「30代・40代になってから、食事や健康が気になるようになった…」
そんな声をよく聞きます。
この年代は仕事や家庭で多忙な日々を送りながらも、健康への意識が高まる時期。
体型や体力の変化を感じはじめる方も多く、栄養バランスの見直しが重要になります。
このページでは、厚生労働省が発表した2025年版の「日本人の食事摂取基準」にもとづき、30歳~49歳の男女それぞれに必要な栄養素をわかりやすくまとめました。
身体活動レベルごとの違いや、栄養素の見方も丁寧に解説しています。
毎日の食事に役立つヒントとして、ぜひご活用ください。
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30歳~49歳の食事摂取基準表
食事摂取基準を作るうえで、性別や年齢ごとに平均的な日本人の体型(身長と体重)を想定しています。
この基準となる体型を「参照体位(さんしょうたいい)」と呼び、日々の健康維持や成長・発育、生活活動に必要な栄養量を考えるときの目安の体型として使われています。
【30歳~49歳の参照体位】
男児:身長 171.8cm 体重 70.0kg
女児:身長 158.5cm 体重 53.3kg
| 栄養素 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| エネルギー (身体活動レベル低) | 2350 kcal | 1750 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル普) | 2750 kcal | 2050 kcal |
| エネルギー (身体活動レベル高) | 3150 kcal | 2350 kcal |
| たんぱく質 (推奨量) | 65 g | 50 g |
| 脂質 (目標量) | 20-30 % | 20-30 % |
| 飽和脂肪酸 (目安量) | 7 %以下 | 7 %以下 |
| n-6系脂肪酸 (目安量) | 11 g | 9 g |
| n-3系脂肪酸 (目安量) | 2.2 g | 1.7 g |
| 炭水化物 (目安量) | 50-65 % | 50-65 % |
| 食物繊維 (目標量) | 22 g以上 | 18 g以上 |
| ビタミンA (推奨量) | 900 μg | 700 μg |
| ビタミンD (目安量) | 9.0 μg | 9.0 μg |
| ビタミンE (目安量) | 6.5 mg | 6.0 mg |
| ビタミンK (目安量) | 150 μg | 150 μg |
| ビタミンB1 (推奨量) | 1.2 mg | 0.9 mg |
| ビタミンB2 (推奨量) | 1.7 mg | 1.2 mg |
| ビタミンB6 (推奨量) | 1.5 mg | 1.2 mg |
| ビタミンB12 (目安量) | 4.0 μg | 4.0 μg |
| ビタミンC (推奨量) | 100 mg | 100 mg |
| ナイアシン (推奨量) | 16 mg | 12 mg |
| 葉酸 (推奨量) | 240 μg | 240 μg |
| パントテン酸 (目安量) | 6 mg | 5 mg |
| ビオチン (目安量) | 50 μg | 50 μg |
| ナトリウム 食塩相当量(目標量) | 7.5 g未満 | 6.5 g未満 |
| カリウム (目安量) | 2500 mg | 2000 mg |
| カルシウム (推奨量) | 750 mg | 650 mg |
| マグネシウム (推奨量) | 380 mg | 290 mg |
| リン (目安量) | 1000 mg | 800 mg |
| 鉄 (推奨量) | 7.5 mg | 6.0 mg |
| 亜鉛 (推奨量) | 9.5 mg | 8.0 mg |
| 銅 (推奨量) | 0.9 mg | 0.7 mg |
| マンガン (目安量) | 3.5 mg | 3.0 mg |
| ヨウ素 (推奨量) | 100 μg | 100 μg |
| セレン (推奨量) | 25 μg | 20 μg |
| クロム (目安量) | 10 μg | 10 μg |
| モリブデン (推奨量) | 25 μg | 20 μg |
30歳~49歳に必要な栄養素とは?

30代・40代は、仕事や家庭で多忙な時期。同時に、生活習慣病のリスクが高まりやすい年代でもあります。特に、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの予防のために、日々の食事でバランスよく栄養を摂ることが重要です。
✅ この年代で特に意識したい栄養素
| 栄養素 | 解説 |
|---|---|
| エネルギー | 男性2350kcal、女性1750kcalを目安に、身体活動量に応じて調整を。過不足は体重変化の要因に。 |
| たんぱく質 | 筋肉や免疫機能の維持に欠かせない。男性65g、女性50gを目安に。 |
| 食物繊維 | 腸内環境の改善や生活習慣病予防に有効。男性22g以上、女性18g以上が目安。 |
| n-3系脂肪酸 | 血液サラサラ効果や脳の健康に関与。魚類などから積極的に摂取を。 |
| カルシウム | 骨密度を保つために欠かせない栄養素。男女ともに不足しがちなので意識して摂りたい。 |
| 鉄分 | 特に女性は月経による損失があるため、不足しやすい。吸収率の高い動物性食品が有効。 |
| ビタミンB群・ビタミンC | エネルギー代謝やストレス耐性に関与。日々の消耗が激しいため、こまめな摂取が理想的。 |
忙しい毎日の中でも、これらの栄養素を意識して摂ることで、体調管理・集中力の維持・疲労回復にもつながります。
このページで紹介している基準値を参考に、ご自身の生活スタイルに合った食生活を見直してみてください。
食事摂取基準とは?
「食事摂取基準」とは、私たちが毎日どれくらいのエネルギーや栄養素をとれば、健康に暮らせるかを示した目安のことです。
厚生労働省が、国民の健康を守るために作っていて、5年ごとに最新のデータに合わせて見直しが行われています。
こんな目的で作られています
- 健康な体を保つため
- 生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を予防するため
- 栄養不足や摂りすぎによる体への悪影響を防ぐため
つまり、食事摂取基準は、毎日の食事の「バランス」を考えるときにとても役立つガイドなんです。
食事摂取基準はこんな場面で使われています
- 自分や家族の健康管理に
- 病院や保健センターなどでの栄養指導に
- 国や市町村が行う健康づくりの計画にも活かされています
厚生労働省の食事摂取基準報告書
身体活動レベルについて

食事摂取基準では、1日に必要なエネルギー量(カロリー)を算出する際に、「身体活動レベル(PAL)」を考慮します。
身体活動レベルとは、日常生活や仕事、運動などでどれくらい体を動かしているかを表す指標で、次の3段階に分けられます。
- 身体活動レベル I(低い)
デスクワーク中心で、通勤や買い物以外はほとんど体を動かさない生活。 - 身体活動レベル II(普通)
通勤や家事、軽い運動(週に数回のウォーキングなど)をしている人。一般的な生活スタイル。 - 身体活動レベル III(高い)
体を使う仕事や、習慣的な運動(週に何度もジム通い・スポーツなど)を行っている人。
この年代は、運動不足による代謝の低下や体重の変化が気になる時期でもあります。
エネルギー摂取量を決める際には、自分の活動量に合ったレベルを把握することが大切です。
食事摂取基準表の見方
表に示されている数値は、年齢や性別に応じた1日あたりの目安です。
各栄養素ごとに、次の基準に基づいて設定されています。
- 推奨量:ほとんどの人が不足しないと考えられる量
- 目安量:科学的根拠が不十分な栄養素における参考量
- 目標量:生活習慣病予防などを目的とした望ましい範囲
単位(mg、μg、gなど)にも注意して確認しましょう。
必要に応じて、個別の栄養素ページで詳しい内容も紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
他の年齢の食事摂取基準もチェック!
年齢によって必要な栄養素やエネルギー量は少しずつ異なります。
ご自身やご家族に合わせた基準を確認したい方は、以下の年齢別ページもあわせてご覧ください。各年齢のページでは、詳しい基準表とポイント解説を掲載しています。
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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
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