五目豆は、大豆を中心に野菜やこんにゃく、根菜を合わせて煮た、日本の家庭料理の代表格。
素朴でやさしい味ですが、火加減・水加減・味を入れる順序を間違えると「豆が硬い」「味が濃い」「焦げついた」と失敗しがちです。
結論は、**“弱火でコトコト”と“砂糖を2段階で入れる”**こと。
しっかりと下ごしらえすれば、豆の旨味と野菜の甘味が一体になった、ふっくら上品な煮物に仕上がります。
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よくある失敗と原因
- 豆が固い … 下茹で不足/浸水時間が短い
- 味が濃い … 火が強い/煮詰めすぎ
- 味がぼやける … 砂糖の入れるタイミングが早すぎる
- 焦げる … 水分管理不足/火が強い
- 具材の大きさがバラバラ … 火の通りにムラが出る
材料

食材
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 大豆(乾燥) | 100g | 主役。ふっくらとした食感と旨味のベース |
| 人参 | 50g | 彩りと自然な甘味 |
| 牛蒡 | 50g | 香りと土の旨味で深みを出す |
| 蒟蒻 | 1/2枚 | 食感のアクセント・煮崩れ防止 |
| 蓮根 | 50g | シャキッとした歯ざわりを残す |
| 昆布(またはひじき) | 5g | 旨味と香りを補う |
調味料
| 調味料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 水 | 450g | 煮汁のベース。火加減により適宜追加 |
| 濃口醤油 | 40g | 味の柱。香ばしさを出す |
| 砂糖 | 50g(前半25g+後半25g) | 甘味と照りを出す。2回に分けて使う |
| 塩 | 2g | 味の締まりと全体のバランス |
下処理
| 食材 | 手順 |
|---|---|
| 大豆 | ①よく洗い、浮く豆を除く ②3倍の水+塩少々(小さじ1/3)に一晩つける ※時間がない場合は熱湯を注ぎ、1時間置く |
| 人参 | 皮を剥き、大豆の2倍大きさに乱切り(またはサイコロ状) |
| 牛蒡 | よく洗い泥を落とし、同様に乱切り。水にさらしてアク抜き |
| 蒟蒻 | 大豆の2倍大きさに切り、湯通しして臭みを取る |
| 蓮根 | 同じ大きさに切り、水にさらす |
| 昆布・ひじき | 水で戻しておく(長時間煮る場合は短時間でOK) |

現役和食調理師のヒント
具材の大きさは「大豆の約2倍」で統一。火の通りが揃い、見た目にも美しい。
作り方
① 大豆を煮る
浸け汁ごと鍋に入れ、強火で一度沸騰 → 弱火に落とす。
アクを取りながら、豆が踊らない程度の火加減でゆっくり煮る。
途中、水分が減ったら差し水を。
👉 **合図:豆を指でつまんで潰れるくらい(まだ芯が少し残る)**が目安。
② 砂糖を半量入れて煮る
(中火→弱火)豆が柔らかくなったら、砂糖の半量(25g)を入れる。
30分ほど煮て、砂糖をしっかり浸透させる。
👉 合図:豆の表面がややつやっとして、煮汁が甘く香る。
③ 野菜と残りの調味料を加える
残りの砂糖・下ごしらえした野菜・昆布を入れてさらに煮る。
煮汁が全体に行き渡ったら、濃口醤油と塩を加える。
ここから弱火で1時間ほどコトコト。
👉 合図:豆をひと粒割ると中まで色が入り、煮汁が照りを帯びる。
④ 火を止め、煮含める
火を止めてそのまま置き、余熱で10〜15分ほど味をなじませる。
再加熱は煮詰めやすいため、必要な場合は水を少し足して温め直す。

現役和食調理師のヒント
砂糖で下味 → 醤油で香り → 余熱で含ませる。この流れを守れば、ふっくら上品に仕上がります。
失敗しない3つのコツ
- 砂糖は2回に分けて入れる:一気に入れると豆が硬くなる
- 火加減は常に“豆が動かない程度”の弱火
- 煮汁を切らさない:焦げ付き・味濃化防止のため、常に汁を確認
保存方法
- 冷蔵:密閉容器で4〜5日。翌日の方が味がなじむ。
- 冷凍:可(約2〜3週間)。自然解凍し、軽く温め直す。
- ポイント:煮汁ごと保存するとパサつかない。
相性の良い料理
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 鯖の味噌煮 | 甘辛煮×煮豆の調和が抜群 |
| 味噌汁(豆腐・わかめ) | 大豆料理同士で栄養バランス◎ |
| 炊き込みご飯 | 五目豆の煮汁を加えると旨味が増す |
▶ 内部リンク例:
出汁の取り方|プロが教える“よくわかるレシピ”
旬と豆知識
大豆は通年使えますが、国産の新豆は11〜12月が最も美味。
たんぱく質と食物繊維が豊富で、煮物にすると吸収率が上がります。
昆布やひじきと煮ることでカルシウムやミネラルの相乗効果も。

現役和食調理師のヒント
五目豆は「弱火で時間を味方につける」料理。強火で急ぐと豆は硬く、味も染みません。
砂糖で下味 → 醤油で香り → 余熱で含ませる。この流れを守れば、ふっくら上品に仕上がります。
失敗の原因と解決法
| 失敗 | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
| 豆が固い | 下茹で不足 浸水時間不足 | 熱湯に入れて20分追加加熱 |
| 味が濃い | 火が強い 煮詰めすぎ | 水または出汁を加え、再調整 |
| 味がぼやける | 砂糖一括投入 | 砂糖を段階的に入れる |
| 焦げた | 火が強い 水切れ | 焦げていない部分を別鍋に移し、水を足す |
| 豆の皮が破れる | 火力が強い | 常に弱火、鍋底をこまめに返す |

現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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