まろやかな甘味と酸味のバランスが絶妙な「酢味噌」。
菜花や蛍烏賊、こんにゃくなど、春から夏にかけての和え物に欠かせない万能だれです。
「甘すぎる」「酸っぱすぎる」
と味が決まらない人も、黄金比を守れば失敗知らず。卵黄を加えることで、プロのような艶とコクのある酢味噌に仕上がります。
味が決まらない原因
- 酢を入れるタイミングが早く、酸味が立ちすぎる
- 火加減が強く、味噌が焦げて苦味が出る
- 練り不足・練りすぎで、硬さが安定しない
黄金比|2つの選べる比率

| 種類 | 比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 万人向け黄金比 | 薄口醤油 0.5 砂糖 1 みりん 6 白味噌 6 酢 3 | 甘味と酸味のバランスが良く、誰でも食べやすい味 |
| プロ寄り黄金比 | 薄口醤油 0.5 砂糖 0.8 みりん 5 白味噌 6 酢 3.5 | 酸味をやや立たせ、料理全体を引き締める味わい |
その理由:
酢味噌は味噌と甘味の“練り”でまろやかさを作り、
最後に加える酢で“締める”のがポイント。
酸味の立ち方は、酢の量より加える温度で決まります。
材料
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 白味噌 | 60cc | 酢味噌のベース。甘味とコクを担う |
| みりん | 60cc | 甘味と照りを出す。味を丸くまとめる |
| 砂糖 | 10g | 酸味の角を取る。まろやかさを強調 |
| 穀物酢 | 30cc | 酸味を加え、後味を引き締める |
| 薄口醤油 | 5g | 味を引き締め、旨味を補う |
| 卵黄 | 1個 | 艶とコクを加える。火入れでまろやかさが増す |
| 出汁 | 適量 | 硬さ調整用。のばして使う |
作り方(よくわかるレシピ)

1️⃣ 味噌と砂糖を練る
鍋に白味噌と砂糖を入れ、弱火にかける。
みりんを少しずつ加えながら練り上げる。
焦げないように木べらで絶えず混ぜること。
→ 艶が出て“とろみ”がついたら次の工程へ。
2️⃣ 卵黄を加える
火を止め、卵黄を加える。
余熱で全体がなめらかになるまでよく混ぜる。
※この工程で一気にプロの艶とコクが生まれる。
3️⃣ 酢を加える
完全に火を止めてから酢を加え、よく混ぜる。
お好みで辛子を加えれば「からし酢味噌」に。
4️⃣ 冷ます・保存する
粗熱を取り、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存。
使用時に硬ければ出汁で少しのばす。

現役和食調理師のヒント
艶があり、すくうと“ゆっくり落ちる”程度のとろみが理想。
失敗しない3つのコツ
- 酢は必ず火を止めてから加える(酸味を残すため)
- 焦げ防止に木べらを離さない
- 硬さは出汁で調整(冷めると締まるため、やや緩めが◎)
使い道

| 相性の良い料理 | 用途例 |
|---|---|
| 菜花の酢味噌和え | 春の定番。菜花の苦味と相性抜群 |
| 蛍烏賊の酢味噌 | 酸味が旨味を引き立てる |
| 刺身こんにゃく | さっぱりとした前菜に |
| 茹で蛸 | 酸味と旨味で風味アップ |
| 鱧・烏賊 | 上品な一皿に格上げ |
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保存方法
| 状態 | 期間 | 方法 |
|---|---|---|
| 冷蔵保存 | 約5日 | 清潔な容器に入れ密閉。使用時は清潔なスプーンを使用 |
| 冷凍保存 | 約3週間 | 小分け冷凍可。自然解凍で使用(再加熱不要) |

現役和食調理師のヒント
火を入れた酢味噌は風味が落ちやすいので、できるだけ早めに使い切りましょう。
応用・アレンジ
- からし酢味噌: 酢を加えるタイミングで辛子を少量加える
- 柚子酢味噌: 酢の一部を柚子酢に替えると香り高く上品に
- 白ごま入り酢味噌: コクと香ばしさが増し、茹で野菜に最適
- 練り胡麻プラス: 生野菜や白身魚に合うまろやか味に
現役和食調理師のひと言
酢味噌の最大のコツは「練り」と「タイミング」。
焦げない火加減でじっくり練り上げ、酢は最後に。
この順番を守るだけで、酸味・甘味・旨味が見事に調和します。
特に春の和え物には欠かせない、“料理を格上げする調味だれ”です。
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