わらび(蕨)の旬・あく抜き・保存法|山菜の特徴とおいしい食べ方を解説

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わらびの英語・漢字・発音

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漢字表記:蕨
ひらがな表記:わらび
英語表記:Bracken
英語の発音記号:/ˈbræk.ən/
カタカナ読み:ブラッカン(またはブラッケン)

蕨の旬 ~おいしい時期~

わらび

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

わらびとは?~解説~

わらび(蕨)は、シダ植物の一種で、春に芽吹く若芽を食用とする山菜です。学名は Pteridium aquilinum(プテリディウム・アクイリナム)で、世界各地に分布しており、特に日本では古くから春の味覚として親しまれてきました。

地表から伸びるくるっと巻いた新芽(若芽)が特徴で、ほろ苦さと独特の香りが魅力です。古くから「春の山菜」として、地域の郷土料理やお浸し、煮物などに利用されてきました。

わらびはアクが強く、生食には適していません。調理前には「重曹」や「木灰」を使ったアク抜きが必要不可欠です。このアク抜きによって、えぐみを取り除き、独特のぬめりと食感が引き立ちます。

わらびの選び方

新鮮なわらびを選ぶポイントは、以下のような点に注目しましょう。

  • 穂先がしっかり巻かれているもの
     → やわらかく香りがよい、収穫したての証です。
  • 茎がまっすぐで、太さが均一
     → 曲がっていたり、極端に太いものはスジが硬い場合があります。
  • 全体にハリとツヤがあるもの
     → 乾燥してしなびているものは鮮度が落ちています。
  • 切り口がみずみずしく、黒ずんでいない
     → 茎の断面が茶色くなっているものは収穫後時間が経過している証拠です。

なお、天然物は採れた時期や場所によって状態が異なることもあります。出回り時期に合わせて、地元産や採れたての直売所品を選ぶのがおすすめです。

わらびと相性の良い食材・料理

わらびは、山菜ならではのほろ苦さとぬめりが特徴で、以下のような食材・料理とよく合います。

相性の良い食材

  • 油揚げ・豆腐:やさしい味わいがわらびの風味を引き立てます。
  • かつお節・しょうゆ:定番の組み合わせ。おひたしにぴったり。
  • たまご(卵とじ):苦味をマイルドにして、やさしい味わいに。
  • 味噌:味噌汁や酢味噌和えに。コクが加わります。
  • 山菜仲間(ぜんまい、たらの芽など):春の旬を楽しめる組み合わせ。

わらびを使った料理例

  • わらびのおひたし
  • わらびと油揚げの煮物
  • わらびの卵とじ
  • わらびの天ぷら
  • わらびと味噌の酢味噌和え
  • わらびご飯
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現役和食調理師のヒント

、「アク抜きを丁寧に行うこと」が、わらびの魅力を最大限に活かすポイントです。しっかりアクを抜くことで、えぐみが消え、食材との調和がとれます。

わらびの保存方法

わらびは収穫後すぐにアクが出やすいため、購入当日または翌日までにアク抜きを行うのがおすすめです。長持ちさせたい場合は、以下の方法で保存します。

冷蔵保存(短期)

  • アク抜き前のわらびは乾燥しやすいため、新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵庫へ(1~2日以内に処理)。
  • アク抜き後は、保存容器にひたひたの水と一緒に入れ、毎日水を替えれば2~3日程度保存可能。

冷凍保存(長期)

  • アク抜きをしてから水気をよく切り、食べやすい大きさにカット。
  • ラップで小分けに包み、保存袋に入れて冷凍庫へ(約1ヶ月保存可能)。
  • 解凍は自然解凍または流水解凍がおすすめ。

塩漬け保存(長期保存向け)

  • アク抜き後のわらびを塩漬けにすることで、冷蔵庫で1~2ヶ月ほど保存可能
  • 使用時は、しっかり塩抜きしてから調理してください。

わらびのあく抜き方法

わらびは「天然のポリフェノール(タンニン)」を多く含むため、そのままでは強いえぐみや苦味があります。必ずアク抜きをしてから調理しましょう。

材料(目安)

  • 生わらび:100g
  • 重曹(食用):小さじ1
  • 熱湯:約500ml

手順

わらびを洗う
泥などを軽く洗い流し、根元の固い部分を1〜2cm切り落とします。

ボウルまたは鍋に並べる
わらびを重ならないように平らに置きます。

重曹を全体にふりかける
わらび100gに対して小さじ1程度が目安です。まんべんなくふりかけます。

熱湯を注ぐ
全体が浸かるように沸騰したお湯をゆっくり注ぎます。

落としぶた or ラップをかぶせる
空気に触れないようにして、常温で6~8時間ほど放置(一晩置いてもOK)。

冷水でしっかりすすぐ
色がくすまないように注意しながら、水でよく洗い流します。


補足:失敗しないポイント

  • 熱湯はぐらぐら沸騰したものを使用。
  • アク抜きが不十分だと、食後に舌がピリピリすることがあります。
  • 逆に長時間浸けすぎると、わらびが柔らかくなりすぎて風味が落ちるため注意。

蕨の栄養素(食品成分表)

生わらび

栄養素ゆで単位
廃棄率0%
エネルギー13
水分95.2g
タンパク質1.5g
脂質0.1g
食物繊維(総量)3.0g
炭水化物3.0g
ナトリウム
カリウム10
カルシウム11
マグネシウム10
リン24
0.6
亜鉛0.5
0.06
マンガン0.08
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)160
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)1.3
ビタミンK15
ビタミンB1
ビタミンB20.05
ナイアシン0.4
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸33
パントテン酸
ビオチン
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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