落花生(らっかせい)の旬・栄養・保存法|和食で活かす活用術も紹介

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落花生の旬 (おいしい時期)

らっかせい

生落花生の旬(掘りたて・茹で用)

国産の生落花生(なまらっかせい)の旬は9月中旬〜11月初旬ごろです。
とくに千葉県や茨城県など関東地方の温暖な地域では、9月から収穫が始まり、「茹で落花生」として直売所や産直通販などで人気があります。

掘りたての生落花生は、加熱調理することで甘みや風味が引き立ち、乾燥タイプとは違ったおいしさが楽しめます。


乾燥落花生の旬と流通

乾燥させた落花生(いり落花生・殻付きタイプなど)は10月下旬~翌年3月頃までが出回りのピークです。
保存性が高いため、年間を通して流通していますが、新豆(収穫年のもの)として市場に出回るのは秋から冬にかけてです。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

旬の生落花生は、茹でたてでそのまま食べるのが最も美味。
ほんのり塩味をつけて、前菜や箸休め、炊き込みご飯の具材としても活躍します。

落花生とは?~解説~

落花生(らっかせい)とは、マメ科ラッカセイ属の一年草植物で、種子(実)を食用とする作物です。英語では「Peanut(ピーナッツ)」と呼ばれ、日本では炒り落花生やピーナッツ味噌、おつまみなどで親しまれています。


📌 名前の由来:「花が落ちて生まれる豆」

「落花生」という名前は、花が咲いたあとに地面に向かって茎(子房柄)が伸び、土の中で実をつけるという、他の豆類にはない特徴からつけられました。
この特徴から、「落花生」は“地中で実る珍しい豆”としても知られています。


🫘 豆?ナッツ?分類のちがい

観点落花生(ピーナッツ)アーモンドなどのナッツ類
植物分類マメ科(豆類)バラ科・クルミ科など
実のつき方地中で育つ樹木に実る
栄養の特徴高たんぱく・高脂質不飽和脂肪酸が豊富

分類上は「豆類」に属しますが、脂質が多くナッツのような食感があるため、「ナッツ」として扱われることも多く、スナック菓子や料理素材として重宝されています。

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現役和食調理師のヒント

落花生は、炒る・煮る・すりつぶすなど調理法を変えることで、和食の中でもさまざまな役割を果たします。
とくに「ピーナッツ味噌」や「落花生和え」などは、コクと香ばしさを活かした定番のお惣菜です。

落花生と相性の良い食材・料理

落花生は香ばしい風味とコク、自然な甘みが特徴で、和・洋・中どの料理にもアレンジ可能です。特に以下のような食材と相性がよく、食感や味わいのバランスを引き立ててくれます


相性の良い食材一覧

相性の良い食材特徴・使い方
黒糖
味噌
砂糖
はちみつ
ピーナッツ味噌、甘煮、和菓子の素材に◎
ほうれん草
小松菜
春菊
にんじん
ピーナッツ和えにするとコクと香りがUP
しいたけ
しめじ
エリンギ
食感の違いを楽しめる炒め物や和え物に
さつまいも
里芋
大豆
栄養価の相乗効果、素朴な煮物にも◎
鶏むね肉
豚肉(特に炒め物)
ピーナッツソースでアジアン風に
生姜
にんにく
ごま
醤油
風味の相乗効果で調味ベースに使える

和食での活用例(和風ピーナッツ料理)

  1. ピーナッツ味噌(和え物や田楽に)
     → 味噌+砂糖+すり落花生で手軽にできる甘味噌だれ。
  2. ほうれん草のピーナッツ和え
     → ごま和えの代わりに香ばしさと甘みを加える一品。
  3. ピーナッツ炊き込みご飯
     → 塩茹で落花生をそのまま使って季節のご飯に。
  4. 落花生ときのこの炒め煮
     → 和風だし・醤油・みりんで煮込むと酒の肴にも◎
  5. おやつや箸休めに「ゆで落花生」
     → シンプルな塩味が活きる一品。夏の前菜にも好相性。
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現役和食調理師のヒント

落花生はすりつぶすことで「練りごま」のような調味料的役割も果たします。ごま和えの代用だけでなく、「白和え」のアレンジや「田楽みそ」にもおすすめです。

落花生の保存方法

落花生は「生」「ゆで」「乾燥(炒り)」の状態によって保存方法が異なります。
それぞれの特性に応じた保存を行うことで、風味と食感を長く保つことができます。


◆ 生落花生の保存方法

方法保存期間ポイント
冷蔵保存2~3日新聞紙に包み、ポリ袋に入れて野菜室へ。なるべく早く加熱調理するのが◎
冷凍保存約1ヶ月洗って水気を拭き、ジッパー袋に入れて冷凍。調理前に冷凍が基本

⚠️ 生のまま長期保存するとカビや劣化の原因になるため、すぐに茹でるか冷凍保存がおすすめです。


◆ ゆで落花生の保存方法

方法保存期間ポイント
冷蔵保存1~2日粗熱をとり、保存容器に入れて冷蔵庫へ。早めに食べきるのが基本
冷凍保存約2~3週間1回分ずつラップして冷凍。自然解凍または電子レンジで解凍可能

🧂 茹でる際に塩味を付けておくと、解凍後でも美味しくいただけます。


◆ 乾燥落花生(殻付き・むき実)の保存方法

方法保存期間ポイント
常温保存約1~2ヶ月直射日光・高温多湿を避け、風通しのよい冷暗所へ。密閉容器がおすすめ
冷蔵保存約2~3ヶ月湿気が少ない冷蔵庫での保存が理想。開封後は袋ごと密封を

※殻付きのほうが風味が落ちにくく、酸化しにくいです。

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現役和食調理師のヒント

家庭ではゆで落花生を小分け冷凍しておくと便利。お浸しや和え物、炊き込みご飯の具にも手軽に使えます。乾燥落花生は湿気と酸化が大敵なので、保存袋や瓶に乾燥剤を入れるとさらに安心です。

落花生の主な品種と特徴

日本で栽培される落花生には、風味・粒の大きさ・加工適性などに違いのある複数の品種があります。特に千葉県産の品種は品質が高く、全国的にも評価が高いことで知られています。


◆ 代表的な国産品種

品種名特徴主な用途・向き
千葉半立
(ちばはんだち)
実が小ぶりで甘みと香りが強く、最高級品とされる煎り落花生、贈答用、家庭用として人気
ナカテユタカ粒が大きくてややあっさりした風味。収穫量が多く栽培しやすいピーナッツ味噌、加工用、業務用向き
郷の香
(さとのか)
早生種。風味のバランスが良く、加工適性も高いバター加工、菓子原料に向く
おおまさり通常の2倍ほどの大きさで、茹で落花生に最適生食(塩茹で)、旬の味覚として人気
中手豊
(なかてゆたか)
安定した収量と品質。全国的に普及加工食品、炒り豆などに

◆ 特徴別のおすすめ用途

  • 香ばしさ・味の濃さを重視 → 千葉半立
  • 塩ゆででホクホク感を楽しむ → おおまさり
  • 家庭で加工(ピーナッツ味噌など)に使いたい → ナカテユタカ・郷の香

落花生の栄養素 ~食品成分表~

らっかせい(煎り)
可食部100g当たり

栄養素小粒種大粒種単位
廃棄率3030%
エネルギー607613
水分2.11.7g
タンパク質26.525.0g
脂質49.449.6g
食物繊維(総量)7.211.4g
炭水化物19.621.3g
ナトリウム22
カリウム770760
カルシウム5050
マグネシウム200200
リン390390
1.71.7
亜鉛3.03.0
0.690.69
マンガン2.15
ヨウ素1
セレン2
クロム
モリブデン96
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)5
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)11.010.0
ビタミンK
ビタミンB10.230.24
ビタミンB20.100.12
ナイアシン17.023.0
ビタミンB60.460.46
ビタミンB12
葉酸5758
パントテン酸2.192.20
ビオチン110.0
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

落花生は「香りで勝負する高エネ・高栄養のアクセント素材」。大粒は食物繊維&ナイアシン推し小粒はビタミンEで酸化対策少量でも存在感を出せるので、和え物・タレ・振りかけで“使い得”です。

落花生の英語・漢字表記

落花生(らっかせい)」という漢字は、文字通り「花が落ちて生まれる」ことに由来します。
落花生は、受粉後に花が地面に向かって伸び、土中で実をつける特殊な植物で、その特徴からこの漢字がつけられました。


🌍 英語「Peanut」の意味と使い分け

英語では「Peanut(ピーナッツ)」と呼ばれています。
ただし、以下のような使い分けがある点に注意が必要です。

表記意味・使い方
Peanut一般的な呼び名。食品名としても広く使用される。
Raw peanut生の落花生。加熱調理用に使われる表現。
Roasted peanut焙煎(いり)落花生。スナック用や料理用に使う。
Boiled peanutゆで落花生。アメリカ南部や中国でも食べられる。

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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