【調理師監修】赤魚鯛(アコウダイ)の旬・食べ方・栄養|煮付けが絶品の深海魚

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ふっくらとした白身にたっぷりの脂がのった「赤魚鯛(あこうだい)」は、煮付けや塩焼きで親しまれている深海魚です。

市場では「赤魚(あかうお)」とも呼ばれ、骨離れがよく、家庭料理にも扱いやすいのが魅力。

本記事では、赤魚鯛の旬の時期特徴・食感相性の良い食材栄養素まで、和食の調理師として25年以上の経験をもとにわかりやすく解説します。
また、料理や買い物に役立つように目利きのコツ保存方法のヒントもご紹介。英語表記や漢字の読み方も補足しています。

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赤魚鯛(あこうだい)の旬

赤魚鯛(アコウダイ)の旬は、冬から春(12月〜4月頃)とされています。寒い時期にかけて脂がのり、身に旨みが増してくるため、煮付けや鍋料理にも最適です。

赤魚鯛は深海魚のため通年を通して水揚げされ、市場に出回ることが多く、スーパーでは冷凍切り身として一年中流通しており、通年購入できます。特に煮付け用や焼き魚用としてパックされたものが多く、身近な魚のひとつです。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

赤魚鯛は、寒い時期になるほど脂がのってきます。特に皮目に旨みがあるので、皮を残して調理するのがポイント。煮崩れしにくく、切り身でも扱いやすいですよ。

赤魚鯛とは ~解説~

アコウダイ

赤魚鯛(あこうだい)は、カサゴ目フサカサゴ科に属する深海魚で、水深200〜800mほどの深海に生息しています。正式名称は「アコウダイ(阿候鯛)」で、体は赤く大きな目が特徴。体長は40〜50cmほどに成長します。

水揚げ後に冷凍流通されることが多く、市場やスーパーでは「赤魚(あかうお)」という名前で切り身や加工品として出回るのが一般的です。

「赤魚」という名前はアコウダイ以外の魚(アラスカメヌケなど)も含む流通上の総称であるため、正確にはアコウダイと明記されているかを確認する必要があります。


味・食感の特徴

皮に旨みがあるため、皮つきでの調理がおすすめ
白身魚でクセがなく、しっとりした食感
脂がしっかりのっていて、濃厚でコクのある味わい
火を通しても身が崩れにくく、煮付け・焼き魚・唐揚げに向いている

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アコウダイの脂はしっかりしていますが、くどさはなく上品な甘みがあります。醤油ベースの煮付けにすると、身と皮からにじみ出た脂がタレに深みを加えてくれますよ。

赤魚鯛の地方名

赤魚鯛(アコウダイ)は、地域によってさまざまな名前で呼ばれています。特に市場や漁業関係者の間では、見た目や分類の違いから別名で流通することもあります。

地域・文脈呼び名
一般的な流通名赤魚(あかうお)
※複数種の総称
東北・北海道メヌケ(目抜)
関東アコウ、アコ
関西バラメヌケ
漁業・市場関係アラスカメヌケ
(輸入品の赤魚の代表)

※「赤魚」はアコウダイ以外の魚(アラスカメヌケ、タイセイヨウアカウオなど)も含む、通称・商品名として広く使われています。

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「赤魚の煮付け」としてスーパーで売られているものの多くは、アラスカ産の冷凍赤魚(メヌケ類)です。本来のアコウダイはやや高級で、ふっくらした食感が際立ちます。

赤魚鯛の目利き

赤魚鯛(アコウダイ)は、スーパーでは冷凍切り身として出回ることが多いため、冷凍品の見極めが重要です。新鮮で質の良いものを選ぶポイントを以下にまとめました。

冷凍切り身の場合

  • 皮の色が鮮やかな赤色で、黒ずんでいないもの
  • 身に霜(冷凍焼け)がついていないものを選ぶ
  • 脂がのっているものは、切り身断面がやや黄色みを帯びて透明感がある

生の状態

身がふっくらとして、指で押しても弾力がある
目が澄んでいて、ふくらみがあるもの
鱗がしっかりとついており、皮にツヤと張りがある

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現役和食調理師のヒント

煮付けにするなら、皮目の赤さと脂のりが味の決め手。皮が黒ずんでいたり、霜が多いものは避けた方がベター。調理するとパサつきやすくなります。

赤魚鯛と相性の良い食材・食べ合わせ

赤魚鯛(アコウダイ)は脂がのった白身魚で、濃厚な味わいしっかりとした身質が特徴です。そのため、調理法や合わせる食材によってさまざまな味の引き出し方ができます。

相性の良い食材

食材相性の理由
ごぼう
大根
煮物で旨味を吸ってくれる根菜。臭み消しにも◎
しょうが
ねぎ
魚の脂と相性が良く、香りとさっぱり感をプラス
味噌
みりん
甘辛くコクのある味付けに向いており、煮付けに最適
しいたけ
しめじ
うま味が増すきのこ類で、汁物や蒸し料理にもおすすめ
バター
白ワイン
洋風アレンジも可能。ムニエルやホイル焼きに応用可
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現役和食調理師のヒント

赤魚鯛は「味がしっかりしている白身魚」。甘辛煮にしても味噌漬けにしても負けない力があります。あっさり仕上げたいときは、大根おろし+ポン酢で煮浸し風にするのもおすすめですよ。

赤魚鯛(あこうだい)の栄養素 ~食品成分表~

あこうだい・生
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー86
水分79.8g
タンパク質16.8g
脂質2.3g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.1g
ナトリウム75
カリウム310
カルシウム15
マグネシウム24
リン170
0.3
亜鉛0.4
0.02
マンガン
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)26
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD1.0
ビタミンE(トコフェロールα)3.4
ビタミンK
ビタミンB10.11
ビタミンB20.04
ナイアシン1.1
ビタミンB60.05
ビタミンB120.7
葉酸3
パントテン酸0.35
ビオチン
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

赤魚鯛の英語・漢字表記

項目表記
漢字赤魚鯛(阿候鯛)
赤魚(あかうお)
読み方あこうだい
あかうお
英語表記Matsubara’s red rockfish
Splendid alfonsino
学名Sebastes matsubarae

📌 英語表記の補足
一般的に「Red rockfish(レッド・ロックフィッシュ)」「Splendid alfonsino(スプレンディッド・アルフォンシーノ)」といった英名が混用されることもありますが、実際には他の赤魚(アラスカメヌケ等)を指す場合もあるため注意が必要です。

Matsubara’s red rockfish(マツバラズ・レッド・ロックフィッシュ)」は、学名に由来する英語名で、アコウダイに対応します。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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