たけのこの旬と栄養|種類・目利き・相性の良い食材もわかりやすく解説

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たけのこの旬はいつ?
春に食べると栄養は豊富?
おいしいたけのこの見分け方は?

そんな疑問にお答えします。たけのこは春を代表する味覚で、3~5月がもっともおいしい時期。食物繊維やカリウムなどの栄養も含まれており、ヘルシーで料理の幅も広がります。本記事では、旬の時期や栄養成分、種類の違い、相性の良い食材や目利きのコツまで、調理師の視点でわかりやすくまとめました。

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筍の旬 ~おいしい時期~

孟宗竹(もうそうだけ)

破竹(はちく)

真竹(まだけ)

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

たけのことは ~解説~

たけのこ(筍)は、春になると地面から顔を出す竹の若芽で、昔から春の訪れを感じさせる食材として親しまれてきました。桜が散る頃が最も美味しい時期とされ、旬は3月下旬から4月中旬ごろです。たけのこの代表格は「孟宗竹(もうそうちく)」で、やわらかく甘みがあり、えぐみも比較的少ないのが特徴です。掘りたてのたけのこは生でも食べられますが、通常は収穫直後からえぐみ(シュウ酸)が増すため、米ぬかを使って茹でる「あく抜き」が欠かせません。


主な種類と特徴

種類特徴
孟宗竹(もうそうちく)筍の代表種。太くてやわらかく、えぐみが少ない。皮には淡褐色のうぶ毛が密生。
破竹(はちく)細長く、味は淡白。えぐみが少なく、後味にほのかな甘み。
真竹(まだけ)アクが強く、やや固め。皮に産毛がないのが特徴。調理には下茹でが必要。

✅ 味わいと栄養の特徴

たけのこはシャキシャキ・サクサクとした独特の歯ごたえが魅力です。ほんのりとした甘みとえぐみ(苦味)を併せ持ち、炒め物や煮物に使うと深い味わいが楽しめます。
特に含まれているチロシン(茹でたときに白く見える粉)や食物繊維、カリウムは、健康的な栄養成分としても注目されています。

たけのこと相性の良い食材|春の香りを引き立てる組み合わせ

たけのこは独特のえぐみと甘みを持ち、淡白ながらも存在感のある味わいが特徴です。和食をはじめ、さまざまな料理に応用しやすく、季節の食材と合わせると春らしい一皿に仕上がります。

食材特徴・おすすめ料理
わかめ春の定番コンビ。若竹煮として知られ、歯ごたえのあるたけのことやわらかなわかめのコントラストが絶妙。
木の芽香りのアクセントに。たけのこご飯や白和えに添えると清涼感が加わり、上品な味わいに。
鶏肉旨みの相乗効果で奥深い味に。筑前煮や炊き込みご飯など定番レシピに最適。
油揚げ油分と旨みでコクがアップ。炒め煮や味噌汁に使うと、たけのこの水分を吸って味しみ良好。
ごま油中華風アレンジに◎。細切りにして炒めると香ばしさが際立ち、酒の肴やお弁当にもぴったり。
豚肉
ベーコン
ボリュームアップに。炒め物や春巻きの具として、肉の旨みとたけのこの歯ごたえが相性抜群。

たけのこは、香りやコクのある食材と組み合わせることで、春らしい一品に仕上がります。淡白だからこそ、他の食材の良さを引き立てる“名脇役”としても重宝します。

たけのこの選び方(目利きのポイント)

たけのこは鮮度が命の食材で、収穫直後からアク(えぐみ)が強くなります。美味しいたけのこを選ぶには、以下のポイントをチェックしましょう。

✅ 良いたけのこの見分け方

チェックポイント解説
穂先が黄色〜薄茶色で、閉じている穂先が開いていたり、緑がかっているものは鮮度が落ちています。
皮にうぶ毛がしっかりある特に孟宗竹は、皮に淡褐色のうぶ毛が密生しているのが特徴です。
切り口が白く、みずみずしい乾いていたり黒ずんでいるものは収穫から時間が経っています。
持ったときにずっしり重い水分が抜けていない証拠。軽いものはスカスカの可能性があります。
根元の「ぶつぶつ(根粒)」が小さい根元の突起が大きくなるほどアクが強い傾向にあります。

✅ ワンポイントアドバイス

  • 朝採れがベスト! 朝に掘ったものを午前中に買えるとアクが少なく美味。
  • すぐに茹でるのが基本。 購入したらその日のうちに下茹で(あく抜き)を。

✅ 保存向きのたけのこは?

もし当日使わない場合は、「真空パック」や「水煮」された市販品を選ぶと便利です。フレッシュなたけのこが手に入らない時期でも、炒め物や煮物に十分使えます。

主な品種

たけのこは、「竹の品種」によって見た目・味・えぐみ・食感が異なります。ここでは、代表的なたけのこの種類とその特徴を紹介します。

品種名特徴と用途
孟宗竹(もうそうちく)日本で最も一般的なたけのこ。太くて柔らかく、えぐみが少ない。3月下旬〜4月上旬が旬。九州・関西地方で多く栽培される。
真竹(まだけ)細長く、やや硬め。えぐみが強めでアク抜きが必須。煮物や汁物に。5〜6月が旬。
破竹(はちく)穂先が細く、えぐみが少なく淡白な味わい。6月以降に出回り、夏の筍料理に使われる。食感がよく炒め物向き。

✅ その他の地域品種

  • 淡竹(はちく):関東地方や中部地方でも見られる。柔らかく調理しやすい。
  • 寒山竹(かんざんちく):京都などでたけのこ料理に使われる希少品種。風味が上品。
  • 根曲がり竹(姫竹・ちしまざさ):北海道・東北地方で人気。細くてシャキシャキした食感が特徴。山菜として扱われることも。

たけのこの栄養素 (食品成分表)

たけのこ(茹で)若茎

可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー31
水分89.9g
タンパク質3.5g
脂質0.2g
食物繊維(総量)3.3g
炭水化物5.5g
ナトリウム1
カリウム470
カルシウム17
マグネシウム11
リン60
0.4
亜鉛1.2
0.13
マンガン0.55
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)12
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.0
ビタミンK2
ビタミンB10.04
ビタミンB20.09
ナイアシン0.6
ビタミンB60.06
ビタミンB12
葉酸63
パントテン酸0.63
ビオチン
ビタミンC8

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たけのこの英語・漢字表記

「たけのこ」は英語で Bamboo shoot(バンブー・シュート) と表現されます。
「Bamboo(竹)」+「Shoot(新芽・若芽)」という構成で、竹の若芽=たけのこという意味になります。

英語圏では日本食材の一つとして「bamboo shoot」とそのまま使われることが多く、缶詰やアジア料理の食材としても認知されています

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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