香ばしい胡麻の香りが広がる「莢隠元の胡麻和え」は和食の定番副菜。シンプルな料理ほど、下ごしらえと胡麻の扱い方で味の差が出ます。
現役和食調理師が鮮やかな緑を保つ茹で方と、香りを引き出す胡麻の擦り方を丁寧に解説します。家庭でも料亭のような風味豊かな胡麻和えが作れます。
食材と調味料(2〜3人分)

調味料
| 調味料 | 分量 | 割合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 濃口醤油 | 50cc | 1 | 味のベース |
| 砂糖 | 50g | 1 | 甘みと照り |
| 胡麻 | 50〜100g | 1〜2 | 和え衣の主役(量で風味調整) |
下ごしらえ
| 食材 | 手順 |
|---|---|
| 莢隠元 | ヘタを取り、筋があれば取り除く。食べやすい大きさに切る。 |
| 人参 | 皮を剥き、千切りにする。 |
| 胡麻 | フライパンで軽く乾煎りして香りを立たせる。焦げないよう弱火で。 すり鉢で擦る(粒が3割程度残るのが目安)。 |
作り方

下味用の出汁を作る(分量外)
- 出汁100ccに塩・薄口醤油を少々加え、一度沸騰させて冷やしておく。
→ 食材に下味をつけ、味のノリを良くするためのひと手間。
下茹でする
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(水1ℓに大さじ1)を加える。
- 莢隠元を入れて約2分茹でる。
- 人参も同様に茹で、好みの固さに調整。
- 茹で上がったら氷水に取って色止めし、水気をしっかり切る。
- 下味用の出汁に5〜10分ほど浸す。

現役和食調理師のヒント
色鮮やかで歯ごたえが残る程度に止めるのがコツ。
和え衣を作る
- 擦った胡麻に濃口醤油・砂糖を加えて混ぜる。
- なめらかになるまでしっかりと合わせる。
👉 ポイント:胡麻の粒が少し残る程度が香り高く仕上がる。
食材を合わせる
- 下味の出汁から莢隠元と人参を取り出し、しっかり水気を切る。
- 和え衣を加え、全体を優しく混ぜ合わせる。
- 味を見て、必要に応じて醤油か砂糖で微調整。
👉 食べる直前に和えると、胡麻の香りが飛ばずに楽しめる。
ワンポイント
★胡麻和えの基本
胡麻和えは「胡麻の香りを食べる料理」。
胡麻は炒る→擦る→すぐに使うが鉄則。
市販のすり胡麻よりも香り・コク・口当たりが段違いです。
★食材の工夫
莢隠元以外にも、ほうれん草・小松菜・水菜・きのこ類などでも美味しく作れます。
茹で過ぎず、色と歯ざわりを残すのがコツです。
★調理のコツ
- 下味をつけることで、和え衣との一体感が増す。
- 和えるときは金属ではなく木ベラを使うと風味を損なわない。
- 胡麻の量を変えて好みの濃さに調整可能。
アレンジ

| アレンジ内容 | ポイント |
|---|---|
| 黒胡麻和え | 深いコクと色のコントラストを楽しむ |
| 練り胡麻使用 | よりクリーミーで濃厚な味わいに |
| はちみつ使用 | 優しい甘さで子どもにも人気 |
失敗の原因と解決法
| 失敗 | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
| 硬い | 下茹で不足 | 再加熱またはレンジで30秒ずつ温める |
| 柔らかい | 茹ですぎ | そのまま食べるか、炒め物へ再利用 |
| 味が薄い | 下味・調味料不足 | 出汁または和え衣を少し足す |
| 味が濃い | 調味料過多 | 少量の出汁または水を加えて調整 |
| 甘い | 砂糖入れすぎ | 醤油を少し足して味を締める |
保存方法
| 保存方法 | 期間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 冷蔵保存 | 約2日 | 胡麻の香りが落ちる前に食べ切る |
| 冷凍保存 | 不可 | 食感が悪くなり、風味も飛ぶ |
| 作り置き | 冷蔵庫でラップ密閉 | 食べる直前に再び軽く和えると◎ |
現役和食調理師のひと言
胡麻和えは“擦りたてが命”です。香りのピークを逃さないために、擦ってから10分以内に和えるのが理想。莢隠元の青さを活かすため、湯と塩の量を惜しまないことも大切です。
家庭でも簡単に、香り高い一品が作れます。
