豚バラ肉の旨味と、大根おろしのさっぱり感をポン酢でまとめた一品。
脂の多い豚肉も、大根おろしと合わせることで軽やかに仕上がります。
よくある失敗は、「水っぽい」「味がぼやける」というもの。
原因は、水分の扱い方にあります。
大根おろしの水分を切りすぎず、他の食材はしっかりと水気を切る。
このバランスが取れれば、プロのような仕上がりに。
夏場の冷しゃぶにも、食欲の落ちる季節の献立にもぴったりの一品です。
よくある失敗と原因
- 大根おろしの水分を切りすぎて風味がなくなる
- 野菜や豚肉の水分を切らずに和え、水っぽくなる
- 豚肉が固くなる(火の入れすぎ)
- 味がぼやける(ポン酢の酸味と甘みのバランス不足)
- 食材の温度差で味がなじまない
材料(2人前)

| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 豚バラ肉 | 150g | 主素材。脂の旨味とコクを出す |
| 大根 | 200g | さっぱり感・辛味で脂を中和 |
| 胡瓜 | 1/2本 | 食感と清涼感をプラス |
| 滑子 | 50g | ぬめりで口当たりをよくする |
| パプリカ(赤・黄) | 各1/4個 | 彩りと甘味 |
| ポン酢 | 適量 | 酸味・旨味のバランス調味料 |
| 片栗粉 | 適量 | 豚肉にまぶして舌ざわりをよくする |
| 塩 | 少々 | 下茹で時の下味 |
下処理
- 豚バラ肉:食べやすい大きさに切り、軽く片栗粉をまぶす(つるんとした食感に)
- 大根:皮を剥いておろし、軽く水気を切る(絞りすぎ注意)
- 胡瓜:縦1/4に切り、乱切り。水分を軽く拭き取る
- 滑子:サッと湯通しして冷水に取り、ぬめりを残す
- パプリカ:1cm角に切る(見た目の彩りを意識)
作り方(よくわかるレシピ)

- 豚肉を下茹でする(中火)
鍋に湯を沸かし、塩をひとつまみ入れる。
片栗粉をまぶした豚肉を入れ、**肉の色が完全に変わるまで(約2分)**茹でる。
→【合図】白っぽくなり、泡が細かく立ち始めたら火を止める。
冷水に取り、粗熱をとって水気を切る。 - 大根おろしにポン酢を合わせる
軽く水気を切った大根おろしにポン酢を加え、味をなじませる。
→【合図】軽く混ぜたとき、全体がとろっとまとまる程度。 - 食材を和える(直前)
豚肉・胡瓜・滑子・パプリカの水気をよく切り、食べる直前におろしポン酢で和える。
→【注意】時間を置くと胡瓜から水が出て味がぼやける。 - 盛り付ける
器に彩りよく盛り、大根おろしを上にのせると上品な印象に。
→仕上げに一味唐辛子を少量ふると、風味が締まる。
失敗しない3つのコツ

- 大根おろしは水分を7割だけ切る(風味を残す)
- 食材の水気は徹底して切る(水っぽさ防止)
- 和えるのは食べる直前(味がなじみ、食感が活きる)
保存方法
- 保存期間
冷蔵で半日程度(和えた後は早めに) - 別保存のすすめ
豚肉と野菜は別に冷蔵し、食べる直前におろしポン酢で和えると鮮度が保てる - 弁当不可
水分が出やすく味が薄まるため、作り置きには不向き
相性の良い献立
枝豆の塩ゆで、焼き茄子の生姜醤油
味噌汁(豆腐・わかめ)
冷やし茶漬け、雑穀ごはん
▶ 大根の旬と栄養はこちら
▶大根の特徴と上手な使い方はコチラ
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旬と豆知識
- 大根の旬は冬(11〜2月)、豚バラの脂が美味しく感じる季節。
- ポン酢は柑橘によって味が変わる。ゆずポン酢なら香り重視、すだちポン酢なら酸味が際立つ。
現役和食調理師のひと言
水分の扱いは「切る」「残す」の見極めが命です。
大根おろしを絞りすぎるとただの酸っぱい和え物になります。
少し重みが残るくらいの水分が、ポン酢を包み込み、まろやかさを生むんです。
和食は“加減”が味を決めます。
