紅白なます|プロが教える“よくわかるレシピ”

酢の物

大根と人参を使った「紅白なます」は、おせち料理に欠かせない縁起の良い一品。
紅白の色合いには“平和”と“祝い”の意味が込められています。

家庭で作ると「味がぼやける」「酸っぱすぎる」「水っぽくなる」といった失敗が起きやすいですが、
その原因は 塩の当て方と水切り にあります。

この記事では、現役和食調理師がシャキッと仕上げるための塩の当て加減と甘酢の黄金比を解説。
華やかな紅白なますを、誰でも失敗なく作れるよう丁寧に紹介します。


よくある失敗と原因

  • 水分が出すぎて味が薄い
  • 酢が強すぎて酸っぱい
  • 味がなじまない
  • 人参の色が沈んでしまう
  • 食感がやわらかくなりすぎる

材料(約4人分)

材料分量役割
大根300g主材料。歯ざわりを生かす
人参
(金時人参)
30g色味と甘みを加える
柚子(皮)少々香りづけ、風味のアクセント
砂糖40g酸味をやわらげ、甘みを加える
少々下処理と味の締まり
穀物酢60cc酸味と保存性を担う
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

ゆずの皮と果実の間にある白い部分が苦いので、白い部分は避けて刻むようにしましょう


下処理

  • 大根:皮をむき、幅1〜2mm・長さ5cmほどの細切りにする。
  • 人参:皮をむき、大根と同じ太さ・長さに切る(大根2:人参1の割合)。
  • 柚子:皮の黄色い部分だけを薄く削り、白い部分を避けて千切りにする。

作り方(よくわかるレシピ)

① 野菜に塩をふる

ボウルに大根と人参を入れ、塩を軽くふってよく混ぜる。
10〜15分ほど置き、水分が出てきたら手でしっかり絞る。

合図:大根の断面が少し透明がかり、しんなりした頃がベスト。
→ 水分を残すと味が薄くなるため注意。


② 甘酢を作る

ボウルに砂糖・酢・塩少々を加え、砂糖が完全に溶けるまでよく混ぜる。
※鍋で軽く温めてもOK。沸騰はさせないこと。


③ 合わせる

水気を絞った大根と人参を甘酢に加える。
柚子の皮を加え、軽く混ぜ合わせる。

合図:全体がほんのりツヤを帯びたら味がなじみ始めたサイン。
冷蔵庫で30分〜1時間ほど置くと、より味が落ち着く。


失敗しない3つのコツ

  1. 塩を早めにあて、しっかり水気を切る(味のムラ防止)
  2. 大根10:人参1の割合を守る(彩りが美しくなる)
  3. 柚子は皮の黄色い部分だけ使う(苦味を防ぐ)
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現役和食調理師のヒント

余った柚子皮は密封して冷凍できます。


保存方法

  • 冷蔵保存:密閉容器で3〜4日間
  • 冷凍保存:不可(食感が損なわれる)
  • 保存中は野菜が浮かないよう、全体が甘酢に浸かるようにしておく。

相性の良い料理・献立

  • おせち料理の口直しとして
  • 焼き魚や煮物の副菜に
  • 酢飯やちらし寿司の付け合わせにもおすすめ

▶ 関連レシピ
・[蕪の酢漬け|プロが教える“よくわかるレシピ”]
・[すし飯|プロが教える“よくわかるレシピ”]


旬と豆知識

紅白なますに使う金時人参と冬大根は、どちらも冬が旬。
寒い季節の根菜は糖度が高く、自然な甘みが引き立ちます。
おせち以外にも、季節の副菜として通年楽しめる万能な一品です。

▶ 詳しくは → [大根の旬と栄養はこちら]


現役和食調理師のひと言

なますは「水加減がすべて」。
塩を当てすぎても当てなさすぎても味が決まりません。
軽くしんなり+しっかり水切りが黄金バランス。
酢の酸味よりも「野菜の甘み」を立たせるのがプロの仕事です。


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✅ 旬の野菜はこちら → [1月の野菜一覧表]

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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