牛肉の部位一覧｜特徴・おすすめ料理を調理師が解説【保存版】

牛肉にはサーロイン・リブロース・肩ロースなど、さまざまな部位があり、それぞれに味わいや食感、適した調理法が異なります。

ステーキにはどの部位が合う？
煮込みに向いているのは？

と迷う方も多いのではないでしょうか。
このページでは、調理師歴25年以上の筆者が、牛肉の部位を図解と一覧表でわかりやすく紹介します。各部位の特徴・おすすめ料理・英語表記をまとめ、料理に活かせる選び方のポイントも解説。

牛肉の部位を知ることで、料理の仕上がりが格段にアップします。
さらに、部位の知識を活かして「良い肉を自宅で手軽に買いたい」方のために、
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まずは、牛肉の部位をしっかり理解して、あなたにぴったりの肉選びを始めましょう。

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※本記事には広告が含まれています

牛肉の部位図

牛肉は、部位によって味や柔らかさ、脂の量が大きく異なります。
下の図では、牛の体のどの位置にどの部位があるのかを示しています。
位置関係を知ることで、部位ごとの特徴や料理への使い分けが理解しやすくなります。

このあとで、各部位の特徴やおすすめの調理法を詳しく紹介します。

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【肉の英語一覧｜牛・豚・鶏の部位とホルモンの英語表記まとめ】

牛肉の部位と特徴・おすすめ料理一覧

主な部位ごとの特徴と、おすすめの調理法を一覧にまとめました。
気になる部位をクリックすると、詳細ページでより詳しく解説しています。

牛肉の「とうがらし」とは？特徴・用途・別名を調理師が解説｜Chuck Tender

部位別の選び方・使い分け

柔らかい焼肉を食べたい

おすすめ部位
ヒレ
サーロイン
リブロース

これらの部位は繊維が細かく脂の入りが良いため、焼いても硬くなりにくいのが特徴。
特に「ヒレ」は最も柔らかい部位で、脂が少なく上品な味わい。
「サーロイン」や「リブロース」は霜降りが多く、ジューシーでとろけるような食感が楽しめます。

現役和食調理師のヒント

柔らかい焼肉を仕上げるには、強火でサッと焼くのがコツ。
脂が多い部位は焼きすぎると固くなるため、片面数十秒ずつでOK。

煮込み料理に使いたい

おすすめ部位
スネ
肩バラ
すじ肉

「スネ」は出汁がよく出て、深い味わいの煮込みやスープに最適。
「肩バラ」は脂の甘みとコクが加わり、こってりした煮込み料理に向きます。
「すじ肉」はとろとろの食感が楽しめる人気の煮込み用部位です。

現役和食調理師のヒント

煮込み料理は“下ごしらえ”が勝負。
一度下茹でしてアクを抜くことで、澄んだスープと上品な味に仕上がります。
煮込み時間の目安は2〜3時間以上。圧力鍋を使えば短時間でも柔らかくなります。

ヘルシー志向・脂が少ない肉がいい

おすすめ部位
ヒレ
モモ
ランプ
スネ

脂が少なく、カロリーを抑えたい方には赤身中心の部位がおすすめです。
「ヒレ」は牛肉の中で最も脂肪が少なく、きめ細かく柔らかい食感が特徴。上品な味わいで、ダイエット中にも◎。
「モモ」は筋肉質で脂が少なく、さっぱりとした味わいながらも肉の旨味をしっかり感じられます。
「ランプ」は赤身と柔らかさのバランスが良く、コスパの良いヘルシー部位として人気。
「スネ」は脂が少ない一方で、煮込むとコラーゲンがとけ出し、満足感のある料理になります。

現役和食調理師のヒント

ヘルシーに仕上げるには、脂を落とせる調理法がおすすめ。
グリルや蒸し焼き、しゃぶしゃぶなどで余分な脂を落とすと、カロリーを抑えつつ旨味を引き出せます。

贈り物・ギフトにしたい

おすすめ部位
サーロイン
リブロース
ヒレ
肩ロース（しゃぶしゃぶ・すき焼き用）

贈り物には、見た目・味・高級感の三拍子が揃った部位がおすすめです。
「サーロイン」や「リブロース」は霜降りが入りやすく、とろけるような食感と華やかな見た目が贈答に最適。
「ヒレ」は脂が少なく、上品で柔らかい味わいが年配の方にも喜ばれます。
「肩ロース」はバランスが良く、しゃぶしゃぶやすき焼きのギフトセットとして人気があります。

高級ブランド牛（近江牛・松阪牛・神戸牛など）は、特別な日のギフトや内祝いとしても定番です。▶知らないと損！A5ランク牛肉の真実

現役和食調理師のヒント

ギフトにする際は、「部位」「用途」「カット方法」を意識しましょう。
すき焼き用・しゃぶしゃぶ用・ステーキ用など、調理が簡単な形に加工されたものを選ぶと喜ばれます。

高級感のある肉を選びたい

おすすめ部
ヒレ
サーロイン
リブロース

高級感を重視するなら、柔らかく上質な食感と霜降りの美しさを持つ部位が最適です。
「ヒレ」は牛1頭からごく少量しか取れない希少部位で、脂が少なく上品な味わい。
とろけるような柔らかさで、贈答用や特別な日のメニューに人気です。
「サーロイン」は霜降りが入りやすく、濃厚な旨味と脂の甘みを兼ね備えた、まさに“王道の高級ステーキ”。
「リブロース」も霜降りが美しく、ジューシーでとろけるような食感が味わえるため、高級焼肉やすき焼きに選ばれます。

現役和食調理師のヒント

高級部位を活かすには、素材を引き立てる調理法がポイント。
ステーキなら焼きすぎず、ミディアムレアに仕上げて肉汁を閉じ込めましょう。
すき焼きやしゃぶしゃぶにする場合も、短時間の加熱で柔らかさをキープ。

目的別の選び方と使い分け

肉質や部位の特徴をもっと詳しく知って、通販でも失敗したくない方へ
👉 【調理師が厳選】肉通販おすすめ5選

カレー・シチューを作りたい

おすすめ部位
スネ
肩ロース
バラ
モモ

カレーやシチューには、煮崩れしにくく旨味が出る部位が最適です。
「スネ」はゼラチン質が豊富で、濃厚で深みのある味わいになります。
「肩ロース」は脂と赤身のバランスが良く、ジューシーで満足感のある食感が楽しめます。
「バラ」は脂が多めでコクが出やすく、まろやかでリッチに仕上がります。
「モモ」は脂が少なく、さっぱりとした軽い口当たりが好みの方におすすめです。

現役和食調理師のヒント

カレーやシチューは「煮込みすぎず、肉の食感を残す」ことが大切。
一度下茹でしてアクを抜くと、雑味が減り上品な味わいに。

すき焼き・しゃぶしゃぶに合う肉が知りたい

おすすめ部位
肩ロース
リブロース
モモ

すき焼きやしゃぶしゃぶに向くのは、薄切りにしても柔らかく、旨味がしっかりある部位です。
「肩ロース」は脂と赤身のバランスが良く、コクのある味わいと柔らかさが楽しめます。
「リブロース」は霜降りが入りやすく、とろけるような食感と濃厚な旨味が特徴。
「モモ」は脂が少なく、さっぱりとした味わいが好きな方におすすめ。
いずれも薄切りにすることで短時間で火が通り、柔らかく仕上がるのがポイントです。

現役和食調理師のヒント

しゃぶしゃぶは沸騰直前のお湯で数秒泳がせるだけで十分。
加熱しすぎるとパサつくので、色が変わった瞬間に引き上げましょう。

焼肉におすすめの部位を知りたい

おすすめ部位
カルビ（バラ）
ロース（肩ロース・リブロース）
ハラミ
タン
ヒレ
モモ

焼肉に合う部位は多いですが、食感や味の特徴で選ぶのがおすすめです。

• カルビ（バラ）：脂の甘みとコクが強く、ジューシーで濃厚な味わい。焼肉の王道。
• ロース（肩ロース・リブロース）：ほどよい霜降りで柔らかく、上品な旨味。
• ハラミ：実は横隔膜の筋肉。赤身のような食感で柔らかく、脂も控えめで人気。
• タン：歯ごたえと旨味を楽しむ部位。塩焼きに最適。
• ヒレ：脂が少なく、上品で柔らかい高級部位。あっさり派に。
• モモ：脂が少なくヘルシー。しっかりとした肉の味を楽しめる。

現役和食調理師のヒント

脂の多い部位（カルビ・ロース）は強火でサッと焼いて脂を落とすと香ばしく、
赤身系（モモ・ヒレ）は中火でじっくり焼いて旨味を閉じ込めましょう。

ステーキに合う部位を知りたい

おすすめ部位
サーロイン
リブロース
ヒレ
ランプ

ステーキに向くのは、肉質がやわらかく、厚切りでもジューシーに焼ける部位です。
「サーロイン」は霜降りが入りやすく、肉の旨味と脂の甘みが絶妙。王道のステーキ部位です。
「リブロース」は脂が豊かでジューシー、とろけるような食感が楽しめます。
「ヒレ」は脂が少なく、きめ細かく柔らかい高級部位。上品であっさりとした味わいです。
「ランプ」は赤身中心で、しっかりした肉の旨味を感じたい人におすすめ。コスパも◎。

現役和食調理師のヒント

ステーキは常温に戻してから焼くのが基本。
強火で表面を焼き固め、肉汁を閉じ込めたら、中火〜弱火でじっくり火を通します。焼き上がったらアルミホイルで包み、数分休ませることでジューシーさがアップします。

バーベキューにおすすめの部位

おすすめ部位
カルビ（バラ）
ロース（肩ロース・リブロース）
ハラミ
ランプ
モモ

バーベキューでは、屋外でも焼きやすく、冷めても美味しい部位を選ぶのがポイントです。
「カルビ（バラ）」は脂が多く、香ばしく焼けてジューシー。バーベキューの定番人気。
「ロース（肩ロース・リブロース）」は柔らかく、濃厚な旨味と脂のバランスが絶妙。
「ハラミ」は噛むほどに旨味が広がり、赤身のような食感で食べやすい部位。
「ランプ」「モモ」は脂が少なく、さっぱりとした赤身の味わいで、ヘルシー志向の方にもおすすめです。

現役和食調理師のヒント

バーベキューでは火力が強くなりがちなので、焼きすぎ注意。
脂が多い部位は強火でサッと、赤身系は中火でじっくり焼くと柔らかく仕上がります。

丼物や弁当に使いたい

おすすめ部位
肩ロース
モモ
バラ
ハラミ

丼物やお弁当には、冷めても美味しく、噛みやすい部位がぴったりです。
「肩ロース」は赤身と脂のバランスが良く、旨味がしっかりして冷めても風味が落ちにくいのが特徴。
「モモ」は脂が少なく、さっぱりとした味わいで、照り焼きやしぐれ煮などの丼に最適です。
「バラ」は脂のコクがあるため、焼肉丼・牛丼・すき焼き風丼におすすめ。
「ハラミ」は柔らかく、タレとの相性が抜群で、お弁当のメインにも人気です。

現役和食調理師のヒント

甘辛のタレ（醤油・みりん・砂糖）を使うとご飯との相性も抜群。
モモ肉は下味をしっかり付けてから焼くと、冷めても風味が保たれます。

脂が少なくヘルシーな肉がいい

おすすめ部位
ヒレ
モモ
ランプ
スネ

脂を控えたい方や、健康・ダイエット志向の方には、赤身中心の部位がおすすめです。
「ヒレ」は牛肉の中で最も脂肪が少なく、柔らかく上品な味わいが特徴。高たんぱく・低脂質で、食べ応えも十分。
「モモ」は筋肉質で脂が少なく、あっさりとした赤身の旨味を感じられます。煮込み・ステーキ・炒め物など幅広く活用できます。
「ランプ」は赤身の旨味と柔らかさを両立した部位で、コスパの良いヘルシー肉として人気。
「スネ」は脂が少なく、煮込むことでコラーゲンがとけ出し、満足感のある仕上がりになります。

現役和食調理師のヒント

ヘルシーに仕上げたいときは、余分な脂を落とせる調理法を選びましょう。
グリル・蒸し焼き・しゃぶしゃぶなどで調理すると、脂を落としながら旨味をキープできます。

高齢の方でも食べやすい肉が知りたい

おすすめ部位
ヒレ
肩ロース
リブロース
モモ（薄切り）

高齢の方には、柔らかく消化のよい部位がおすすめです。
「ヒレ」は脂が少なく、きめ細かく柔らかい肉質で噛みやすく、胃もたれしにくい上品な味わいです。
「肩ロース」や「リブロース」は霜降りが入りやすく、しっとり柔らかい食感が特徴。すき焼きやしゃぶしゃぶに向いています。
「モモ」は赤身中心ですが、薄切りにして調理すれば、噛みやすく食べやすい部位として活用できます。

現役和食調理師のヒント

高齢の方に提供する場合は、調理法とカットの工夫が大切です。
焼きすぎると固くなるため、しゃぶしゃぶやすき焼き、煮込み料理のように短時間・低温調理が理想。

赤身の旨味を味わいたい

おすすめ部位
ランプ
モモ
ヒレ
ハラミ

赤身肉は、脂が少なく、牛肉本来の旨味と香りをしっかり感じられるのが魅力です。
「ランプ」は腰からお尻にかけた部位で、柔らかさと赤身の旨味を両立した人気部位。ステーキやローストに最適です。
「モモ」は脂が少なく、さっぱりとした味わいとしっかりした肉質で、焼き・煮込み・炒め物など幅広く活用できます。
「ヒレ」は赤身の中でも特に柔らかく、上品でクセのない味わいが特徴。高級感もあり、あっさり派におすすめ。
「ハラミ」は赤身に近い風味で、ジューシーかつ食べ応えがありながら軽やか。焼肉や炒め物にも好相性です。

現役和食調理師のヒント

味付けはシンプルに塩・胡椒で、肉本来の旨味を引き立てるのがおすすめです。
タレやソースを控えめにして、赤身特有の香ばしさとコクを味わいましょう。

まとめ

牛肉だけでなく、豚肉や鶏肉の特徴もあわせてチェックして、料理にぴったりの部位を選びましょう。
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この記事を書いた人
現役の和食調理師／おかだ けんいち（調理歴25年以上）

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