馬鈴薯って何?じゃがいもなの?調理師25年の私がスッキリ解決します

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「馬鈴薯(ばれいしょ)って、じゃがいもと何が違うの?」

そう思って検索したあなた、お疲れ様です。

結論からズバッと言っちゃうと、馬鈴薯はじゃがいもです。全く同じものです。

でも、調理師として25年現場に立ってきた私の視点からすると、この2つの呼び名にはちょっとした「使い分けの美学」というか、現場ならではの空気感の違いがあるんですよね。

この記事では、馬鈴薯という言葉の由来や意味はもちろん、プロの私が普段どう呼び分けているのか、さらにはスーパーで「本当に旨いじゃがいも」を見分けるコツまで、本音で解説します。

辞書には載っていない「調理師の知恵」を、少しだけ覗いてみませんか?

この項目では、読者が一番気になっている**「結局、何が違うの?」**という疑問に答えつつ、プロの厨房で25年過ごしてきた岡田さんだからこそ知っている「現場の空気感」を伝えます。

辞書的な説明はサッと済ませ、**「プロはこう使い分けている」**という実体験をメインに構成するのがポイントです。


馬鈴薯(ばれいしょ)とじゃがいもの違い!調理師25年の私が教える「呼び名」の正体

正直に言います。植物学的には「馬鈴薯=じゃがいも」であり、中身は全く同じものです。

「なんだ、やっぱり同じなのか」とガッカリしないでくださいね。ここからが調理師として25年、数えきれないほどのじゃがいもを剥いてきた私の「本音」の話です。

同じものなのに、なぜわざわざ「馬鈴薯」なんて小難しい名前が残っているのか。そこにはプロの現場ならではの理由があります。

「市場」や「伝票」の世界では馬鈴薯が公用語

私たち調理師が毎日目にする段ボールや仕入れ伝票には、ほぼ100%の確率で「馬鈴薯」と書かれています。

市場の箱
「北海道産 馬鈴薯」

納品伝票
「馬鈴薯 10kg」

プロの流通の世界では、じゃがいもは「馬鈴薯」というカッチリした名前で呼ばれるのが当たり前なんです。逆に「じゃがいも」と書いてあると、少し家庭的な、柔らかい印象を受けます。

「お品書き」で使い分けるプロの演出

ここが調理師の腕の見せどころです。お品書き(メニュー)を書くとき、私たちは料理の「格」に合わせて名前を使い分けます。

じゃがいも
ポテトサラダ、肉じゃが、コロッケ(家庭の味、安心感)

馬鈴薯
馬鈴薯の摺り流し、馬鈴薯の饅頭(料亭のような高級感、格式)

「馬鈴薯」と書くだけで、不思議と料理に高級感が出て、お客様も「お、今日はちょっといいものを食べるぞ」と背筋を伸ばしてくださいます。


調理師25年の私が思う「呼び名の正体」

結局のところ、馬鈴薯とは「じゃがいもが正装した姿」だと私は考えています。

普段は親しみやすい「じゃがいも」だけど、市場に出るときや、ちょっといいお店のメニューに載るときは「馬鈴薯」という名前のスーツを着る。そう考えると、なんだか愛着が湧いてきませんか?

馬鈴薯(じゃがいも)とは?~特徴・名前の由来~

馬鈴薯 じゃがいも(Potato)
馬鈴薯 じゃがいも(Potato)

じゃがいもは、ナス科ナス属の根菜で、地下にできる「いも(塊茎)」を食用にする野菜です。
日本では広く栽培されており、家庭料理から加工食品まで、さまざまな料理に使われています。

名前の由来

  • 漢字表記は「馬鈴薯(ばれいしょ)」
     →「馬鈴(ばれい)」とは、馬の首につける鈴のこと。
     → その形が似ていることから「馬鈴薯=馬の鈴のような芋」と呼ばれるようになりました。
  • 「じゃがいも」という呼び名は、江戸時代にジャカルタ(当時ジャガタラ)経由で伝わったことに由来します。
     →「ジャガタライモ(ジャガイモ)」が語源とされ、親しまれるようになりました。

特徴

  • ホクホクとした食感と淡白な味わいが特徴。
  • 加熱調理によって甘みと風味が増し、煮崩れ・粘りなど品種ごとの違いも楽しめます。
  • 保存性が高く、通年手に入る便利な食材。

じゃがいもの旬~おいしい時期とカレンダー~

このカレンダーは全国の目安です。じゃがいもは産地によって収穫時期が前後するので、地域別の旬カレンダーもあわせて確認すると失敗しにくいです(この下にまとめています)。

(北海道)じゃがいもの旬は9月から10月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

(関東)じゃがいもの旬は6月から7月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

(関西)じゃがいもの旬は5月から6月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

(九州)じゃがいもの旬は2月から3月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

新じゃがいも旬は3月から6月ごろ

旬カレンダー(1月〜12月)※色が付いている月が旬の目安です。

旬の食材は、買い物で選びやすいのが助かります。3月が旬の野菜と果実をまとめて確認したい方は、一覧表を用意しています▶3月|旬の野菜と果実|一覧表【保存版】


相性の良い食材・食べ合わせ

じゃがいもはクセがなく、さまざまな食材と合わせやすい万能野菜です。
調理方法によって、風味や食感の相乗効果を楽しめます。

定番の相性の良い食材

  • バター × じゃがいも
     → 濃厚なコクが加わり、じゃがバター・グラタンに最適。
  • チーズ(ピザ用・とろける・パルメザン)
     → じゃがいもの甘みと塩気のバランスが◎。焼き料理におすすめ。
  • ベーコン・ソーセージ・ウインナー
     → 脂のうまみと塩気でじゃがいもの味が引き立つ。
  • 玉ねぎ・人参
     → カレーや肉じゃがなど、煮物・炒め物の基本の組み合わせ。
  • 牛乳・生クリーム
     → ポタージュやクリームシチューでクリーミーな仕上がりに。
  • ひき肉(合い挽き・豚・牛)
     → コロッケやミートグラタンに。ボリュームアップ食材。
  • ハーブ(ローズマリー・タイム)・にんにく
     → ローストポテトなど洋風メニューと相性抜群。
  • 鮭・たらなどの白身魚
     → クリーム煮やグラタンに。あっさり&こってりの好バランス。

じゃがいもの保存方法|常温・冷蔵・冷凍のコツ

じゃがいもは保存しやすい野菜ですが、保存場所や方法を間違えると品質が低下してしまうことも。
ここでは「常温・冷蔵・冷凍」それぞれの保存方法をわかりやすく紹介します。


常温保存(おすすめ)

  • 保存期間:約1〜2か月(適切な環境で)
  • 保存場所:風通しが良く、直射日光の当たらない冷暗所
  • ポイント
    新聞紙や紙袋に包んで呼吸を妨げないように
    じゃがいも同士が重ならないように並べる
    りんごを一緒に入れると発芽抑制(エチレン効果)
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

光に当たると芽が出やすくなり、ソラニン(毒素)を含む緑化が起きるので、必ず光の当たらない場所で保存しましょう


冷蔵保存

  • 保存期間:1週間程度
  • デメリット:低温障害で甘くなったり、食感が悪くなる
  • やむを得ず冷蔵する場合
     - 使いかけやカットしたもののみ(密閉容器+水を張る)
     - 3日以内を目安に使い切る

冷凍保存(加熱後ならOK)

  • 保存方法:加熱してから冷凍(生のままはNG)
  • おすすめ料理:マッシュポテト・コロッケ・ポタージュ
  • 手順
     1. 茹でる or レンジで加熱
     2. 粗熱をとって潰す(または小さく切る)
     3. ラップに包んで冷凍保存(保存袋も可)

じゃがいもの主な品種

  • 男爵
  • メークイン
  • キタアカリ
  • インカのめざめ
  • 北海こがね
  • ヒカル
  • はるか
  • マチルダ

じゃがいもの毒素(ソラニン)と注意点

じゃがいもには、天然の毒素である「ソラニン」や「チャコニン」と呼ばれる物質が含まれることがあります。過剰に摂取すると、吐き気・腹痛・めまいなどの症状を引き起こすことがあります。

ソラニンはどこに多い?

  • 芽(発芽部分)
  • 緑色になった皮(光に当たって変色した部分)
  • 収穫後、日光や蛍光灯にさらされたもの

食べるときの注意点

  • 芽は深くえぐるように取り除く
  • 皮が緑色に変色している部分は厚めにカット
  • 保存時は直射日光・蛍光灯を避けて暗所に保管

子ども・高齢者は特に注意

少量でも体の小さな子どもや高齢者では症状が出やすくなるため、芽や緑色の皮はしっかり取り除きましょう。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

加熱してもソラニンは完全には分解されません。必ず取り除いてから調理しましょう。


じゃがいもの栄養素~食品成分表~

じゃがいも 塊茎 皮なし
可食部100g当たり

栄養素蒸し水煮単位
廃棄率50%
エネルギー7671
水分78.880.6g
タンパク質1.91.7g
脂質0.30.1g
食物繊維(総量)3.53.1g
炭水化物18.116.9g
ナトリウム11
カリウム420340
カルシウム54
マグネシウム2416
リン3832
0.60.6
亜鉛0.30.2
0.080.10
マンガン0.120.10
ヨウ素
セレン
クロム12
モリブデン43
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)1
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.10.1
ビタミンK
ビタミンB10.080.07
ビタミンB20.030.03
ナイアシン1.01.0
ビタミンB60.220.18
ビタミンB12
葉酸2118
パントテン酸0.500.41
ビオチン0.40.3
ビタミンC1118
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

じゃがいもは食物繊維・カリウム・ビタミンC/B6がポイント。蒸す=栄養保持、茹でる=口当たり軽めと使い分け、冷まし活用でヘルシーに。

じゃがいもの英語・漢字表記と発音

  • 「じゃがいも」の漢字は馬鈴薯(ばれいしょ)
     → 馬の首にかける鈴(馬鈴)に似た形から名づけられました。
  • 英語ではpotato(ポテト)。世界中で通じる単語です。
  • 複数形は potatoes(ポテイトウズ) になります。
  • 主にアメリカ英語 / イギリス英語で発音の違いがありますが、どちらも広く理解されています。
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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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