すし飯|プロが教える“よくわかるレシピ”

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酢の香りとほんのりした甘みが絶妙な「すし飯」。
寿司の味を決めるのは、このご飯の仕上がり次第といっても過言ではありません。

家庭で作ると「酸っぱすぎる」「味がバラつく」「ベタつく」などの失敗も多いもの。
その原因は、温度と混ぜ方、そして酢の合わせ方にあります。

この記事では、現役和食調理師がプロの寿司飯の黄金比と混ぜ方の合図を丁寧に解説。
「ご飯が立つ」理想のすし飯を、誰でも再現できるように仕上げます。


よくある失敗と原因

  • 酢の量が多くて酸っぱい
  • ご飯を混ぜすぎてベタつく
  • 味にムラが出る(部分的に濃い・薄い)
  • ご飯が冷えすぎてなじまない
  • 保存中に乾燥して固くなる

材料(ご飯一升分)

材料分量役割
一升(約10合)主材料。水加減が味を左右する
砂糖170cc酢の角をとり、まろやかさを出す
50g味の締まりと全体の調和
穀物酢200cc酸味と香りの要。寿司酢のベース

詳しいすし酢の作り方は▶寿司酢(すしず)|プロが教える“よくわかるレシピ”


下処理


  • 通常通り洗米し、水加減は1割少なめにして炊く
    → 酢を加えることで水分が増すため、少なめがちょうど良い。
    → 季節や湿度によって微調整(梅雨時はさらに控えめに)。

作り方(よくわかるレシピ)

① 寿司酢を作る(中火)

鍋に砂糖・塩・酢を入れ、中火で温める。
合図:鍋底に砂糖の粒が見えなくなったらOK。
※沸騰させないこと。酢が飛んで風味が落ちる。
火を止めて自然に冷ます。


② ご飯と合わせる(熱いうちに)

炊きたてのご飯を木の飯台(桶)に移す。
寿司酢を全体に回しかけ、しゃもじで切るように素早く混ぜる。

合図:しゃもじを立ててスッと通るくらいの粘り具合。
混ぜすぎると粘りが出るので、軽く上下を返しながら冷ます。

うちわで風を当てると照りとツヤが出る。
(途中でご飯を裏返し、まんべんなく冷ますのがポイント)


③ 保存する

仕上がったら濡れ布巾をかけて乾燥を防ぐ。
時間が経つと酸味が落ち着き、まろやかな味になる。


失敗しない3つのコツ

  1. ご飯は炊きたてで混ぜる(温度が高いほど酢がよくなじむ)
  2. 寿司酢は必ず冷まして使う(熱いままだと香りが飛ぶ)
  3. しゃもじで切るように混ぜる(練らない・押さえない)

保存方法

  • 常温:3〜4時間以内(濡れ布巾をかけて乾燥防止)
  • 冷蔵:風味が落ちるため基本NG(酸味と硬さが出る)
  • 冷凍:非推奨(食感が劣化)

※作り置きは避け、使う直前に仕込むのが理想。


相性の良い料理・献立

  • 握り寿司(まぐろ・いか・えびなど)
  • ちらし寿司(季節の具材をのせて華やかに)
  • 巻き寿司(酢飯が締まるので崩れにくい)

旬と豆知識

酢飯に使う「赤酢」や「米酢」は季節の魚との相性で使い分けるのが通。
春の白身魚にはまろやかな米酢、秋の脂のある魚にはコクのある赤酢が合う。


現役和食調理師のひと言

すし飯は「炊き方3割、合わせ方7割」。
酢を入れる瞬間の温度と手早さで味が決まります。
酢の立ち方、照り、香り――これを極めると、どんな寿司も格が上がります。
季節や魚に合わせて“自分の酢加減”を見つけてください。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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