「さやいんげんって英語で何て言うの?」
「旬の時期や栄養は?」
そんな疑問を持つ方に向けて、調理師の視点からわかりやすく解説します。
さやいんげんの英語は “string beans(ストリングビーンズ)”。
ビタミンCや食物繊維を豊富に含み、夏の健康野菜として親しまれています。
シャキッとした食感とやさしい甘みがあり、おひたし・炒め物・サラダなど、和洋問わず幅広く活用できます。
この記事では、さやいんげんの
- 旬の時期
- 栄養や健康効果
- おいしい選び方と保存法
- 相性の良い食材・調理法
- 英語表記“string beans”の意味と使い方
をまとめて紹介します。
季節の食卓に取り入れて、彩りと栄養を楽しみましょう。
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莢隠元の旬 ~おいしい時期~
莢隠元(さやいんげん)の旬の時期は6月~9月ごろ。特に7月・8月が最盛期です。
地域や品種によって異なりますが、露地栽培では夏に多く出回り、みずみずしい歯ごたえと甘みが楽しめる季節です。
また、ハウス栽培や冷涼地での栽培により、春~秋にかけて広く流通しています。
さやいんげん
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
莢隠元とは ~特徴~

原産地と歴史
さやいんげんは、中央アメリカからメキシコが原産のマメ科の野菜です。
世界中で親しまれており、日本でも古くから栽培されています。
日本では「三度豆(さんどまめ)」「隠元豆(いんげんまめ)」とも呼ばれ、
年に3回収穫できることから「三度豆」という名がついたといわれています。
特徴
さやいんげんは、若いさやごと食べるのが特徴です。
もともとは豆を食べる植物でしたが、やわらかいさやの甘みと食感が好まれ、
「若採り」して食べる食文化が広まりました。
- 食感:シャキッと歯ざわりがよく、クセが少ない
- 味わい:ほんのり甘く、どんな料理にも合わせやすい
- カラー:鮮やかな緑色で、料理の彩りにも最適
昔は「筋」が気になる品種も多くありましたが、
現在は品種改良によりスジの少ない食べやすい品種が主流です。
世界の食文化
- イタリア:若いさやを炒め物や煮込みに使用
- フランス:白いんげん豆の煮込みが伝統料理として人気
- 日本:おひたし・ごま和え・天ぷらなど、和食にも多く登場
世界中で親しまれる万能野菜です。
栄養と健康効果
さやいんげんは、低脂肪・高たんぱくのヘルシー野菜です。
夏の食卓にぴったりの栄養素がバランスよく含まれています。
| 栄養素 | 働き |
|---|---|
| β-カロテン | 皮膚や粘膜の健康を守り、免疫力をサポート |
| ビタミンC | 抗酸化作用・美肌効果・疲労回復 |
| アスパラギン酸 | 夏バテ予防や疲労回復をサポート |
| リジンなどのアミノ酸 | タンパク質の代謝を助ける |

現役和食調理師のヒント
さやいんげんは、彩り・食感・栄養の三拍子がそろった優秀野菜。サッと塩ゆでするだけで、甘みと鮮やかな色が引き立ちます。
選び方

| ポイント | 良いさやいんげんの特徴 |
|---|---|
| 色 | 濃くて鮮やかな緑色をしている |
| ツヤ | 全体にハリとツヤがある |
| 形 | ふっくらしすぎず、豆の形が浮き出ていない |
| 触感 | 折ると「パキッ」と音がする、みずみずしい感触 |
| 先端 | しなびておらず、黒ずみがない |
避けたい莢隠元の特徴
茶色や黄色に変色している
ハリがなく、しんなりしている
さやの中の豆が大きく、硬そうに見える

現役和食調理師のヒント
新鮮なさやいんげんは、ゆでたときの色と香りが格別です。
鮮度が落ちると風味が抜けるので、購入当日に使うのがおすすめです。
保存方法|鮮度を保つコツ
さやいんげんは鮮度が落ちやすい野菜のひとつ。購入後はなるべく早めに調理するのが基本ですが、保存法を工夫すれば数日~数週間はおいしく楽しめます。
| 保存方法 ※保存期間 | 手順・ポイント |
|---|---|
| 冷蔵保存 ※約2〜3日 | ①水気をしっかり拭き取る ②キッチンペーパーに包む ③ポリ袋に入れる ※野菜室で立てて保存 |
| 冷凍保存 ※約2〜3週間 | ① サッと下ゆで(固め) ② 水気を切ってカット ③ 保存袋に入れて空気を抜き冷凍 |

現役和食調理師のヒント
さやいんげんは時間とともに甘みが減少します。最もおいしいのは購入当日。
冷凍する場合は、やや固めにゆでておくと解凍後もシャキシャキ感が残ります。
相性の良い食材

| 相性の良い食材例 | 理由・ポイント |
|---|---|
| 牛肉 豚肉 鶏肉 ベーコン | 肉の旨味と脂が、さやいんげんの甘みを引き立てる |
| 卵 厚揚げ 豆腐 油揚げ | たんぱく質が補え、彩りも美しい |
| エビ ツナ タコ | あっさりした魚介とよく合う |
| にんじん じゃがいも 玉ねぎ トマト | 色味がきれいで栄養バランスも◎ |
| バター チーズ オリーブオイル | コクをプラスして洋風に |
| 味噌 醤油 ごま ナッツ | 和の風味とよく調和する |

現役和食調理師のヒント
さやいんげんは淡い甘みと柔らかい食感が特徴。
コクのある食材(肉や油)と合わせると、味に深みが出ます。
彩りも良いので、「緑のアクセント」として料理全体の見た目も引き立てます。
よく合う調理法

| 調理法 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| おひたし 和え物 | 下茹でしてから和えると、食感が残りやすく色も鮮やか。味噌・ごま・ナッツ系の和え衣と好相性。 |
| 炒め物 | シャキッとした歯ごたえを活かせる。油やバターで炒めるとコクが出て風味アップ。 |
| 煮物 | 味がしみ込みやすく、だしとの相性が良い。彩りを添える副菜にも最適。 |
| 天ぷら | 衣をつけて揚げると、甘みと香ばしさが引き立つ。下茹で不要で簡単。 |
| サラダ・温野菜 | 下茹でして冷ますと、彩りが美しく歯ざわりも良い。洋風ドレッシングとも好相性。 |
| グラタン・オーブン焼き | 火を通しても食感が残りやすく、チーズやホワイトソースと好相性。 |
| 肉巻き | 下茹でしてから肉で巻くと火通りがよく、断面の彩りも美しい。 |

現役和食調理師のヒント
さやいんげんは加熱しすぎると色がくすみ、食感が失われるので注意。
下茹では塩少々を入れた熱湯で1分~1分半が目安。すぐに冷水にとることで、鮮やかな緑をキープできます。
莢隠元の栄養素(食品成分表)
さやいんげん 若ざや
可食部100g当たり
| 栄養素 | 茹で | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 24 | ㎉ |
| 水分 | 91.7 | g |
| タンパク質 | 1.8 | g |
| 脂質 | 0.2 | g |
| 食物繊維(総量) | 3.9 | g |
| 炭水化物 | 5.5 | g |
| ナトリウム | 1 | ㎎ |
| カリウム | 270 | ㎎ |
| カルシウム | 53 | ㎎ |
| マグネシウム | 22 | ㎎ |
| リン | 43 | ㎎ |
| 鉄 | 0.7 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.3 | ㎎ |
| 銅 | 0.06 | ㎎ |
| マンガン | 0.4 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | 20 | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 500 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンK | 51 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.06 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.10 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.5 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.07 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 53 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.16 | ㎎ |
| ビオチン | 4.2 | ㎍ |
| ビタミンC | 6 | ㎎ |
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莢隠元の英語表記

「さやいんげん」は英語で “string beans” または “green beans” と呼ばれます。
どちらも一般的ですが、アメリカでは “green beans” がより日常的に使われます。
- string beans(ストリング・ビーンズ)
- green beans(グリーン・ビーンズ)
発音記号(アメリカ英語)
green beans:/ˈɡriːn ˌbiːnz/
string beans:/ˈstrɪŋ ˌbiːnz/
英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。
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