鯖(さば)の旬と特徴・栄養を解説|英語表記(ゴマサバ・マサバ)も紹介

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鯖(さば)ってどんな魚?旬の時期や種類の違い、そして気になる栄養成分は?

鯖は英語でなんて言うの?
ゴマサバとマサバはどう違うの?

と疑問に思ったことはありませんか。
青魚の代表格である鯖は、脂がのった旨さと栄養価の高さから、日本の食卓で昔から愛されてきました。塩焼きや味噌煮はもちろん、しめ鯖や竜田揚げまで、調理法も実に多彩。

ここでは、鯖の旬の時期・特徴・栄養素・相性の良い食材・調理法に加えて、マサバやゴマサバの英語表記や漢字表記まで、調理師の視点で詳しく解説します。

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鯖の旬 ~おいしい時期~

マサバ・大西洋鯖

胡麻鯖

▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

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冬の“寒サバ”は塩焼きや味噌煮として定番中の定番、脂の旨味が濃厚です。反対に夏に食べたいときはゴマサバを刺身やしめ鯖にすると、さっぱり楽しめますよ。

鯖とは ~特徴と味わい~

鯖(さば)は日本の食卓に欠かせない青魚の代表格で、回遊性のあるサバ科の魚です。体は流線形で、背中は青緑色、腹は銀白色をしており、種類によって模様や体形に違いがあります。

特徴

  • 種類:代表的なのは「マサバ」と「ゴマサバ」。他に大西洋サバなど輸入品も流通。
  • 鮮度落ちが早い:漁獲後すぐに傷みやすいため、「サバは足が速い」という言葉があるほど。
  • 脂のり:旬の時期には脂質が20%を超えることもあり、濃厚な旨味を楽しめる。
  • 寄生虫リスク:鯖にはアニサキスなどの寄生虫が寄生していることがあります。生食する際は、冷凍処理(−20℃で24時間以上)や適切な加熱(70℃以上、または中心まで60℃で1分以上)で予防できます。

味わい
大西洋サバ:安定した脂のりで輸入品が多く、加工品(しめ鯖・缶詰)にもよく使われる。
マサバ:脂が多くジューシーで、塩焼き・味噌煮に最適。
ゴマサバ:脂は控えめでさっぱり。クセが少なく、刺身やしめ鯖向き。

種類特徴
マサバ脂がのって旨味が濃い「寒サバ」として人気
ゴマサバ脂控えめでさっぱり。夏に向く万能型
大西洋サバ輸入・通年利用可能。脂が豊かで鮮度保ちやすい
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鯖は刺身やしめ鯖が美味しいですが、寄生虫対策をきちんとするのが大前提。家庭で食べるなら冷凍済みや加工品を選ぶと安心です。加熱する料理なら心配いりませんよ。

鯖の地方名

呼び名主な地域・由来
アオサバ背中の青い模様から呼ばれる。マサバを指すことが多い
ヒラサバ体が平たいマサバの別称。九州などの呼び名
ホンサバマサバを指す呼称。ゴマサバと区別するために使われる
ローソク痩せたサバを指す市場用語。ろうそくのように細いため
サバコ小型のサバの呼び名。幼魚や若魚を指す
ニシサバ大西洋サバ(アトランティックサバ)のこと。輸入品として流通
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「市場では“ホンサバ”と“ゴマサバ”をしっかり区別して呼びます。脂のりや味わいがまるで違うからです。“ローソク”なんて言われたら、痩せて脂がないサバのこと。調理法を工夫しないとパサつきますよ。

鯖の目利き

鯖は鮮度が落ちやすい魚の代表格です。購入時は以下のポイントを確認しましょう。

腹が締まっている … 腹がふっくらしていても、ブヨブヨしていないものが良品
目が澄んでいる … 濁りや赤みがあるものは鮮度が落ちている
体表の光沢 … 背中の青緑色と腹の銀色が鮮やかで、皮にツヤがあるものが新鮮
身にハリがある … 持ったときにしっかり硬さがあり、指で押してもへこみにくい
エラの色 … 鮮やかな赤色のものが新鮮。暗赤色や茶色っぽいものは避ける

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鯖は“足が速い”からこそ、目利きはとても大事。鮮度が落ちると生臭さが一気に出ます。刺身で食べたいなら“目が澄んでいて、体表がピカピカ”のものを選ぶと失敗しませんよ。

鯖と相性の良い食材

食材組み合わせの理由・使い方例
生姜煮付けや味噌煮で臭みを消し、爽やかな香りを加える
大根おろし塩焼きに添えることで脂をさっぱりさせる
味噌鯖の旨味と発酵のコクが調和し、臭みを抑えて濃厚な味わいに
醤油刺身や漬け丼に使うと旨味が引き立つ
ネギ焼き魚や味噌煮に添えて風味をプラス
梅干し煮付けに加えると酸味で臭みが和らぎ、保存性も高まる
しめ鯖や南蛮漬けで臭みを中和し、爽やかに仕上げる
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鯖はクセがあるからこそ、“酸味・香味野菜・発酵食品”がよく合います。生姜や酢は鉄板ですが、梅干しを煮付けに加えると意外なほど相性が良く、保存性も上がるんです。

鯖に合う調理法

調理法おすすめ度理由
塩焼き脂ののったマサバは塩焼きが定番。皮目が香ばしく、旨味が凝縮する
味噌煮青魚特有の臭みを味噌が包み込み、コクのある味わいに仕上がる
しめ鯖酢で締めることで生でも食べやすくなる。ゴマサバや鮮度の良いものに適する
刺身新鮮なものは絶品だが、アニサキスなど寄生虫リスクがあるため要注意
竜田揚げ下味をつけて揚げると外はカリッと中はジューシー。お弁当にも人気
煮付け醤油や生姜で甘辛く煮るとご飯が進む。脂の少ない個体にも向く
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鯖は塩焼きと味噌煮が“鉄板”ですが、実は竜田揚げがとても優秀。揚げることで臭みが飛び、冷めても美味しいのでお弁当や作り置きに重宝しますよ。

鯖の栄養素(食品成分表)

鯖の栄養成分は調理方法によって大きく変わります。ここでは、日本食品標準成分表からマサバ(真鯖)の「生」と「焼き」のデータを掲載しました。

  • 生の鯖はDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富で、刺身やしめ鯖として食べると効率よく摂取できます。
  • 焼き鯖は水分が抜けることで栄養が凝縮し、エネルギーやたんぱく質が高くなる傾向があります。その一方で、加熱に弱いビタミン類はやや減少します。

このように、同じ鯖でも調理法によって栄養バランスが変化することを理解しておくと、健康管理や献立作りに役立ちます。

まさば
可食部100g当たり

栄養素焼き単位
廃棄率50%
エネルギー211264
水分62.154.1g
タンパク質20.625.2g
脂質16.822.4g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.30.4g
ナトリウム110120
カリウム330370
カルシウム610
マグネシウム3034
リン220280
1.21.6
亜鉛1.11.4
0.120.16
マンガン0.010.01
ヨウ素2124
セレン7021
クロム26
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)3734
ビタミンA(β-カロテン)1
ビタミンD5.14.9
ビタミンE(トコフェロールα)1.32.1
ビタミンK24
ビタミンB10.210.30
ビタミンB20.310.37
ナイアシン12.013.0
ビタミンB60.590.54
ビタミンB1213.022.0
葉酸1113
パントテン酸0.660.79
ビオチン4.98.2
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

皮目から“強火→中火”で短時間
脂を活かしつつ、EPA/DHAやビタミンの過加熱劣化を抑える。表面はカリッ、中はしっとりが理想。

振り塩は焼く10~15分前
臭み汁を出し、表面を乾かしてはぜ防止&皮パリ。出た水分は拭き取る。

切り込みは浅く
皮の収縮を抑え、火通り均一に。脂流出が多い深い切り込みは避ける。

添えは“レモン+大根おろし”
鉄の吸収をビタミンCで後押しし、脂の後味を整える。

保存は下処理がカギ
水分は拭き、空気を抜いて冷蔵。長めなら塩して一夜、さらに伸ばすなら味噌床や西京床で水分活用&酸化抑制。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。

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焼き鯖は香ばしくてご飯が進みますが、DHAやEPAをしっかり摂りたいなら生やしめ鯖がおすすめ。栄養面でも“調理法の使い分け”が効く魚なんです。

鯖の漢字と英語表記

種類別の英語表記

マサバ(真鯖):Chub mackerel(チャブ・マッカレル)
ゴマサバ(胡麻鯖):Spotted mackerel(スポッテッド・マッカレル)
大西洋サバ:Atlantic mackerel(アトランティック・マッカレル)

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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