く、甘辛い味付けで好みが分かれる |
| 唐揚げ | △ | 小型のものなら骨ごと食べやすく、香ばしい |

現役和食調理師のヒント
このしろは脂の香りが強いので、酢締めや押し寿司のように酸味を効かせると旨味が際立ちます。焼き物にするなら皮目をパリッと仕上げるのがコツです。
このしろの栄養素(食品成分表)
このしろ(生)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 甘酢漬 | 生 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | – | 50 | % |
| エネルギー | 184 | 146 | ㎉ |
| 水分 | 61.5 | 70.6 | g |
| タンパク質 | 91.1 | 19.0 | g |
| 脂質 | 10.1 | 8.3 | g |
| 食物繊維(総量) | – | – | g |
| 炭水化物 | 6.4 | 0.4 | g |
| ナトリウム | 890 | 160 | ㎎ |
| カリウム | 120 | 370 | ㎎ |
| カルシウム | 160 | 190 | ㎎ |
| マグネシウム | 16 | 27 | ㎎ |
| リン | 170 | 230 | ㎎ |
| 鉄 | 1.8 | 1.3 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.9 | 0.7 | ㎎ |
| 銅 | 0.06 | 0.16 | ㎎ |
| マンガン | 0.09 | – | ㎎ |
| ヨウ素 | – | 35 | ㎍ |
| セレン | – | 31 | ㎍ |
| クロム | – | 1 | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | – | ㎍ |
| ビタミンD | 7.0 | 9.0 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.5 | 2.5 | ㎎ |
| ビタミンK | – | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | – | – | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.17 | 0.17 | ㎎ |
| ナイアシン | 2.1 | 2.1 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.15 | 0.33 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 8.1 | 10.0 | ㎍ |
| 葉酸 | 1 | 8 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.41 | 1.13 | ㎎ |
| ビオチン | – | 7.4 | ㎍ |
| ビタミンC | – | – | ㎎ |

おかみさんの一言
このしろってね、脂がのってるけど、実はたんぱく質もしっかりあって、体にも嬉しい魚なのよ。カルシウムやビタミンB群も含まれてて、骨や血の健康にも一役買ってくれるの
このしろの漢字・英語表記

漢字表記:鮗、鯯
英語表記:Gizzard shad
発音記号:[ˈɡɪzərd ʃæd]
カタカナ読み:ギザード・シャッド

