鯛(たい)の旬・特徴・相性の良い食材|現役和食調理師が解説

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鯛の旬はいつ?
どの料理が一番美味しい?
英語で鯛って何て言うの?

鯛は見た目の華やかさと上品な味わいから、日本料理に欠かせない高級魚。祝い事やおもてなしの席でよく使われ、刺身から塩焼き、煮付けまで幅広い料理に活躍します。この記事では、旬の時期や特徴、相性の良い食材と調理法、そして英語表記「Sea bream」まで詳しく解説します。

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鯛の旬


鯛の旬は12月から5月です

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

旬の食材を入れ替えるだけで、献立が季節っぽくなります。3月の旬魚介は「3月の魚介類一覧」も参考にしてください▶3月が旬の魚介類一覧

地域による旬の違い

地域や水温によって、旬の時期が少し前後します。

  • 九州沿岸:水温が高めのため、冬〜春にかけて味が良くなる
  • 瀬戸内海:春と秋の2回、味がのる時期がある
  • 北海道南部:夏場が漁のピークで、比較的味が安定
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

春の桜鯛は皮目を香ばしく焼くと、上品な香りと脂が引き立ちます。養殖鯛は脂がしっかりあるので、刺身やカルパッチョにすると旨味が活きます。

鯛とは ~特徴と味わい~

鯛

鯛(たい)はスズキ目タイ科の魚で、日本では特に真鯛(まだい/学名 Pagrus major)を指すことが多く、姿・色・味ともに“魚の王様”と称されます。体長は成魚で40〜60cmほど、長寿で10年以上生きる個体も珍しくありません。

特徴

  • 色合い:体は淡い赤色で、背は赤みがかった金色、腹は銀白色に輝く
  • 体型:体高があり、やや丸みを帯びた美しいシルエット
  • 生息域:北海道南部以南〜九州沿岸までの広い海域に分布し、岩礁や砂地の沿岸域に生息
  • 寿命:長寿で成長がゆるやか。大きくなるほど味わいも増す

味わいと料理の特徴

  • 白身魚の王様と呼ばれる上品な甘みと旨味
  • 身質は締まりがあり、加熱してもふっくら柔らかい
  • 刺身、塩焼き、煮付け、蒸し物、鯛めしなど、和洋中すべての料理に適応
  • 皮目に強い旨味があり、湯引きや皮付き焼きで香りが際立つ

他の鯛類との違い

一般に真鯛は祝い事や高級料理に使われることが多く、希少性と味の良さで別格とされる
真鯛以外にも、チダイ、キダイ、クロダイなどが「鯛」と呼ばれるが、味や旬は異なる

  • 名前の一部に「〇〇タイ」と名の付く鯛は300種類を超える
  • スズキ目スズキ亜目タイ科に含まれる近縁の魚は13種類しかいない
  • 養殖はおいしくないというのは昔の話。今は天然物と比較しても違いが分からない程においしい
  • 市場に出回る約75%は養殖
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現役和食調理師のヒント

真鯛は刺身ならほんのり甘く、焼くと皮目の香ばしさが引き立ちます。皮を引かずに湯引きすると、身の甘みと皮の旨味を両方楽しめます。

養殖と天然の鯛の違い

スーパーなどで見かけるマダイは、養殖が主流です。令和4年のデータでは、マダイは全体の約8割が養殖、約2割が天然(養殖68,088トン/天然15,501トン)という割合。
「天然=絶対にうまい」と決めつけるより、食べ方に合うほうを選ぶのがおすすめです。

味の違い

  • 天然の鯛
    身が締まりやすく、香りや旨みが立ちやすい。季節や個体差はあるけれど、当たりの天然は“味の奥行き”が出やすいです。
  • 養殖の鯛
    身がやわらかめで、脂がのって食べやすい傾向。くせが少なく、焼き物・煮物など普段の料理で扱いやすいです。

※どちらも個体差があります。天然でも脂が少ない時期があり、養殖でも上質なものは刺身でも十分おいしいです。


見た目で見分けるポイント

天然と養殖は、見た目にも“傾向”があります(※あくまで目安です)

  • 天然の鯛
    赤色が鮮やかで、鼻孔が2つにくっきり分かれていることが多い
  • 養殖の鯛
    色がややくすみ、ふっくら(肥満体)に見えやすく、鼻孔が1つにつながっている/はっきりしないことがある

天然・養殖の量(令和4年)

天然マダイの漁獲量は15,501トン。主な漁獲地は以下

  • 兵庫県(2,175トン)
  • 長崎県(2,088トン)
  • 愛媛県(1,464トン)

養殖マダイの収穫量は68,088トン。主な収穫地は以下

  • 愛媛県(38,604トン)
  • 熊本県(10,141トン)
  • 高知県(5,562トン)

※天然・養殖の漁獲量/収穫量は、農林水産省「タイの天然と養殖の漁獲量はどのくらいですか。」を参考にしています→農林水産省


どっちを選ぶ?料理別のおすすめ

塩焼き・煮付け・鍋
養殖でも十分おいしい。手に入りやすく普段使い向き

刺身・昆布締め
天然を見かけたら優先(身の締まり・香りを楽しみやすい)

鯛めし・酒蒸し
どちらでもOK。養殖は脂がある分、ふっくら仕上がりやすい


鯛の地方名

真鯛は日本各地で漁獲され、地域や大きさ、季節によってさまざまな呼び名があります。

呼び名主な地域補足・由来
カツラダイ関西地方頭部の形が兜(かつら)をかぶったように見えることから
サクラダイ全国(特に春の漁期)桜の咲く時期に獲れる真鯛。産卵前で旨味が増す
ウオジマノタイ石川県七尾湾周辺能登半島の漁港・魚島(ウオジマ)で水揚げされた真鯛
ホンダイ九州地方真鯛を区別して呼ぶ際の一般的な地方名
ホンダチ四国・九州「ホンダイ」と同義で、地域なまりによる呼び方
オオダイ全国体長の大きな真鯛を指す呼称
シバダイ四国南西部小型の真鯛や若魚を指す地方名
カスゴ関西・瀬戸内体長15cm前後の若い真鯛の呼び名。酢締めや焼き物に利用

鯛の目利き(鮮度の見分け方)

目が澄んでいるものを選ぶ
新鮮な鯛は黒目がはっきりしていて、白く濁っていない。
濁っている場合は時間が経っているサイン。

体表の色が鮮やか
真鯛は赤みが濃く、輝きがあるものが良品。
くすんだ色や黒ずみは鮮度低下の兆候。

身に張りと弾力がある
指で軽く押すとすぐに戻る弾力があるもの。
だらんと柔らかいものは鮮度が落ちている。

エラが鮮紅色
エラ蓋を開けて、中が鮮やかな赤色であること。
茶色やくすんだ赤は鮮度低下の証拠。

腹がきれいで破れていない
内臓の劣化や臭みの広がりを防ぐため、腹がしっかりしているものを選ぶ。

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現役和食調理師のヒント

春の桜鯛は特に色が鮮やかで見分けやすいです。焼き物用なら皮目の赤が濃いものを、刺身用なら身の透明感があるものを選ぶと間違いありません。

タイ科近縁の鯛 13種

★スズキ目タイ科マダイ亜科(4種)
真鯛(マダイ)
台湾鯛(タイワンダイ)
血鯛(チダイ)
鰭小鯛(ヒレコダイ)

★スズキ目タイ科キダイ亜科(3種)
星連子(ホシレンコ)
黄鯛(キダイ)
黄鰭赤連子(キビレアカレンコ)

★スズキ目タイ科ヘダイ亜科(6種)
平鯛(ヘダイ)
黒鯛(クロダイ)
黄茅渟(キチヌ)
南洋茅渟(ナンヨウキチヌ)
南黒鯛(ミナミクロダイ)
豪州真鯛(オーストラリアキチヌ)(オキナワチヌ)

鯛と相性の良い食材

食材組み合わせの理由・使い方例
昆布昆布締めで旨味を倍増し、刺身や寿司に最適
柚子
すだち
焼き物や蒸し物に香りと酸味を添え、後味さっぱり
素材の旨味を引き立て、塩焼きや塩釜焼きに
醤油刺身や煮付けに合わせて旨味を強化
下味や蒸し物で風味を加え、身をふっくら仕上げる
生姜煮付けやあら炊きで臭み消しと香味付け
味噌西京漬けや煮物でコクをプラス
菜の花春の鯛と合わせると季節感が出る

おかみさんの一言

鯛は上品な白身だから、シンプルな塩や柑橘で味わうのが一番。春なら菜の花を添えて、お皿の上まで季節を感じさせたいわね。

鯛に合う調理法

調理法おすすめ度理由
刺身上品な甘みと旨味をそのまま味わえる
塩焼き皮目の香ばしさと身のふっくら感が引き立つ
煮付け甘辛い味がしみ込み、ご飯に合う
蒸し物酒蒸しや茶碗蒸しで旨味が凝縮
西京漬け味噌の風味で旨味とコクをプラス
鯛めし出汁と一緒に炊き込むことで香りと旨味が米に広がる
カルパッチョオリーブオイルや柑橘で爽やかに味わえる

おかみさんの一言

鯛はどんな調理法でも美味しいけど、やっぱり塩焼きと鯛めしは外せないわね。香りが立った瞬間に“あぁ、これぞごちそう”ってなるのよ。

鯛の栄養素|食品成分表

まだい 養殖 (皮つき)
可食部100g当たり

栄養素焼き単位
廃棄率3555%
エネルギー186160
水分63.868.5g
タンパク質22.720.9g
脂質12.09.4g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.10.1g
ナトリウム5552
カリウム500450
カルシウム2412
マグネシウム3232
リン260240
0.20.2
亜鉛0.50.5
0.020.02
マンガン0.01
ヨウ素86
セレン4636
クロム1
モリブデン
ビタミンA(レチノール)1711
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD5.67.0
ビタミンE(トコフェロールα)4.62.4
ビタミンK
ビタミンB10.140.32
ビタミンB20.090.08
ナイアシン6.35.6
ビタミンB60.320.40
ビタミンB122.61.5
葉酸34
パントテン酸1.251.34
ビオチン9.47.7
ビタミンC33
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

おかみさんの一言

たんぱく質がしっかりあって、脂は控えめ。しかもビタミンB群やカリウム、マグネシウムなんかのミネラルも入ってるから、疲れやすいときや体を整えたいときにぴったり。

鯛の英語・漢字表記

  • 漢字表記:鯛
  • 英語表記:Sea bream(シー ブリーム)
  • 発音記号:[ˈsiː ˌbriːm]
調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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