ポストコーヒーの定期便、2023年11月のラインナップは「深煎りのおいしさ」をじっくり楽しめる3種類でした。ミルクチョコレートやナッツの香ばしさ、スパイスの柔らかな余韻など、冬に近づく季節にぴったりの味わいが揃っています。
チョコレートや焼き菓子に合わせたい人、カフェオレでまろやかに飲みたい人、ゆったりしたい夜の一杯を探している人にもおすすめのセットです。現役調理師としての視点から、今月の3種類をわかりやすくレビューしていきます。▶ ポストコーヒーをやめなかった理由はこちら
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今月届いた豆のラインナップ

ブラジル ファゼンダ ウム
ニカラグア リモンシリョ
ウィンターブレンド ブラウニーブラウニー
※ 詳細レビューは後述
個別レビュー
ブラジル ファゼンダ ウム

焙煎度:中煎り
産地:ブラジル
フレーバー&香り
ミルクチョコレートのようなリッチな甘さに、ローストアーモンドの香ばしさ、さらに中盤にはほのかなフローラル感。後味にはチェリーやぶどうを思わせるフルーティーなニュアンスがほんのり残り、香りの変化が楽しめます。
味の方向性
酸味・甘み・苦味のバランスが非常に良く、最初は爽やか、後からほろ苦さとコクが穏やかに広がるタイプ。浅煎りのように見える豆でも、挽くと程よい深みがあり、すっきりしつつも満足感のある味わいです。「複数の味が順番に主張してくる」と表現されるような豊かな構成が特徴。
この豆が合う人
ナッツ系やチョコ系の甘さが好きな人
ミルクとも相性が良いため、カフェオレ派の人
すっきり系の中に “ほのかな深み” が欲しい人
酸味・甘味・苦味のバランス型を求める人
シンプルすぎず、複雑すぎない味を楽しみたい人
ニカラグア リモンシリョ

焙煎度:深煎り
産地:ニカラグア
フレーバー&香り
スモモやアプリコットのようなジューシーな果実味に、クローブやジンジャーを思わせるスパイスの香りが重なる複雑なフレーバー。スパイスの効いたチョコレートクッキーのような甘い香りもあり、落ち着きのあるリッチな印象です。
味の方向性
酸味・甘み・苦味のバランスがよく、中性的で飲みやすいタイプ。程よい酸味が軽さを支えながら、しっかりとしたコクと余韻の甘さがじんわりと広がります。重すぎず軽すぎず、万人受けしやすい味わいですが、連続で飲むと「やや重い」と感じる人も。
この豆が合う人
スパイス系の甘さ(チョコ+スパイス)が好きな人
カフェオレ・チョコレートとのペアリングを楽しみたい人
酸味が苦手で、柔らかい飲み口が好みの人
リラックスタイムにゆっくり味わいたい人
味に深みは欲しいけれど、クセは避けたい人
ウィンターブレンド ブラウニーブラウニー

焙煎度:深煎り
産地:エチオピア
フレーバー&香り
ハイカカオチョコレートのほろ苦さをベースに、くるみ・アーモンドのような香ばしさが立つ冬らしい香り。シナモンやカルダモンを思わせるスパイス感と、ほんのりフローラルな余韻もあり、焼き菓子を連想させるリッチで温かみのあるフレーバーです。
味の方向性
深煎りらしいコクと苦味を持ちながら、甘みと香ばしさのバランスが非常に良いブレンド。酸味はほぼなく、ブラックで飲んでも重くなりすぎず飲みやすい冬向けの味わい。ホットでもアイスでも香りがよく、スパイスやチョコのニュアンスがじんわり広がるタイプです。
この豆が合う人
苦味主体の深煎りが好きな人
焼き菓子、チョコレート、ホットケーキと一緒に飲みたい人
冬の朝に温まる一杯を求めている人
ブラックでしっかり香りと余韻を楽しみたい人
酸味が苦手な人
デザートペアリングが好きな人
今月のまとめ
11月は「深煎りの心地よさ」と「冬の甘み」がテーマのラインナップでした。
3つとも チョコレート・焼き菓子・ミルク との相性が抜群で、寒い季節にぴったりの味わい。
- ブラジル ファゼンダ ウム
ミルクチョコや柑橘の奥行きを楽しめる“バランス型”。 - ニカラグア リモンシリョ
スモモやスパイスの複雑さが印象的で、リラックスしたい時に最適。 - ウィンターブレンド ブラウニーブラウニー
一番冬らしく、焼き菓子との相性が抜群の“ほろ苦&甘香ばしさ”。
総じて、深煎り好き・スイーツペアリング派・寒い時期にあたたかい一杯を楽しみたい人にとって満足感の高い月でした。
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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