すずき(鱸)の旬はいつなのでしょうか?
答えは「初夏から夏(6月〜8月)」が最も美味しい季節です。
白身魚の代表であるすずきは、上品で淡白な味わいながら、旬の時期には脂がのって刺身や塩焼き、蒸し料理などで絶品の美味しさを楽しめます。さらに、高たんぱく・低脂質で栄養価が高く、健康を意識する方にもぴったりの魚です。
この記事では、すずきの旬・特徴・栄養素・調理法・地方名・英語表記 まで調理師の視点でわかりやすく解説します。魚をより美味しく楽しみたい方や献立作りに役立てたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
👉 また記事の最後では、鮮魚を自宅で手軽に楽しめる「サカナDIY」を調理師が実際に体験したレビューも紹介しています。旬のすずきをはじめ、さまざまな魚を安心して味わいたい方におすすめです。
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すずきの旬 ~おいしい時期~
すずき(鱸)は初夏から夏にかけて旬を迎える魚です。産卵前の時期は脂がのっており、刺身や塩焼きにすると絶品の味わいを楽しめます。
すずき
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
すずきとは ~解説~

すずき(鱸)はスズキ科の白身魚で、日本沿岸域を中心に北海道から九州まで広く分布しています。体型は細長く、背は青灰色、腹側は銀白色の光沢があり、成魚は1メートルを超えることもあります。魚らしい上品な風味と淡泊な味が特徴で、和食・洋食を問わずさまざまな料理に親しまれてきました。
出世魚としても有名で、成長するにつれて呼び名が変わるのが日本の伝統的な風習です。例を挙げると、
「コッパ」や「ハクラ」(幼魚)
「セイゴ」(1年魚)
「フッコ」(2~3年魚)
「スズキ」(成熟した大型魚)
などがあり、サイズや地域によって名称に幅があります。
栄養面でも優れており、100gあたりで高タンパク・低脂質。特にビタミンAやビタミンDが多く含まれており、視力維持や骨の健康に役立ちます
また、洗い(氷水で身を引き締める調理法)のような技術を使うと、しっとりとした食感と透明感のある身の味わいが際立ちます。釣り人からの人気も高く、皮ごとの調理で香ばしさが増すという声も多いです。
すずきの特徴・味わい
すずき(鱸)はクセが少なく淡白な白身魚で、上品な風味とほどよい旨味を持ちます。旬の6〜8月には脂が適度にのり、刺身やあらいとしてその甘みや透明感のある身が際立ちます。
成魚が大型になるほど身が厚くなり、皮にはしっかりとした張りと香ばしさがあり、焼き物やムニエルなど皮目を活かす調理で良さが引き立ちます
また、淡泊な味わいであるため、生姜や柑橘、薬味などさっぱりした素材との相性が良く、これらを使うことで魚特有の風味を引き立てながらも軽やかな味に仕上げることができます。

現役和食調理師のヒント
すずきは見た目以上にデリケートな魚で、旬の時期は脂のりが良く上品な旨味を味わえます。特に「あらい」にすると身が引き締まり、淡白な中にほのかな甘みが際立ちます
すずきによく合う食材

| 食材・調味料 | 合う理由・ポイント |
|---|---|
| ライム レモン | 酸味が淡白な白身に爽やかさを加え、魚の臭みを抑える。脂ののったすずきには特に相性が良い。 |
| タイム オレガノ パセリ バジル | ハーブ類が香り高く、すずきの繊細な味を邪魔せず引き立てる。香りのアクセントに。 |
| にんにく 玉ねぎ ネギ | 香味野菜が旨味を補強し、食欲を増進。すずきの淡白さとのバランスを取る。 |
| オリーブオイル バター | 脂分を補いコクを出す。焼き色をつけたい料理に使うと香ばしさが増す。 |
| ハチミツ 味噌 醤油 | 甘味・旨味が加わることで、すずきの淡白さに深みを与える。特に照り焼き・ソース系に向く。 |
| オリーブ ケーパー | 塩味・酸味・苦味のアクセントが加わり、味に複雑さが出て料理に奥行きが生まれる。 |

現役和食調理師のヒント
すずきはクセが少ない分、合わせる食材で味の印象が大きく変わります。レモンや柑橘を使うと爽やかさが引き立ち、夏場にぴったりの一品になります。
すずきにおすすめの調理法

| 調理法 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| 刺身 あらい | 身の透明感と甘みを活かし、鮮度が良いものなら氷水で締めると食感が引き締まる。クセが少なく、淡白だが繊細な旨味が楽しめる。 |
| 塩焼き | 皮をパリッと焼き上げることで香ばしさが出る。身はふっくら水分を保てば淡白さと旨味のバランスが良い。適度な下処理・塩加減が肝。 |
| ムニエル ソテー | 小麦粉を軽くまぶしてバターやオイルで焼く。にんにく・ハーブ・レモンなどで風味を付けると、淡白な白身がぐっと引き立つ。 |
| 蒸し料理 | 蒸すことで身がふっくらとして、旨味が逃げにくい。素材の風味が活き、生姜・ネギ・薬味を加えることでさっぱりと食べやすい。 |
| ホイル焼き | ホイルやアルミで包むことで蒸し焼き状態になり、水分を保ちやすい。香味野菜・きのこ・バターや味噌などと組み合わせることで風味が増す。 |
| 煮付け 酒蒸し | 甘辛いタレや出汁で煮る、または酒を使って清蒸することで臭みを抑えつつ味を染み込ませる。淡泊な身との相性が良い。 |

現役和食調理師のヒント
煮付けは煮立てすぎず、落とし蓋をして弱火でゆっくり煮るのがコツ。酒蒸しは酒の量を少し多めにすると臭みが出ません。
すずきの地方名
スズキは「出世魚」として成長に伴って呼び名が変わる。呼び名は地域や魚の大きさによって異なる。
【例】
関東では「コッパ(幼魚)」「ハクラ」「セイゴ」「フッコ」などの呼び名
関西では「セイゴ」→「ハネ」→「スズキ」。
東海地方では、60cm未満を「フッコ」、それ以上を「マダカ」と呼ぶ。
有明海などでは「ススキ」「ハクラ」「ハネ」などの方言・呼び名が使われている
その他の呼び名はコチラ
- チコウハン
- チュウハン
- アンザシ
- オオマタ
- ヌリ
- ハクラ
- ハネ
- ナナイチ
すずきの目利き
鮮度の良いすずきを選ぶには、以下のポイントをチェックしましょう。切り身でも丸魚でも使える目利きの基準です。
| チェックポイント | 良い状態 | 注意点 |
|---|---|---|
| 目 | 透明感があり澄んでいる。黒目がはっきりしている。 | 白く濁ったり、全体が曇っているものは鮮度が落ちている。 |
| エラ | 鮮やかな赤色でみずみずしい。乾燥やくすみがない。 | 茶色や暗赤色に変色しているものは避ける。 |
| 切り身含む | 透明感のある白身で光沢がある。表面はしっとり。ドリップが少ない。 | 黄ばみや変色、ドリップが多いものは劣化している。 |
| 体表 | 体表につやがあり、腹や身にしっかりハリがある。 | 表面が乾燥し、腹がだらんと垂れているものは鮮度が低い。 |
すずきの栄養素(食品成分表)
すずき(生)
可食部100g当たり
| 栄養素 | 生 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 113 | ㎉ |
| 水分 | 74.8 | g |
| タンパク質 | 19.8 | g |
| 脂質 | 4.2 | g |
| 食物繊維(総量) | – | g |
| 炭水化物 | – | g |
| ナトリウム | 81 | ㎎ |
| カリウム | 370 | ㎎ |
| カルシウム | 12 | ㎎ |
| マグネシウム | 29 | ㎎ |
| リン | 210 | ㎎ |
| 鉄 | 0.2 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.5 | ㎎ |
| 銅 | 0.02 | ㎎ |
| マンガン | 0.01 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 180 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | ㎍ |
| ビタミンD | 10.0 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 1.2 | ㎎ |
| ビタミンK | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.02 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.20 | ㎎ |
| ナイアシン | 3.9 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.27 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 2.0 | ㎍ |
| 葉酸 | 8 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.93 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 3 | ㎎ |
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ずずきの英語・漢字表記

| 表記 | 内容 |
|---|---|
| 漢字表記 | 鱸 |
| 英語表記 | sea bass |
| 発音記号 | UK: /ˈsiː ˌbæs/ US: /ˈsiː ˌbæs/ |
| カタカナ読み | シー・バス |
👉 「sea bass」は英語圏でもよく使われる名称で、レストランのメニューにもそのまま載ることが多いです。
👉 日本では「シーバス」とカタカナで呼ばれることも多く、釣り人の間でも一般的です。
英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
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