モロヘイヤの栄養がすごい!旬・保存・調理法まで徹底解説【野菜の王様】

モロヘイヤの葉を手に取る|夏が旬の緑黄色野菜モロヘイヤ TOP
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「モロヘイヤって体にいいと聞くけど、実際どんな栄養があるの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事ではモロヘイヤの栄養成分・旬の時期・保存方法・ゆで方のコツまで、現役和食調理師がわかりやすく解説します。

モロヘイヤは「野菜の王様」とも呼ばれるほど栄養価が高く、カルシウム・鉄・βカロテン・食物繊維などをバランス良く含む優秀な緑黄色野菜です。
この記事を読めば、栄養を逃さない調理法や、毎日の食卓に取り入れるコツがきっと見つかります。

さらに、冷凍保存や粉末タイプの活用法など、忙しい人でも続けやすいヒントも紹介。
モロヘイヤの魅力を、今日からもっとおいしく・かしこく楽しみましょう。

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モロヘイヤとは?~特徴と「野菜の王様」と呼ばれる理由~

モロヘイヤは、エジプト原産のアオイ科(またはシナノキ科)に属する緑黄色野菜で正式名称を「シマツナソ(縞綱麻)」といいます。
日本では夏野菜のひとつとして親しまれ、6月~8月に旬を迎えます。細長い茎にギザギザのある葉が特徴で、刻むと強い粘りが出るのが最大の特徴です。

味はほんのりとした青菜の香りに加え、オクラや山芋のようなぬめりとコクがあり、味噌汁やおひたし、スープ、和え物など幅広い料理に使われます。


「野菜の王様」と呼ばれる理由

モロヘイヤは、古代エジプトで「王様の健康を支えた野菜」として知られ、アラビア語の「ムルーキーヤ(Mulūkhiyah/王家のもの)」が語源とされています。

その名のとおりβカロテン・カルシウム・鉄・葉酸・ビタミンCなどの栄養素を豊富に含むことから、現代でも“野菜の王様”と呼ばれるほどの栄養バランスを誇ります。

特にβカロテン量はほうれん草の約1.5倍、カルシウムは小松菜並みといわれ、
免疫力アップ・疲労回復・骨の健康維持など、日々の食生活にうれしい効果が期待できます。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

モロヘイヤは“刻んでから加熱”することで粘りがしっかり出ます。スープや味噌汁にすると自然なとろみがつき、少量でも満足感のある一品になります。

モロヘイヤの旬と選び方

モロヘイヤの旬は6月〜8月の夏
モロヘイヤの旬は6月〜8月の夏場です。6月は旬の始まり。7、8月と旬が続き9月ごろから徐々に出回らなくなる。
モロヘイヤは暑さに強い夏野菜で、真夏にぐんぐん成長します。
特に夏の日差しをたっぷり浴びたモロヘイヤは、葉がやわらかく、粘りが強く、栄養価も高いのが特徴です。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

モロヘイヤを選ぶポイント

おいしいモロヘイヤを選ぶときは、次の3つのポイントをチェックしましょう。

  1. 葉の色が濃くツヤがあるもの
    鮮度が高く、栄養価も維持されています。
  2. 葉先までピンとしているもの
    しおれた葉は鮮度が落ちています。袋内の水滴も要注意。
  3. 茎が太すぎないもの
    細めでやわらかい茎の方が、ゆでても筋っぽくなりません。

購入後はできるだけ早く調理するのが理想ですが、冷蔵や冷凍などの工夫で栄養を保つこともできます(保存方法は後述)。

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現役和食調理師のヒント

モロヘイヤは時間が経つとすぐに葉がしんなりします。買ってきたらその日のうちに下処理し、余った分はさっとゆでて冷凍保存がおすすめです。

モロヘイヤの栄養成分(100gあたり)

モロヘイヤは、野菜の中でもトップクラスの栄養バランスを誇ります。特にビタミン類・カルシウム・食物繊維が豊富で、「緑黄色野菜の王様」と呼ばれる理由がよくわかります。

モロヘイヤ100gあたりの栄養成分表(茹で・生)

栄養素茹で単位
廃棄率00%
エネルギー2436
水分91.386.1g
タンパク質3.04.8g
脂質0.40.5g
食物繊維(総量)3.55.9g
炭水化物4.06.3g
ナトリウム1
カリウム160530
カルシウム170260
マグネシウム2646
リン53110
0.61.0
亜鉛0.40.6
0.200.33
マンガン1.021.32
ヨウ素4
セレン1
クロム2
モリブデン15
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)660010000
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)3.46.5
ビタミンK450640
ビタミンB10.060.18
ビタミンB20.130.42
ナイアシン0.41.1
ビタミンB60.080.35
ビタミンB12
葉酸67250
パントテン酸0.701.83
ビオチン14.0
ビタミンC1165
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
  • βカロテン
    抗酸化作用をもつ栄養素として知られ、体内でビタミンAに変換されます。
    緑黄色野菜の中でも特に豊富に含まれています。
  • カルシウム
    骨や歯の健康維持に関わる栄養素。牛乳と同程度の量を含んでいます。
  • ビタミンC
    βカロテンや鉄と組み合わせると、より効率的に利用されるといわれています。
  • 食物繊維
    お通じのリズムを整える働きがあり、野菜の中でも比較的多く含まれます。

これらの栄養素をバランス良く含んでいるのがモロヘイヤの特長です。
特に夏場の食生活に取り入れると、健康的な食事づくりに役立ちます。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

栄養を活かす食べ方と調理の工夫

モロヘイヤのおすすめの調理法
モロヘイヤの味噌汁、おひたし、和え物

せっかく栄養豊富なモロヘイヤを食べるなら、できるだけ栄養素を失わずに摂取したいですよね。ここでは栄養をしっかり活かすための調理法のコツやおすすめ調理法をご紹介します。

加熱しすぎないのがポイント

モロヘイヤに含まれるビタミンB群やビタミンC、β-カロテンなどは水や熱にやや影響を受けやすい栄養素です。そのため、サッと短時間で加熱するのがポイント。

ゆでる場合:沸騰したお湯で約30秒〜1分が目安
電子レンジ加熱:レンジで加熱すると栄養が残りやすい
炒める場合:油を少量使うと風味が増し、脂溶性ビタミンも効率よく摂取しやすくなります

おすすめの調理法

おひたし
サッと茹でてかつお節としょうゆをかける。シンプルながら粘りと旨みが活きます。

味噌汁
刻んだモロヘイヤを仕上げに加えると、彩りととろみがプラス。

炒め物
油と炒めるとコクが出て、βカロテンなど脂溶性成分も摂りやすくなります。

ねばねば丼
納豆・オクラ・山芋などと合わせて、食感を楽しむ一品に。

相性の良い食材と組み合わせる

以下のような食材と一緒に調理すると、栄養の吸収率アップや食感・味のバランスが良くなります。

組み合わせ食材メリット
ごま
ごま油
香ばしさが加わり、油分で栄養を取り込みやすい料理に。
βカロテンなど脂溶性成分を含む食材と好相性。
納豆
オクラ
長芋
粘りのある食材同士で食感が豊かに。
豚肉
鶏ささみ
モロヘイヤのあっさり味とよく合い、食べごたえのある主菜に。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

ロヘイヤは短時間加熱が基本。油や卵などの食材と組み合わせることで、おいしさと栄養の両方を引き出せます。さまざまな料理に取り入れて、毎日の食卓で季節の恵みを楽しみましょう。

モロヘイヤの保存方法と注意点

ゆでて冷凍保存する前のモロヘイヤ
ゆでて水気を切り、小分け冷凍すると約1か月保存可能。

モロヘイヤは傷みやすい葉野菜のひとつです。保存方法を工夫することで栄養価と鮮度を長持ちさせることができます。

冷蔵保存(2~3日以内に使う場合)

  1. 濡らしたキッチンペーパーで全体を軽く包む
  2. ポリ袋または保存袋に入れ、軽く口を閉じる
  3. できるだけ立てた状態で野菜室へ(根元を下に)

冷蔵保存の目安は購入後2日以内
使う直前まで洗わずに保存すると、葉の傷みを抑えられます。

冷凍保存(長期保存したい場合)

モロヘイヤは冷凍しても風味や粘りを比較的保ちやすい野菜です。
下処理をしてから保存することで、約1か月ほどおいしく使えます。

保存手順

  1. 沸騰したお湯でサッと30秒ほど塩ゆで
  2. 冷水にとって冷まし、水気をよく切る
  3. 1回分ずつラップで包み、ジッパー付き保存袋へ
  4. 空気を抜いて冷凍庫で保存(約1か月が目安)

使用時は凍ったまま味噌汁や炒め物に投入OK
自然解凍は水っぽくなるため避けましょう。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

冷凍前に細かく刻んでおくと、解凍せずにそのまま料理に使えます。スープや和え物などに重宝します。

保存時の注意点

モロヘイヤの茎の下部にはアクや苦みがあるため、調理時は葉を中心に使うのがおすすめです。

野生のモロヘイヤ(家庭菜園など)には、未成熟な実や種子にストロファンチジンという毒性成分を含む場合があります。→ 市販の食用モロヘイヤを利用し、家庭栽培品は必ず安全性を確認しましょう。

市販のモロヘイヤ加工品

モロヘイヤ粉末を使ったジュース
モロヘイヤは粉末、青汁、サプリなどで販売しています

忙しい毎日でもモロヘイヤの栄養を取り入れたい方には、市販の粉末タイプや青汁、サプリメントなども選択肢のひとつです。
味噌汁やスムージーに加えるだけで、調理の手間をかけずに野菜を摂りやすくなるため、
「野菜不足を感じている」「食生活を整えたい」と考える方に人気があります。

モロヘイヤを使った食品の一例

商品タイプ特徴
モロヘイヤ粉末
味噌汁やスムージーに加えやすい
調理不要で便利
▶楽天で見る
▶Amazonで見る
モロヘイヤ青汁他の野菜とブレンドされたタイプ
味がマイルド
▶楽天で見る
モロヘイヤ配合サプリ旅行や外出先でも摂取しやすい
栄養補助の選択肢として
▶楽天あおつぶ

こんな方に選ばれています

  • 忙しくて野菜をなかなか調理できない
  • 栄養バランスを意識したいけど、続けやすさも大事
  • 手軽に緑黄色野菜を摂りたい

モロヘイヤは「健康によい野菜」というイメージが強いですが、あくまで栄養補助食品として上手に取り入れることが大切です。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

粉末タイプのモロヘイヤは、お湯に溶かして味噌汁に入れたり、納豆に少量混ぜても風味が引き立ちます。無理なく続けられる使い方を見つけましょう。」

モロヘイヤの漢字・英語表記

Jew’s mallowの英語カード|モロヘイヤの英語表記
モロヘイヤは英語で「Jew’s mallow」、学名はCorchorus olitorius。

モロヘイヤはアラビア語で「王様だけの食べ物(Mulukhiya)」という意味を持ち、「王様の野菜」とも呼ばれるほど栄養価が高い緑黄色野菜です。

その語源のとおり、古代エジプトでは王族の健康食として親しまれていたと伝えられています。粘りのある食感と青々とした風味が特徴で、現在では中東から東南アジア、アフリカ、日本まで広く栽培・利用されています。

分類表記
漢字表記綿綿麻(モロヘイヤ)
台湾綿麻
縞綱麻
英語表記Jew’s mallow
Nalta jute
Mulukhiya
学名Corchorus olitorius

他の野菜や果物の漢字・英語表記も気になる方は、こちらの一覧表もあわせてご覧ください。▶ 【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

料理名として“Mulukhiya”と表記する国もあります。日本語でも“モロヘイヤスープ”として売られていることがあり、国際的に通じる言葉なんですよ。

まとめ|モロヘイヤを楽しむポイント

モロヘイヤを楽しむポイント
まとめ モロヘイヤをおいしく楽しももう

モロヘイヤは、カルシウムやビタミン、食物繊維などが豊富に含まれた緑黄色野菜で、「野菜の王様」と呼ばれるのも納得の栄養価を持っています。

特に夏の旬の時期に食べると、やわらかく風味も良く、栄養価もピークになります。

調理法や保存方法を少し工夫することで、毎日の食事に手軽に取り入れることができる食材です。

粉末や青汁、サプリメントなどの市販商品を活用すれば、忙しいときでも無理なく栄養補助ができます。

モロヘイヤはこんな方におすすめ

  • 野菜不足を感じている方
  • 栄養バランスを意識している方
  • 手軽に健康的な食材を取り入れたい方
  • 季節の食材を上手に楽しみたい方
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

モロヘイヤは、味噌汁・おひたし・炒め物など、どんな料理にも合わせやすい万能野菜。旬の夏はもちろん、冷凍や粉末を使えば一年中楽しめます。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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