ホームベーカリーを使い続けると、ふと「これ、結局コスパはどうなの?」と現実的な疑問が湧いてきます。
昨今の物価高により材料費や電気代も変わりました。そこで本記事では、25年のキャリアを持つ調理師の私が、2026年現在の最新価格(Amazon・コッタ参照)に基づき、食パン1斤の原価を1円単位で算出しました。
カタログスペックではない、見落としがちな消耗品コストを含めた「パン作りの現実」をありのままに提示します。あなたが「このまま続けるか、それともやめるか」を冷静に判断する材料としてお役立てください。
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結論
ホームベーカリーは「高いか安いか」だけでは判断できない
ホームベーカリーのパンは原価だけを見れば決して安くはありません。材料にこだわるほどコストは上がり、消耗品の交換も含めると、市販の食パンより高く感じる場面もあります。
「焼く時間そのものを楽しむ」
「配合を試す」
「失敗も含めて積み重ねる」
という趣味としての価値で考えると、ホームベーカリーは決して高い買い物ではありません。
このページで整理する原価や消耗品の情報は節約のためではなく、納得して続けるための判断材料です。
ホームベーカリーのパンは本当に高いのか?
ホームベーカリーのパンが「高い」と言われやすい理由の多くは、材料費だけを切り取って見てしまうことにあります。強力粉・バター・牛乳・砂糖などを一つずつ足していくと、確かに市販の食パンより高く見えることがあります。しかし、これは作り方も前提も違うものを、同じ土俵で比べている状態です。
市販の食パンは大量生産・流通・原材料調達を前提に作られており、家庭で1斤ずつ焼くホームベーカリーのパンとはコスト構造そのものが異なります。そのため、単純に「1斤いくら」で比較しても、本来の価値は見えてきません。
ホームベーカリーで原価を見る目的は、できるだけ安く作ることではありません。どこにお金がかかっているのか、どの配合や材料が原価に影響しているのかを知ることで、「自分にとって納得できるかどうか」を判断するための材料になります。
原価は節約のための数字ではなく、続けるかどうかを決めるための目安として考えるのが現実的です。
ホームベーカリーで食パン焼くときの基本材料と原価
1斤あたりの値段は174.6円(Amazon)と263.6円(コッタ)
安さだけで見るとAmazonに軍配が上がります。
【Amazon編】手軽に揃える場合のコストと材料
| 材料 | 容量 | 価格 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 強力粉 | 1kg | 289円 | 72.3円/250g |
| ドライイースト | 125g | 591円 | 14.2円/3g |
| 水 | 2㍑×8本 | 1112円 | 12.6円/180g |
| スキムミルク | 150g | 313円 | 12.5円/6g |
| 塩 | 1kg | 146円 | 0.7円/5g |
| 砂糖 | 500g | 195円 | 6.6円/17g |
| バター | 450g×2 | 3340円 | 55.7円/15g |
| 合計 | – | – | 174.6円 |
1斤あたり約175円。コンビニの食パンよりは高いですが、焼き立ての香りと無添加の安心感を考えれば、十分すぎるほど高コスパです。注文して翌日に届くのはポイントが高い。
【コッタ(cotta)編】専門店で安く美味しく揃える原価
| 材料 | 容量 | 価格 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 強力粉 | 1kg | 585円 | 146.3円/250g |
| ドライイースト | 125g | 744円 | 17.9円/3g |
| 水 | ー | ー | 12.6円/180g |
| スキムミルク | 150g | 422円 | 16.9円/6g |
| 塩 | 1kg | 570円 | 2.9円/5g |
| 砂糖 | 500g | 567円 | 19.3円/17g |
| バター | 450g | 1432円 | 47.7円/15g |
| 合計 | – | – | 263.6円 |
1斤あたり約264円。明らかに高い。しかし強力粉の種類は豊富なので、こだわりの強力粉があればコッタで購入するのがおすすめ。定期的にセールをしているのでこまめにチェックをお勧めします。
実際にホームベーカリーで作った食パンの副材料の原価一覧
この表はすべてAmazonの価格を参考にしています。
主な副材料
下記の食材を入れることでホームベーカリーでおいしい食パンが出来上がります。
| 材料 | 容量 | 価格 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 米粉 | 2kg | 2029円 | 10.1/10g |
| ライ麦粉(細挽き) | 1kg | 1207円 | 12.1/10g |
| ぬちまーす | 250g | 1700円 | 68/10g |
| 三温糖 | 1kg | 291円 | 2.9/10g |
| てんさい糖 | 650g | 749円 | 11.5/10g |
| 牛乳 | 900g×3本 | 1999円 | 7.4/10g |
| 生クリーム (植物脂肪40%) | 200ml×12個 | 2950円 | 12.3/10g |
| 生クリーム (乳脂肪分40%) | 200ml | 520円 | 26.0/10g |
| レーズン | 1kg | 1499円 | 15.0/10g |
| ドライフルーツ | 1kg | 2390 | 23.9/10g |
変わった副材料
ホームベーカリーの可能性を広げるために、私が実際に試した材料の一部です。原価よりも『パンにするとどうなるか?』という好奇心で焼いてみました。下記の表は2026年のAmazonでの原価表です。
| 材料 | 容量 | 価格 |
|---|---|---|
| 練乳 | 480g | 1180円 |
| ココナッツミルク | 400g | 309円 |
| ココナッツオイル | 180g | 1834円 |
| オリーブオイル | 1L | 2125円 |
| アーモンドミルク | 1L×6本 | 1990円 |
| アーモンドパウダー | 500g | 1649円 |
| アーモンドエッセンス | 30ml | 998円 |
| 杏仁霜 | 150g | 589円 |
| 片栗粉 | 400g | 235円 |
| カルピス(原液) | 1L | 744円 |
| 緑茶(茶葉) | 150g | 413円 |
| 紅茶(Tパック) | 120袋 | 1464円 |
| シナモンパウダー | 300g | 1606円 |
| ココアパウダー | 200g | 1564円 |
| すりごま(白) | 600g | 1380円 |
| 練り胡麻 | 300g | 890円 |
| プリンミクス | 74g×5個 | 1227円 |
| 黒酢 | 360g | 438円 |
| 本みりん | 1.8L | 1358円 |
| 液味噌 | 430g×2本 | 1480円 |
| トマトジュース | 720g×15本 | 3536円 |
| クリームチーズ | 480g | 1850円 |
| 丸餅 | 1K | 1083円 |
原価が高い配合と続けている人の考え方
原価が一気に上がる配合の特徴
ホームベーカリーの原価が高く感じやすいのは、材料を少し変えただけで単価が跳ね上がる配合を選んだ場合です。例えば、強力粉をブランドやドライフルーツやナッツの使用、乳製品の使用などです。
これらは味や満足度を大きく左右しますが、同時に原価にもはっきり影響します。特に乳製品や具材は、少量でもコストを押し上げやすいため、配合を変えるたびに原価差が生まれやすくなります。
続けている人が無意識に避けているポイント
ホームベーカリーを長く使っている人ほど、毎回原価が跳ね上がる配合を選ばない傾向があります。基本配合はシンプル。高価な材料は「試したいときだけ」に使うなど意識せずに行っています。
これは節約のためというより、失敗リスクや飽きやすさを避けるための選択でもあります。結果として、原価も自然に安定しやすくなります。
原価を抑えることが目的にならないほうがいい理由
ホームベーカリーの原価を気にし始めると、「どうすれば一番安く焼けるか」に意識が向きがちです。ただ、原価を最優先にしてしまうと、配合を試す楽しさが減り、結果使わなくなるという流れに入りやすくなります。
原価を見る意味は削るためではなく、納得するためです。「この配合ならこのくらいかかる」と理解したうえで選ぶことで、ホームベーカリーを続けやすくなります。
見落としがちなホームベーカリーの消耗品コスト
パンケース・羽根は「消耗品」として扱われている
ホームベーカリーのパンケースや羽根は、メーカー上は消耗品として扱われています。これは「すぐ壊れる」という意味ではなく、使用年数や扱い方によっては交換が必要になる可能性がある、という位置づけです。
実際には通常の使い方をしていれば、何年も問題なく使い続けられるケースも少なくありません。
交換時期の目安と、実際に使ってきた感覚
私自身は、これまでホームベーカリーを使ってきて、パンケースや羽根を交換したことはありません。普通に使い、無理な扱いをしなければ、簡単に壊れる部品ではないというのが実感です。
つまり、交換時期は年数よりも扱い方に左右されるという印象です。
「壊れてから探す」と意外と面倒な理由
消耗品について厄介なのは、必要になってから探すと意外と手間がかかる点です。特に、「使おうと思ったタイミングで使えない」という状況になると、ストレスが大きくなります。
そのため、消耗品は“すぐ交換するもの”ではなく、“どこで買えるかだけ把握しておくもの”と考えておくと安心です。
ホームベーカリーの消耗品はどこで買うのが安心か
私が使用しているホームベーカリーは型が古く、店頭で探すのはかなりの時間がかかります。Amazonや楽天で品番を入れて探すとすぐに見つかります。
| 消耗品の名称 | 品番 | 希望小売価格 |
|---|---|---|
| パン羽根 | ADD96-1431 | 735円~ |
| スプーン | ADD25-143-P0 | 210円~ |
| パンケース(完成) | ADA12-169 | 4410円~ |
| 主軸受け(完成) | ADA29-168 | 1785円~ |
| リチウム電池 | CR2354 | 315円~ |
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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