牛肉の「ネック(首肉)」は、煮込み料理で真価を発揮する隠れた名部位です。
3秒でわかるネック肉の答え
- 位置| 頭と肩の間の首部分
- 特徴 | 赤身中心、旨味が濃厚、コラーゲン豊富
- 向いている料理 | ビーフシチュー、カレー、赤ワイン煮込み、スープ
- 調理のコツ | 2時間以上煮込む(圧力鍋なら30分で柔らかい)
- 価格 | 100gあたり100〜800円
- 購入場所 | 精肉店、通販、業務用スーパー
運動量が多い部位のため生では硬めですが、じっくり煮込むとコラーゲンがゼラチン化し、とろけるような柔らかさと深いコクが生まれます。 スーパーではあまり見かけませんが、精肉店や通販では「コスパ最強の隠れた旨味肉」として人気があります。 この記事では、牛肉ネックの位置・特徴・下処理方法・プロ直伝レシピまで、現役調理師が徹底解説します。
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牛肉ネック(長頸・首肉)とは? ~概要~

牛肉のネック(長頸・首肉)は、牛の首部分から取れる部位で、別名「ネック」「首肉」とも呼ばれます。牛が頭を上下左右に動かすために常に使われる筋肉のため、運動量が非常に多く、筋繊維がしっかりと発達しているのが特徴です。
一頭の牛から取れる量は比較的多めですが、筋や腱が多く含まれるため、そのまま焼いて食べるには不向きとされています。その一方で、じっくり時間をかけて煮込むことで筋繊維がほぐれ、コラーゲンがゼラチン質に変わり、とろけるような柔らかさと深い旨味が引き出されます。
ネック肉は、ビーフシチュー、ポトフ、牛すじ煮込み、カレー、スープなど、長時間煮込む料理に最適です。価格も比較的手頃なため、家庭で本格的な煮込み料理を作りたい方におすすめの部位といえます。
また、コラーゲンが豊富なため、煮込んだ後のスープにはとろみと旨味が凝縮され、料理全体に深いコクを与えてくれます。

現役和食調理師のヒント
ネックは筋が多く、焼き物にはあまり向きませんが、煮込み料理やスープの出汁用としては一級品です。
ネックの特徴と味わい
牛肉のネック(長頸・首肉)は、首まわりの筋肉部分にあたるため、筋繊維がしっかりとしていて、やや硬めの肉質が特徴です。牛が日常的に頭を支え、上下に動かす際に使う部位のため、運動量が非常に多く、赤身中心で脂肪が少なく、コラーゲンを多く含む構造になっています。
肉質の特徴
- 筋肉質で引き締まった肉質
筋繊維が発達しており、焼きすぎると硬くなりやすい一方で、じっくり火を通すことでやわらかくなり、旨味が溶け出すのが魅力です。 - 脂肪が少なく、きめは粗め
脂身が少なくあっさりとした印象で、赤身本来の風味を味わえます。 - 結合組織・コラーゲンが豊富
煮込み調理でゼラチン化し、とろけるような食感とコクが生まれます。
味わいの特徴
- 旨味が濃く、コク深い味わい
脂肪の少なさに反して、赤身の旨味が強く、味がしっかりしているのが特徴です。
煮込み料理ではスープに旨味が溶け込み、料理全体を支える出汁肉としても優秀です。 - 香りが豊かで風味が強い
肉の風味が濃厚なため、香辛料や赤ワインなどと合わせても存在感を保ちます。

現役和食調理師のヒント
ネックは「硬いけれど旨い肉」の代表格です。焼くよりも時間をかけて煮込むことで、やわらかくほぐれ、旨味がしっかり染み出します。
ネックの位置と分類

牛肉のネック(長頸・首肉)は、名前のとおり首まわりの筋肉部分にあたる部位です。
頭と肩ロースのあいだに位置し、牛が頭を支えるときに常に使われているため、運動量が非常に多く、筋肉がよく発達しているのが特徴です。
牛肉の部位分類では、肩周辺の肉と一緒に扱われることもありますが、一般的には「ネック」として独立して販売されています。精肉店やスーパーでは、「首肉」「ネック」「長頸」といった名称で表示されていることが多く、煮込み用やスープ用として販売されるケースがほとんどです。
また、ネック肉は一頭の牛から比較的多く取れる部位のため、肩肉やすね肉と並んで、煮込み料理用の肉として流通量が多いのも特徴です。形状は細長く、筋や腱が入り組んでいるため、調理前にカットして使うことが一般的です。
他の煮込み用部位と比較すると、すね肉よりも肉の割合が多く、肩肉よりも筋が多いという中間的な性質を持っています。このため、煮込み時間や下処理の方法によって、さまざまな料理に応用できる汎用性の高い部位といえます。

現役和食調理師のヒント
ネックは肩やスネと同じようによく動かす筋肉部位なので、繊維がしっかりしており、長時間の加熱で旨味を引き出すタイプの肉です。
ネック肉の選び方・見分け方
美味しいネック肉を選ぶためには、鮮度と肉質を見極めることが大切です。スーパーや精肉店で購入する際に、以下のポイントをチェックしましょう。
色とツヤで鮮度を確認
新鮮なネック肉は、明るい赤色でツヤがあります。鮮やかな赤身が均一に広がっており、黒ずんだり茶色く変色したりしていないものを選びましょう。表面がぬめっている、または乾燥してパサついているものは鮮度が落ちている可能性があるため避けてください。
適度な脂肪と筋のバランス
ネック肉は赤身主体ですが、適度に脂肪や筋が入っているものが煮込み料理に適しています。脂肪がまったくないものは旨味が少なく、逆に脂が多すぎると煮込んだ際に油っぽくなります。赤身と脂肪のバランスが良く、筋が適度に入っているものを選ぶと良いでしょう。
ドリップが出ていないか確認
パックの中に赤い液体(ドリップ)が多く溜まっているものは、鮮度が落ちている証拠です。ドリップが少なく、肉がしっかりしているものを選びましょう。
カット済みか塊かを選ぶ
スーパーでは、すでに一口大にカットされたネック肉と、塊のままのネック肉が販売されています。カット済みは下処理が楽で時短になりますが、塊のほうが鮮度を保ちやすく、自分好みのサイズに切れるメリットがあります。料理の用途に応じて選びましょう。
和牛と輸入牛の見分け方
和牛は赤身の中にも細かいサシが入っており、全体的にやわらかい印象です。輸入牛は赤身がしっかりしており、脂肪が少なめです。どちらも煮込み料理には適していますが、濃厚な味わいを求めるなら和牛、コストパフォーマンスを重視するなら輸入牛を選ぶと良いでしょう。
新鮮で質の良いネック肉を選ぶことで、煮込み料理の仕上がりが格段に良くなります。購入時にはパッケージの表示や消費期限もしっかり確認してください。
ネック肉の下処理・準備のコツ

ネック肉を美味しく仕上げるには、下処理をしっかり行うことが重要です。臭み取りやアク抜きを丁寧にすることで、雑味のない上品な煮込み料理が作れます。
臭み取りの基本:湯通しと下茹で
ネック肉は筋が多く血液が残りやすいため、そのまま煮込むと臭みが出ることがあります。調理前に必ず湯通しをしましょう。鍋にたっぷりの水を沸騰させ、ネック肉を入れて2〜3分茹でます。表面が白くなったら取り出し、流水で洗い流すと臭みの原因となる血や汚れが落ちます。
アク取りのタイミング
本調理に入ったら、最初の15〜20分は特にアクが多く出ます。煮込み始めは火加減を中火にし、こまめにアクをすくい取りましょう。アクを取り除くことで、スープが濁らず透明感のある仕上がりになります。お玉やアク取り専用のスプーンを使うと効率的です。
適切なカットサイズ
塊のネック肉を購入した場合は、4〜5cm角にカットするのが目安です。大きすぎると火が通りにくく、小さすぎると煮崩れしやすくなります。筋が多い部分は包丁で切り込みを入れておくと、煮込んだ際に縮みにくく食べやすくなります。
冷凍保存の方法
ネック肉は冷凍保存が可能です。使いやすい分量に小分けし、ラップで空気が入らないように包んでから、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍します。保存期間は約1ヶ月が目安です。解凍は冷蔵庫で自然解凍するか、急ぐ場合は流水解凍を行いましょう。冷凍のまま調理することもできますが、解凍してから使うほうが火の通りが均一になります。
下味をつける場合
ビーフシチューなど洋風料理では、下茹で後に塩・胡椒で軽く下味をつけ、小麦粉をまぶしてから焼き付けると旨味が閉じ込められます。和風の煮込み料理では、酒や生姜を加えた湯で下茹ですると、さらに臭みが抜けて上品な仕上がりになります。
丁寧な下処理を行うことで、ネック肉本来の旨味を引き出し、臭みのない美味しい煮込み料理が作れます。
ネックに合う料理・調理法

牛肉のネック(長頸・首肉)は、筋肉質でやや硬めの肉質ですが、コラーゲンや旨味成分が豊富なため、煮込み料理やスープでその力を発揮します。じっくり火を通すことで、とろけるような食感と濃厚なコクが生まれます。
ビーフシチュー
ネック肉の代表的な使い道です。赤ワインやデミグラスソースでじっくり煮込むことで、肉は箸で崩れるほど柔らかくなり、ソースには肉の旨味とコラーゲンが溶け出して濃厚なコクが生まれます。2〜3時間以上煮込むのがポイントです。
ビーフカレー
ネック肉との相性が抜群です。長時間煮込むことで肉が柔らかくなり、ルーに深い旨味が加わります。市販のルーを使う場合でも、ネック肉を使うだけで本格的な味わいになります。
ポトフやコンソメスープ
シンプルな煮込み料理では、ネック肉本来の味わいを楽しめます。野菜と一緒にコトコト煮込むだけで、肉の旨味がスープ全体に染み渡り、滋味深い一品が完成します。
牛すじ煮込み
醤油ベースの味付けで煮込めば、居酒屋のような本格的な煮込み料理が作れます。圧力鍋を使えば調理時間を短縮でき、1時間程度で柔らかく仕上げることも可能です。
調理のコツは、最初に強火で表面を焼き付けて旨味を閉じ込め、その後弱火でじっくり煮込むこと。途中で出るアクはこまめに取り除き、煮汁が煮詰まらないよう水分を適宜足しながら調理すると、雑味のない美味しい煮込み料理が作れます。

現役和食調理師のヒント
ネックは筋が多く、短時間加熱では硬さが残りやすいため、ステーキや焼肉などの直火焼きには不向きです。
和牛ネックと輸入牛ネックの違い

牛肉のネック(首肉)は、産地や品種によって味わい・脂の質・香りが大きく異なります。
特に、和牛と輸入牛では次のような違いがあります。
どちらを選ぶかは、料理の用途と予算次第です。濃厚でコクのある仕上がりを求めるなら和牛、さっぱりとした味わいやコストパフォーマンスを重視するなら輸入牛が向いています。煮込み料理はどちらの肉でも美味しく作れるため、まずは輸入牛で試してみて、気に入ったら和牛にチャレンジするのも良いでしょう。
| 比較項目 | 和牛ネック | 輸入牛ネック |
|---|---|---|
| 脂肪の質 | 霜降りが細かく、脂に甘みと香りがある | 赤身中心で脂は少なめ、あっさりとした味わい |
| 肉質 | きめ細かく、時間をかけるとしっとり柔らか | やや繊維が粗く、弾力が強い |
| 味の特徴 | コクと旨味が強く、煮込みにすると深い味わい | さっぱりとした味で、スープやミンチに向く |
| 価格 | 高価(霜降りやブランド牛は特に高価) | 比較的リーズナブルで手に入りやすい |
| おすすめ用途 | 特別な煮込み料理、和食の出汁用、特別な牛すじ煮込み | 日常使いのカレー・シチュー・スープ |

現役和食調理師のヒント
和牛ネックは脂の旨味とコクが豊かで、高級感のある味わいになります。
一方、輸入牛ネックは赤身の風味がしっかりしており、スープやカレーなど、日常使いに最適です。
ネックの栄養素
ネック肉は、日本食品標準成分表には個別の栄養データが掲載されていないため、詳しい数値は明確ではありません。ただし、部位の特徴から以下の栄養素が多いと考えられます。
タンパク質が豊富
ネック肉は筋肉が発達した赤身主体の部位のため、良質なタンパク質が多く含まれていると考えられます。筋肉の維持や体づくりに役立つ栄養素です。
コラーゲンが豊富
首の筋肉には筋や腱が多く含まれており、コラーゲンが非常に豊富です。長時間煮込むことでゼラチン質に変化し、スープにとろみと旨味を与えます。美肌や関節の健康維持に良いとされています。
脂質は比較的少なめ
赤身が多く霜降りが少ない部位のため、脂質は控えめと考えられます。カロリーを抑えつつ、肉の旨味を楽しみたい方に適しています。
鉄分が含まれる
赤身肉に共通して含まれる鉄分は、貧血予防や疲労回復に効果的です。特に女性や成長期の子どもにとって重要な栄養素といえます。
ネック肉は栄養価が高く、煮込み料理にすることで野菜と一緒に摂取できるため、バランスの良い食事を作りやすい部位です。
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ネックの英語表記・別名(Chuck Neck / Beef Neck)
牛肉のネック(首肉)は英語で一般的に次のように表現されます。
| 日本語名 | 英語表記 |
|---|---|
| ネック (首肉・長頸) | Neck Beef Neck |
| チャックネック (肩・首にまたがる部位) | Chuck Neck |
| ネックミート | Neck Meat |
Beef Neck
「牛の首肉」を意味する英語表現で、海外のスーパーや精肉店でもこの名称で販売されていることが多くあります。輸入肉のパッケージに「Beef Neck」と書かれている場合は、日本でいうネック肉のことを指します。
Chuck Neck
アメリカやオーストラリアなどの英語圏で使われる呼び方で、「Chuck(チャック)」は牛の肩から首にかけての部位全体を指す言葉です。この中でも首部分を特に「Chuck Neck」と呼び分けています。
また、海外では「Neck Bones(ネックボーン)」という表記で、骨付きの首肉が販売されることもあります。骨付きのネック肉は、スープや出汁を取るのに最適で、長時間煮込むことで骨から旨味が溶け出し、深いコクのあるスープが作れます。
英文の使用例
Beef neck is rich in collagen and perfect for soups and stews.
(牛の首肉はコラーゲンが豊富で、スープやシチューに最適です。)
Chuck neck is a tough cut that becomes tender after slow cooking.
(チャックネックは硬い部位ですが、じっくり煮込むと柔らかくなります。)
よくある失敗と対処法
ネック肉を使った煮込み料理は比較的簡単ですが、初めて調理する際にはいくつかの失敗が起こりがちです。ここでは、よくある失敗例とその対処法を紹介します。
- Q煮込んでも肉が硬いまま
- A
ネック肉を1〜2時間煮込んでも硬いままという失敗はよくあります。原因は煮込み時間が不足しているか、火加減が強すぎることです。ネック肉は最低でも2時間以上、理想的には3〜4時間弱火でコトコト煮込む必要があります。圧力鍋を使う場合でも、加圧後は30分〜1時間程度必要です。強火で煮込むと肉が縮んで硬くなるため、必ず弱火を保ちましょう。
- Q臭みが残ってしまう
- A
下処理を省略したり、アク取りが不十分だと臭みが残ります。必ず調理前に湯通しをして、血や汚れを洗い流してください。また、煮込み始めの15〜20分はこまめにアクを取り除くことが重要です。生姜や長ネギ、ローリエなどの香味野菜を加えると、臭みを和らげる効果があります。
- Q煮崩れしてバラバラになる
- A
ネック肉は長時間煮込むと柔らかくなりすぎて崩れることがあります。これは火加減が強すぎるか、煮込み時間が長すぎることが原因です。沸騰させず、表面がフツフツと揺れる程度の弱火を保ちましょう。また、煮込んでいる途中で何度もかき混ぜると崩れやすくなるため、混ぜる回数は最小限に抑えてください。
- Qスープが濁って見た目が悪い
- A
スープが白く濁るのは、アクが溶け込んでいるか、強火で煮込んだためです。最初にしっかりアクを取り除き、常に弱火で煮込むことで透明感のあるスープに仕上がります。澄んだスープを作りたい場合は、下茹でを2回行うとさらに効果的です。
- Q味が薄くて物足りない
- A
煮込み時間が長いと水分が蒸発して味が濃くなりますが、逆に水を足しすぎると味が薄まります。煮込む際は適度に水分を補充し、最後に塩や醤油で味を調整しましょう。ネック肉から出る旨味だけでは物足りない場合は、コンソメや鶏ガラスープの素を少量加えるとコクが増します。
- Q冷凍肉が解凍できていない
- A
冷凍のまま調理すると、外側だけ煮えて中心が冷たいままになることがあります。冷凍肉は必ず事前に解凍するか、解凍せずに使う場合は煮込み時間を30分〜1時間延長してください。急ぐ場合は流水解凍が効果的です。
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ネック以外にも、牛肉にはさまざまな部位があります。それぞれの特徴や向いている料理を知ることで、料理のレパートリーが一気に広がります。
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まとめ文
ネック肉は牛の首部分に位置し、運動量が多いため筋繊維が発達した赤身主体の部位です。そのまま焼くには硬いものの、長時間煮込むことで驚くほど柔らかくなり、コラーゲン豊富な濃厚スープが楽しめます。ビーフシチュー、カレー、ポトフなどの煮込み料理に最適で、和牛は濃厚な旨味、輸入牛はコスパの良さが魅力です。普段とは違う部位にチャレンジして、本格的な煮込み料理を作ってみてはいかがでしょうか。
