しいら(鱪)の旬と食べ方|相性の良い食材・調理法・栄養素も解説

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しいらってどんな魚?
美味しい食べ方は?
旬の時期はいつ?

しいら(鱪)は、南の海で獲れる大型の回遊魚。体長1mを超えることもあり、ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれて人気があります。日本ではやや知名度が低いですが、実は淡白な白身で、フライやムニエルにすると絶品。この記事では、しいらの旬や特徴、目利きのポイント、食べ方や栄養素まで食材としての魅力を詳しく紹介します。

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しいらの旬(食べ頃の時期)

流通量の多い時期(流通の旬)
7〜9月ごろの夏 に最も多く獲れ、市場にも豊富に出回る時期です。東京中央卸売市場では、6月以降入荷が増え、ピークは8~9月。関東では11月頃まで漁が続くこともあります

味の旬(脂ののりを重視した時期)
秋〜冬。寒くなるほど脂がのり、刺身にも向くほどの濃厚な味わいになります

しいら

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

夏は手頃な価格でたくさん食べられる時期。でも、本当に脂がのって“とろけるような美味しさ”を味わいたいなら、産卵前や冬場を狙うと“当たり年”のような鮮度とコクに出会えることもあります。

しいらとは ~特徴と味わい~

しいら(鱪/英語名:Dolphinfish, Mahi-Mahi)は、世界中の温暖な海に分布する大型の回遊魚です。日本では南日本から本州太平洋側にかけて漁獲され、体長は1〜2mに達するものもあります。

特徴

  • 体は細長く、側扁しており、背は青緑色、体側は黄金色に輝くことから「黄金魚」とも呼ばれる
  • 頭が張り出した独特の形を持ち、特にオスは額が盛り上がっている
  • 成長が非常に早く、1年で1mを超える大型に育つこともある
  • 回遊性が強く、群れで行動し、漁では延縄や定置網で獲られる

味わい

海外(特にハワイ)では「Mahi-Mahi」として、グリルやステーキ風に調理されることが多い
淡白でクセの少ない白身魚。脂肪分が少なく、あっさりとした味
加熱しても硬くならず、ふっくらとした身質が特徴
刺身にするよりも、ムニエルやフライ、照り焼きなどの加熱調理に向いている

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しいらは“白身の鶏肉”みたいな存在。味にクセがないから和洋中どんな料理にも合います。脂が少ないので、ソースやタレで旨味を補うとごちそう感が出ますよ。

しいら(鱪)の地方名

日本各地には様々な地方名があります

マンサク(万作)(愛媛・島根・広島など中国地方)
シラ(秋田・富山)
マンビキ/マビキ(宮城・九州西部)
トウヒャク(十百)(神奈川・高知など)

しいらの目利き

臭いが生臭すぎない
新鮮なしいらは磯の香りがあり、嫌な臭みは少ない。

目が澄んでいる
新鮮な魚は目が透明で澄んでいる。白く濁っているものは鮮度が落ちているサイン。

体表の色合いが鮮やか
獲れたては青緑や黄金色の光沢があり、時間が経つと色が鈍くなる。

身に弾力がある
指で軽く押してみて、しっかり跳ね返るような弾力があるものが良い。

エラが鮮紅色
赤みの強いものが新鮮。茶色や黒ずんでいるものは避ける。

おかみさんの一言

しいらは白身だから、鮮度が落ちると身がパサつきやすいの。お店で選ぶときは“目の澄んだ子”“体の色がきれいな子”を探すのがコツよ。切り身なら、透明感のあるピンク色をしているかどうかをチェックしてね。

しいらと相性の良い食材

食材組み合わせの理由・使い方例
レモン
すだち
淡白な味を爽やかに引き立てる。ムニエルやソテーに添えて。
バターソテーやムニエルにするとコクが増し、クセのない身に合う。
味噌西京漬け風にすると旨味が加わり、和食向きに仕上がる。
生姜煮付けに使うと臭み消しになり、香味が淡白な身を引き立てる。
大葉揚げ物やソテーに合わせると爽やかな風味が加わる。
にんにくガーリックソテーやマリネにすると洋風にアレンジできる。
トマト酸味が身の甘みを引き立て、ソテーや煮込み料理に好相性。
醤油照り焼きにするとご飯のおかずにもなる万能な味付け。
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しいらはクセがないから、レモンやトマトでさっぱり、バターや味噌でこってり、と味のバリエーションがつけやすい魚です。食卓のメインにするときはソースや薬味で“味を足す”のがコツですよ。

しいらに合う調理法

調理法おすすめ度理由
ムニエル淡白な身にバターのコクが加わり、定番の美味しさ。
フライ衣が油をまとい、ジューシーで食べ応えが出る。
照り焼き甘辛いタレが身の淡白さを補い、ご飯が進む味に。
ソテーにんにくやハーブと炒めると洋風料理にアレンジできる。
煮付け身は柔らかく仕上がるが、淡白さが強く好みが分かれる。
刺身新鮮なら可能だが、クセがなく淡泊すぎて物足りないことも。
蒸し料理ポン酢や香味野菜を合わせるとヘルシーで上品な味わいに。
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しいらは加熱しても硬くならないのがいいところ。ムニエルやフライにすると子どもから大人まで食べやすいですよ。和食なら照り焼き、西京漬けにするのもおすすめです。

しいらの栄養素|食品成分表

しいら(生)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー100
水分75.5g
タンパク質21.3g
脂質1.9g
食物繊維(総量)g
炭水化物g
ナトリウム50
カリウム480
カルシウム13
マグネシウム31
リン250
0.7
亜鉛0.5
0.05
マンガン0.01
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)8
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD5.0
ビタミンE(トコフェロールα)0.5
ビタミンK
ビタミンB10.20
ビタミンB20.15
ナイアシン9.0
ビタミンB60.46
ビタミンB122.6
葉酸3
パントテン酸0.36
ビオチン
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

しいらの英語・漢字表記

  • 漢字表記:鱪
  • ひらがな表記:しいら
  • 英語表記
    Dolphinfish(ドルフィンフィッシュ)
    Mahi-Mahi(マヒマヒ/ハワイなどでの呼称)
  • 学名
    Coryphaena hippurus
  • 発音記号
    Dolphinfish → [ˈdɑːlfɪn fɪʃ](ドルフィン フィッシュ)
    Mahi-Mahi → [ˈmɑːhi ˈmɑːhi](マーヒ マーヒ)

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで 魚介類の漢字・英語表記一覧 をまとめています。

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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