八朔の旬
はっさく
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八朔(はっさく)は、冬の終わりから春先にかけて楽しめる柑橘類です。収穫は12月下旬から始まりますが、すぐには出荷されず、貯蔵して酸味がほどよく抜けた1月〜3月頃がもっともおいしい時期とされています。
季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】
八朔(はっさく)とは?特徴・味・歴史

八朔(はっさく)は、日本生まれの柑橘類で、主に和歌山県や広島県などで栽培されています。果実は200g前後と大きく、果皮はやや厚めで手ではむきにくいものの、ナイフなどで外皮と薄皮を除けば、プリッとした果肉を味わえます。
🍊 特徴と味わい
- 果肉がしっかりしていて歯ごたえがある
- さっぱりとした酸味と、ほのかな甘みのバランスが良い
- 果汁は少なめ、ジューシーさよりも食感重視
- 苦味を持つ薄皮や袋は取り除いて食べるのが一般的
このような特徴から、みかんのようにそのまま手でむいて食べるというよりも、果肉だけを取り出して料理やデザートに使うことが多いです。
📜 八朔の由来と歴史
「八朔」という名前は、旧暦の八月朔日(はっさくび)=8月1日に由来しています。もともとこの日に初物を贈る風習があり、縁起物の果実として名付けられたといわれています。
日本での栽培の歴史は比較的新しく、江戸時代末期に和歌山県の農家で偶然発見された品種が元祖とされています。

現役和食調理師のヒント
「八朔」は食感がしっかりしているので、水分の多いフルーツと組み合わせるとバランスが良く、ゼリーやサラダに使うと食感が映えます。砂糖漬けやコンポートにも向いていますよ。
八朔の選び方と食べ頃の見分け方
スーパーや直売所でおいしい八朔の選び方
✅ おいしい八朔の見分け方
| ポイント | 解説 |
|---|---|
| 皮にハリとツヤがある | 鮮度がよく、果肉もみずみずしい証拠です。 |
| 果皮がオレンジがかった濃い黄色 | 熟しているサイン。青みが強いものは未熟なことも。 |
| 手に持つと重みがある | 水分がしっかりあり、果肉が詰まっています。 |
| ヘタがしっかりしている | 乾燥していないものは新鮮です。 |
⚠ 避けたい状態
表面が乾燥しすぎている、しぼんでいる
軽すぎてスカスカな感じがする
カビや黒ずみがある
食べ頃の目安
収穫されたばかりの八朔は酸味が強いことがあります。そのため、収穫後1か月ほど追熟されたものが出回る1月〜3月が食べ頃とされます。
ただし、店頭に出てすぐのものでも追熟させることで酸味がやわらぎ、食べやすくなります。室温で1〜2週間ほど寝かせてから食べるとよいでしょう。

現役和食調理師のヒント
皮に張りがあって、手に持ってずっしりと感じるものは、調理しても崩れにくく、和え物や酢の物にも最適です。選び方ひとつで料理の仕上がりが変わりますよ。
八朔の保存方法|鮮度と味を保つコツ
八朔は比較的日持ちする柑橘類ですが、保存環境によって味や食感が大きく変わることがあります。
🏠 常温保存(おすすめ)
保存期間:1〜2週間(冬場の涼しい場所なら)
保存場所:風通しの良い、直射日光を避けた室内
ポイント:新聞紙などで1個ずつ包むと乾燥を防げます
※室温が15℃を超える場合は、冷蔵保存に切り替えましょう。
❄ 冷蔵保存
保存期間:2〜3週間
保存方法:ポリ袋または保存袋に入れ、野菜室へ
注意点:冷えすぎると果肉が乾燥したり、酸味が強く感じられることがあります
🍊 皮をむいた後の保存
冷蔵:ラップで包む、または密閉容器に入れて冷蔵庫で保存(2〜3日)
冷凍:果肉だけをラップで包んで冷凍も可。凍ったままヨーグルトやスムージーにも使えます。

現役和食調理師のヒント
八朔は皮が厚く乾燥に強いですが、冷蔵庫の風に直接あたるとパサつきの原因になります。新聞紙やキッチンペーパーで包み、袋に入れて保存するのがベストです。
八朔に合う食材・おすすめの食べ合わせ
八朔(はっさく)は、爽やかな酸味としっかりとした果肉の食感が特徴の柑橘類。そのため、甘み・旨味・香りの異なる食材と組み合わせることで、味のバランスが引き立ちます。
| 食材 | 相性のポイント | おすすめ料理例 |
|---|---|---|
| 菜の花 春菊 | 八朔の酸味で苦味を和らげる | 白和え ナムル風和え物 |
| アボカド | まろやかさと酸味のバランス | サラダ |
| カブ 大根 | みずみずしさ+爽やかさ | 即席浅漬け 和風マリネ |
| 鯛 スズキ | 淡白な味に酸味がアクセント | 八朔カルパッチョ |
| 生ハム | 塩気と果物の甘酸っぱさ | 八朔と生ハムの前菜 |
| ヨーグルト クリームチーズ | 酸味とコクの組み合わせ | フルーツサラダ ディップ |
| はちみつ 黒糖 | 優しい甘みで酸味を引き立てる | 八朔のコンポート デザートソース |
八朔の栄養素(食品成分表)
はっさく(生)砂じょう
可食部100g当たり
| 栄養素 | 生 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 35 | % |
| エネルギー | 47 | ㎉ |
| 水分 | 87.2 | g |
| タンパク質 | 0.8 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 1.5 | g |
| 炭水化物 | 11.5 | g |
| ナトリウム | 1 | ㎎ |
| カリウム | 180 | ㎎ |
| カルシウム | 13 | ㎎ |
| マグネシウム | 10 | ㎎ |
| リン | 17 | ㎎ |
| 鉄 | 0.1 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.1 | ㎎ |
| 銅 | 0.04 | ㎎ |
| マンガン | 0.03 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 21 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.3 | ㎎ |
| ビタミンK | – | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.06 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.03 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.2 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.07 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 16 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.3 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 40 | ㎎ |
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八朔の英語・漢字表記と読み方

| 項目 | 表記 |
|---|---|
| 漢字 | 八朔 |
| ひらがな | はっさく |
| 英語表記 | Hassaku orange または Hassaku |
| 学名 | Citrus × hassaku |
「八朔」は英語では一般的に Hassaku または Hassaku orange と表記されます。固有の日本の柑橘であるため、カタカナ名のローマ字表記がそのまま使われることが多いです。
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