空豆(そらまめ)の栄養と効能|保存方法・おいしい茹で方もまとめて解説

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ふっくらとした食感と独特の風味が魅力の「そらまめ(空豆)」

そらまめ(空豆)にはどんな栄養があるの?
保存方法はどうするのが正解?

春から初夏にかけて旬を迎えるそらまめは、栄養価も高く、昔から家庭料理や酒肴として親しまれてきました。
このページでは、そらまめの旬の時期・特徴・英語や漢字での表記・相性の良い食材・100gあたりの栄養素をわかりやすくまとめています。調理師の視点から、おいしく味わうためのヒントも紹介します。

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空豆の旬~おいしい時期~

そらまめ

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

そらまめとは? ~解説~

そらまめの写真。旬や特徴、栄養について解説します。
そらまめ。旬の時期や栄養素については本文で詳しく解説しています。
  • 初夏を代表する味覚
  • 空豆よりも大きいサイズの物を「御多福豆」(おたふくまめ)という
  • 豆の大きさが一寸という事で「一寸豆」とも呼ばれる
  • その他に「四月豆、五月豆、大和豆、唐豆、がん豆」と呼ばれる
  • 収穫した瞬間から栄養価が落ちるので、新鮮なものをすぐに調理するのが理想
  • なるべく莢付きの物を買う(買ったらすぐに茹でる)
  • ビタミンB1、B2、Cが豊富
  • 莢の緑色が鮮やかで弾力があるものが良い
  • ふっくらとしていて、黒ずみがない物を選ぶ
  • 軽く押して、中身が動かないものが良い
  • 皮に食物繊維が豊富なため、皮ごと利用するスープなどがおすすめ

保存方法

常温保存(おすすめしない)

  • 収穫後すぐに鮮度が落ちるため、常温保存は基本的に不可。
  • 購入後はできるだけ早く調理・冷蔵保存するのがベスト。

2. 冷蔵保存

  • 莢(さや)付きのまま保存するのが基本。莢から出すと風味が落ちやすい。
  • 新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存。
  • 保存期間の目安:2~3日。できれば当日〜翌日中に食べるのが理想。

3. 冷凍保存

  • 長期保存したい場合は冷凍が有効。
  • 手順:
    1. 莢から豆を取り出す
    2. 軽く塩茹で(1〜2分)してから冷水で冷やす
    3. 水気を拭いて小分けし、冷凍用保存袋へ
  • 保存期間の目安:約1か月
  • 食べるときは凍ったまま調理(炒め物・スープなど)に使える。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

そらまめは「呼吸が早い」ため、収穫直後からどんどん鮮度と甘みが失われていきます。“買ったその日が一番おいしい” という意識で、なるべく早めに調理するのがおすすめです。

そらまめによく合う食材

食材主な料理例
そらまめ入り卵とじ
茶碗蒸し
炒め物
海老
烏賊
そらまめとえびの炒め物
和風あんかけ
みそ
出汁
味噌汁
煮浸し
白和え
にんにくにんにくとバターで炒める
炒飯の具など
レモンドレッシング
マリネサラダ
スモークサーモン
海鮮類
サーモンと豆のサラダ
シーフードマリネ
ベーコン
スモーク肉
そらまめとベーコンの炒め物
スープ
煮込み料理
ご飯豆ご飯
そらまめ入りリゾット
ピラフ

おかみさんの一言

サラダや炒め物で彩りを添えるのはもちろん、出汁をきかせた和風煮やご飯に混ぜても春らしい一品になりますよ

そらまめによく合う調理法

調理法 備考
サラダ
酢の物
シャキシャキ感・風味・色味が最大限にいきる。海外レシピでも定番。
炒め物風味が豊かになる。バターやハーブとの組み合わせが良い。だが加熱時間に注意。
焼き物香ばしさが出て、おつまみや副菜に向く。が、食感や色の劣化が少し出ることあり。
煮物甘みが出ておいしくなるが、食感や色が損なわれやすい。短時間煮るのがコツ。
揚げ物外側の衣で風味が加わるが、そらまめそのものの繊細な味や食感が負けやすい。揚げる時間を短くする必要あり。
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現役和食調理師のヒント

そらまめは「加熱しすぎない」ことが一番のコツです。短時間でさっと火を通すと、きれいな緑色とホクホク感がしっかり残ります

そらまめの茹で方

手順内容
1. 下ごしらえ茹でる直前にさやから出す。切り込みを入れるとむきやすくなる。
2. 切り込みを入れる「おはぐろ(黒い部分)」の反対側の薄皮に浅く切り込みを入れる。皮むきの手間が減り、余熱で中まで火が通りやすくなる
3. 熱湯を準備する大量の湯を沸かし、塩をしっかり入れる(水1Lに対し塩大さじ1強、塩分濃度約2%が目安)
4. 茹で時間2分〜3分程度が標準。小さめのそらまめなら2分弱でもOK。少し硬めに上げて余熱で仕上げる。
5. 冷ます/余熱を活かす茹でたらざるにあげてそのまま冷ます(流水で冷やさない)ことで色と食感を保つ。余熱で少し火を通しても食感が柔らかくなりすぎない。

上手にゆでるコツ

  • 切り込みは薄皮一枚に浅く入れる(豆がはじけないように)。入れる位置は「おはぐろ」と反対側がむきやすい。
  • 強火でぐつぐつ茹でると皮が硬くなったり、豆がかたくなるので、沸騰したら中火または弱火に落とす方がよい。
  • 茹でる水に酒を少し加えると青臭さが軽減される
  • 茹で時間は「実の状態(若さ・サイズ・さや付きかどうか)」によって調整を。大きいと3分近く、小さいと2分前後で

空豆の栄養素(食品成分表)

そらまめ 未熟豆
可食部100g当たり

栄養素茹で単位
廃棄率2525%
エネルギー103102
水分71.372.3g
タンパク質10.510.9g
脂質0.20.2g
食物繊維(総量)4.02.6g
炭水化物16.915.5g
ナトリウム41
カリウム390440
カルシウム2222
マグネシウム3836
リン230220
2.12.3
亜鉛1.91.4
0.330.39
マンガン0.380.21
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン150
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)210240
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)
ビタミンK1918
ビタミンB10.220.30
ビタミンB20.180.20
ナイアシン1.21.5
ビタミンB60.130.17
ビタミンB12
葉酸120120
パントテン酸0.390.46
ビオチン6.9
ビタミンC1823
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

そらまめの英語・漢字表記

漢字表記:空豆、蚕豆
英語表記:Broad bean / Fava bean
発音記号
Broad bean [brɔːd biːn]
Fava bean [ˈfɑːvə biːn]

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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