鮭(さけ)ってどんな魚?
旬の時期や特徴は?
栄養成分は?
日本の食卓で最も身近な魚のひとつ“鮭”は、焼き魚やお弁当の定番としておなじみですが、実は種類や産地によって味わいや脂のりが大きく異なります。さらに、たんぱく質やビタミンD、DHA・EPAといった栄養素が豊富で、健康食材としても注目されています。
ここでは、鮭の栄養成分表(100gあたり)を詳しく掲載するとともに、旬の時期や種類の特徴、調理法や相性の良い食材まで、調理師の視点でわかりやすく解説します。
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鮭の栄養素(食品成分表)
鮭は高たんぱくで脂質がほどよく控えめ。さらに、骨や免疫の維持に欠かせないビタミンDや、脳や血管の健康に役立つDHA・EPAを豊富に含んでいます。日々の食卓で“健康と美味しさ”の両方を支えてくれる、優秀な魚です。
「鮭には『白鮭(しろさけ/秋鮭)』『銀鮭』『大西洋鮭(アトランティックサーモン)』『紅鮭』などいくつかの種類があります。
その中でも、日本の食卓で最も身近なのが 白鮭(しろさけ)。秋に産卵のために川へ遡上することから“秋鮭”とも呼ばれ、スーパーなどでよく見かける生鮭はこの種類です。
ここでは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂・増補2023年)」をもとに、白鮭(焼き)の栄養成分(可食部100gあたり)を掲載します。
しろさけ
| 栄養素 | 焼き | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 160 | ㎉ |
| 水分 | 64.2 | g |
| タンパク質 | 29.1 | g |
| 脂質 | 5.1 | g |
| 食物繊維(総量) | – | g |
| 炭水化物 | 0.1 | g |
| ナトリウム | 82 | ㎎ |
| カリウム | 440 | ㎎ |
| カルシウム | 19 | ㎎ |
| マグネシウム | 35 | ㎎ |
| リン | 310 | ㎎ |
| 鉄 | 0.6 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.7 | ㎎ |
| 銅 | 0.08 | ㎎ |
| マンガン | 0.01 | ㎎ |
| ヨウ素 | 5 | ㎍ |
| セレン | 41 | ㎍ |
| クロム | 3 | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 14 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | ㎍ |
| ビタミンD | 39.0 | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 1.4 | ㎎ |
| ビタミンK | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.17 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.26 | ㎎ |
| ナイアシン | 8.7 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.57 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 6.0 | ㎍ |
| 葉酸 | 24 | ㎍ |
| パントテン酸 | 1.67 | ㎎ |
| ビオチン | 12.0 | ㎍ |
| ビタミンC | 1 | ㎎ |
焼き鮭は水分が抜けてたんぱく質やビタミンDが濃縮されます。とくにビタミンD・B12・セレンが豊富で、リン・カリウムも多め。市販の味付け鮭は塩分量が変動するため、減塩中の方は成分表示も確認しましょう。
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鮭とは ~特徴と味わい~

鮭(さけ)はサケ科に属する魚で、日本の食卓にもっとも身近な魚のひとつです。身は淡いオレンジ色から赤色を帯び、種類や産地によって色合いや脂の量が変わります。
日本で一般的に「鮭」といえば、秋に川へ遡上する白鮭(秋鮭)を指すことが多く、さっぱりとした味わいが特徴です。一方、銀鮭や大西洋鮭(アトランティックサーモン)は脂が多く、こってりとした味わいで洋食や刺身用に人気があります。
味わいの特徴
- 身色:サーモンピンク〜赤色で鮮やか
- 食感:種類により異なるが、白鮭はやや締まりがあり、銀鮭や大西洋鮭は柔らかめ
- 脂の量:秋鮭は控えめでさっぱり、銀鮭・大西洋鮭は脂が多く濃厚
- 調理適性:焼き魚、煮物、フライ、刺身、スモークなど幅広く対応
日本では焼き鮭や塩鮭として日常的に食べられるほか、寿司や弁当、おにぎりの具材としても定番です。さらに世界的には、スモークサーモンやサーモンステーキ、カルパッチョなど、和洋を問わず幅広い料理で親しまれています。

現役和食調理師のヒント
秋鮭はさっぱりとして朝食向き、銀鮭や輸入サーモンは脂が強くて刺身やカルパッチョに最適。料理に合わせて種類を選ぶのが鮭をおいしく食べるコツです。
鮭の旬~おいしい時期~
鮭は種類や漁獲の時期によって旬が異なるため、それぞれの特徴とともに整理しました。
◎ 白鮭(しろさけ/秋鮭)
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
- 旬の時期:9月〜11月頃
→ 日本の川に戻ってくる代表的な鮭で、「秋鮭」や「秋味」とも呼ばれます - 特徴:産卵前のため脂は控えめでさっぱりとした味わい。身が引き締まり旨みが濃厚
秋鮭の時期はイクラ・白子などの鮭加工品も旬で、食卓や郷土料理にも登場します
◎ 時鮭(ときしらず)
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
- 旬の時期:5月〜7月頃(春〜初夏)
→ 通常の遡上時期とは異なり、季節外れに漁獲される - 特徴:卵巣への栄養がまだ消費されていないため、全身に脂がのり、特に“ハラス”(腹の脂)は秋鮭の3倍とされる。非常に希少な高級品として扱われます。
◎ 紅鮭(べにざけ)
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
- 旬の時期:6月〜8月頃(夏)
→ 北米やロシアから輸入され、日本では夏にスーパーに並ぶことが多いです - 特徴:鮮やかな赤身と濃厚な旨みが魅力。アスタキサンチンによる赤色は見た目にも鮮やかで栄養価も高い。刺身や焼き魚にもよく使われます。
◎ 銀鮭(ぎんざけ)
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
- 旬の時期:8月〜10月頃が旬だが、養殖が中心のため通年流通
- 特徴:脂が多く身がふっくらとしており、家庭用の焼き魚や加工品(おにぎり・弁当など)に広く使われています
◎ 大西洋鮭(アトランティックサーモン)
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
- 旬の時期:特になし。養殖されているため通年で安定供給
- 特徴:脂のりがよく、刺身や寿司ネタ、スモークに向いています。

現役和食調理師のヒント
旬で選ぶなら、春の“時鮭”、秋の“秋鮭”が王道。夏は紅鮭を、脂たっぷりの味を楽しみたいときは養殖サーモンを選ぶといいですよ。
鮭の目利き(鮮度の見分け方)
鮭は鮮度によって味わいが大きく変わります。購入時は以下のポイントを確認しましょう。
腹にふっくらとしたハリがある … 痩せているものや柔らかいものは鮮度が低下
目が澄んでいる … 濁りやくもりがあるものは鮮度が落ちています
エラが鮮やかな赤色 … 茶色っぽいものや暗い色は避けましょう
身にハリと弾力がある … 指で軽く押してすぐに戻るものが新鮮
体表の銀色が輝いている … ウロコがしっかり付いており、光沢がある個体が良品

現役和食調理師のヒント
鮭は新鮮だと皮がつやつやしていて包丁を入れるとスッと切れます。少しでも水っぽさを感じたら、刺身ではなく加熱調理に回すのがおすすめですよ。
鮭と相性の良い食材
| 食材 | 組み合わせの理由・使い方例 |
|---|---|
| 大根おろし | 脂の強さをさっぱり中和。塩焼きの定番の添え物 |
| レモン すだち | 爽やかな酸味で臭みを消し、焼き鮭やムニエルにぴったり |
| 味噌 | 北海道名物「ちゃんちゃん焼き」に。野菜と一緒に旨味を引き立てる |
| 生姜 | 煮付けや味噌煮で臭みを消し、風味をプラス |
| バター | ムニエルやホイル焼きでコクを加え、濃厚な味わいに仕上げる |
| ほうれん草 | 鮭と一緒にソテーすると彩りも栄養バランスも良い |
| チーズ | グラタンやドリアに。鮭の旨味と濃厚な風味が調和する |

現役和食調理師のヒント
鮭は“酸味・発酵食品・乳製品”と相性抜群。和なら大根おろしや味噌、洋ならバターやチーズ。献立の幅が一気に広がりますよ。
鮭に合う調理法
| 調理法 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 塩焼き | ◎ | 秋鮭など脂が控えめな鮭でも旨味が引き立ち、朝食の定番として親しまれる |
| ムニエル | ◎ | バターと相性抜群。銀鮭や大西洋鮭など脂の多い種類によく合う |
| 刺身 | ○ | 脂の多い養殖サーモンや時鮭なら、とろけるような食感で楽しめる |
| 煮付け | ○ | 生姜や醤油の甘辛い味付けで身がほぐれ、ご飯との相性も良い |
| フライ | ○ | サクッとした衣と鮭の柔らかさが調和し、お弁当にも人気 |
| ちゃんちゃん焼き | ◎ | 北海道の郷土料理。味噌や野菜と一緒に焼くと栄養満点でボリュームもある |
| スモーク | ○ | 大西洋鮭や紅鮭など脂ののった種類に適し、保存性が高く香りも楽しめる |

現役和食調理師のヒント
鮭は万能選手。塩焼きはもちろん、ちゃんちゃん焼きやムニエルなど地域や家庭ごとの定番があるのも魅力です。種類ごとの脂の量に合わせて調理法を選ぶと、失敗が少なく美味しく仕上がりますよ。
鮭の英語・漢字表記

漢字表記:鮭
ひらがな表記:さけ
英語表記:Salmon
発音記号:[ˈsæmən]

現役和食調理師のヒント
英語で“Salmon”といっても、日本人が思う“鮭”と海外で食べられる“サーモン”は少しニュアンスが違います。日本では焼き魚や弁当に欠かせない存在ですが、海外では刺身やカルパッチョが主流ですね。
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