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春の野原に顔を出すつくし(土筆)は、見た目もかわいらしく、山菜として人気のある食材です。
でも「つくしって本当に食べても大丈夫?」「食中毒の危険はないの?」と気になる方も多いはず。
このページでは、つくしの安全な食べ方や下処理、注意すべき有毒成分について、調理師がわかりやすく解説します。

つくしの英語・漢字表記

- 「horsetail」は植物全体(スギナ類)を指すため、
「つくし=horsetail(の胞子茎部分)」という文脈で使われます。 - 欧米では食用文化があまりないため、「edible horsetail(食用のつくし)」や
「spring shoots of horsetail」などの補足表現を使うとより伝わりやすくなります。
土筆の旬~おいしい時期~
つくし
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】
つくしとは~解説~
つくし(土筆)は、春の訪れを感じさせる山菜のひとつで、全国の野原や河原に自生しています。実は、つくしは「スギナ」という植物の**胞子茎(ほうしけい)**で、春先にだけ地上に顔を出します。
🌿 節にある「袴(はかま)」が特徴
つくしの茎にはいくつかの節があり、その節ごとに「袴(はかま)」と呼ばれるギザギザの葉のようなものがついています。食用とする際には、この袴をひとつひとつ丁寧に取り除く**必要があります。
🗣 地域による呼び名の違い
地方によっては「つくづくし」「どひつ」「つくしんぼ」など、親しみを込めた呼び方で呼ばれることもあります。
※呼び方の違いからも、昔から春の風物詩として愛されてきたことがわかります。
🧂 食べるときはアク抜きを
つくしには強いアク(苦味・えぐみ)があるため、そのままでは食べられません。調理前に以下の手順でアクを抜きます。
▶ アク抜きの手順
- 袴をすべて取り除く
- 沸騰したお湯で1〜2分さっと茹でる
- すぐに冷水にとり、10分ほどさらす
その後は炒め物・おひたし・卵とじなど、さまざまな料理に使えます。
⚠ 食べすぎ注意|有毒成分について
つくしには、アルカロイド類などの微量な有毒成分が含まれているとされています。
日常的に食べる程度であれば問題はありませんが、一度に大量に食べると中毒症状を起こす可能性もあるため、食べる量には注意が必要です。
食中毒一覧はコチラ【最新版】食中毒の種類・症状・原因一覧|予防法も徹底解説
つくしの保存方法
▶ 1. 生のまま保存(冷蔵)
方法 | ポイント |
---|---|
袴を取らずにそのまま保存 | 乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙かキッチンペーパーに包む |
保存場所 | ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ |
保存期間 | 1~2日以内(非常に傷みやすいため) |
注意点 | 時間が経つとアクが強くなり、えぐみや苦味が増すため、できるだけ早く使いましょう |
▶ 2. 下処理後に保存(冷蔵 or 冷凍)
✅ アク抜き後の冷蔵保存
- アク抜き(茹で+水さらし)をした後、しっかり水気を切ってタッパーなどに入れる
- 保存期間:冷蔵で1〜2日以内
- 使用法:すぐにおひたし、卵とじ、炒め物などに
✅ アク抜き後の冷凍保存
- 水気をよく切ってから小分けにしてラップ包み → フリーザーバッグへ
- 保存期間:冷凍で2〜3週間程度
- 解凍時は:自然解凍 or 凍ったまま加熱調理がおすすめ(炒め物や汁物向け)
✅ 保存のポイントまとめ
状態 | 保存方法 | 保存期間 | 向いている料理 |
---|---|---|---|
生のまま | 冷蔵(湿らせて密封) | 1~2日 | アク抜きしてから使用 |
アク抜き後 | 冷蔵(タッパー) | 1〜2日 | おひたし・卵とじ |
アク抜き後 | 冷凍(ラップ&保存袋) | 2〜3週間 | 炒め物・煮物・汁物 |
つくしとよく合う食材
- 卵(卵とじ・炒め物) 卵のまろやかさが、苦味やえぐみをやさしく包み込みます。
- 油揚げ・厚揚げ つくしと油揚げの煮浸し、味噌汁の具に
- 鰹節・だし おひたしに鰹節を添えて
- 豚肉・鶏ひき肉 動物性のうま味が加わると、春野菜特有のクセが和らぎます
- 味噌・醤油・みりん つくしの甘辛煮、味噌炒め、佃煮風の常備菜に
つくしの栄養素(食品成分表)
可食部100g当たり
つくし(生)胞子茎
栄養素 | 茹で | 単位 |
---|---|---|
廃棄率 | 0 | % |
エネルギー | 28 | ㎉ |
水分 | 88.9 | g |
タンパク質 | 3.4 | g |
脂質 | 0.1 | g |
食物繊維(総量) | 6.7 | g |
炭水化物 | 6.7 | g |
ナトリウム | 4 | ㎎ |
カリウム | 340 | ㎎ |
カルシウム | 58 | ㎎ |
マグネシウム | 26 | ㎎ |
リン | 82 | ㎎ |
鉄 | 1.1 | ㎎ |
亜鉛 | 1.0 | ㎎ |
銅 | 0.16 | ㎎ |
マンガン | 0.18 | ㎎ |
ヨウ素 | – | ㎍ |
セレン | — | ㎍ |
クロム | – | ㎍ |
モリブデン | — | ㎍ |
ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
ビタミンA(β-カロテン) | 1100 | ㎍ |
ビタミンD | – | ㎍ |
ビタミンE(トコフェロールα) | 3.6 | ㎎ |
ビタミンK | 17 | ㎍ |
ビタミンB1 | – | ㎎ |
ビタミンB2 | 0.10 | ㎎ |
ナイアシン | 1.1 | ㎎ |
ビタミンB6 | 0.21 | ㎎ |
ビタミンB12 | – | ㎍ |
葉酸 | 74 | ㎍ |
パントテン酸 | 0.48 | ㎎ |
ビオチン | – | ㎍ |
ビタミンC | 15 | ㎎ |
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