アサツキの旬|おいしい時期

あさつきの旬は12月から4月ごろ
あさつきの本格的な旬は、冬の寒さが厳しい12月から、春の訪れを感じる4月頃まで続きます。
最も味が乗るのは2月と3月です。この時期のあさつきは、雪の下で凍らないように自ら糖分を蓄えるため、他の季節にはない濃厚な甘みと、鼻に抜ける爽やかな辛味のバランスが絶妙になります。
調理師の目利き:冬の「雪下」と春の「新芽」
25年以上、プロの現場であさつきを扱ってきましたが、時期によってその表情はガラリと変わります。
12月〜2月(冬の盛り)
主に山形県などで雪を掘り起こして収穫される「雪下あさつき」が主役です。寒さに耐えた分、身が締まっており、サッと茹でて酢味噌和えにすると、噛むほどに甘みが溢れ出します。
3月〜4月(春の走り)
野生のあさつきが芽吹く時期です。冬のものに比べて香りが非常に強く、天ぷらやかき揚げにすると、春特有の心地よい苦味と香りをお楽しみいただけます。

現役和食調理師のヒント
和食においてあさつきは、単なる薬味ではなく「季節を告げる主菜」になり得る力強い食材です。
「最高の組み合わせ」で春を先取りする あさつきの爽やかな辛味は、この時期に脂が乗る白身魚や、春の苦味を持つ山菜と合わせることで真価を発揮します。今夜の食卓を「春の小料理屋」に変えてくれる、2月・3月の厳選食材をまとめました。
【2月の旬】あさつきと合わせたい冬の名残の味
【3月の旬】春の訪れを五感で楽しむ食材集
あさつきとは ~解説~
- 年中出回っているが旬は春と秋
- あさつきの生産量はネギ全体のわずか1%程度
- あさつきの生産量の都道府県ランキング1位は「山形県」
- 山形県では「伝統野菜」
- 山形県庄内地区ではお浸しや酢味噌和えにすることが多い
- ネギの近親種で別名「糸ネギ」「えぞねぎ」と呼ばれる
- わけぎによく似ているがあさつきの方が辛味が強い
- 薬味として使われることが多い
- ネギ状のものと新芽のものが流通する
あさつきの魅力~味わい~
葉の色が鮮やかで香りが良い
甘さのなか苦味、辛味がある
保存方法
- 新聞紙に包み、ビニール袋に入れ冷蔵庫で立てて保存
- 乾燥に弱い事に注意して保存しましょう
あさつきを使った料理
- ぬた
- 薬味
- 天婦羅
- 炒め物
- おひたし
- お吸い物
あさつきの栄養素|食品成分表
あさつきの栄養素含有量|日本食品標準成分表
あさつき(生)葉
可食部100g当たり
| 栄養素 | 茹で | 生 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | 0 | % |
| エネルギー | 41 | 34 | ㎉ |
| 水分 | 87.3 | 89.0 | g |
| タンパク質 | 4.2 | 4.2 | g |
| 脂質 | 0.3 | 0.3 | g |
| 食物繊維(総量) | 3.4 | 3.3 | g |
| 炭水化物 | 7.3 | 5.6 | g |
| ナトリウム | 4 | 4 | ㎎ |
| カリウム | 330 | 330 | ㎎ |
| カルシウム | 21 | 20 | ㎎ |
| マグネシウム | 17 | 16 | ㎎ |
| リン | 85 | 86 | ㎎ |
| 鉄 | 0.7 | 0.7 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.8 | 0.8 | ㎎ |
| 銅 | 0.09 | 0.09 | ㎎ |
| マンガン | 0.43 | 0.40 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | – | ㎍ |
| セレン | – | – | ㎍ |
| クロム | – | – | ㎍ |
| モリブデン | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 710 | 740 | ㎍ |
| ビタミンD | – | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.9 | 0.9 | ㎎ |
| ビタミンK | 43 | 50 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.17 | 0.15 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.15 | 0.16 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.7 | 0.8 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.27 | 0.36 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | – | ㎍ |
| 葉酸 | 200 | 210 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.55 | 0.62 | ㎎ |
| ビオチン | – | – | ㎍ |
| ビタミンC | 27 | 26 | ㎎ |
あさつき(浅葱)の注目栄養素
(成分表のすぐ下に配置してください)
あさつきは、ネギ類の中でも特に栄養が凝縮された「実力派」の食材です。単なる彩りとしてだけでなく、健康を支えるパワフルな成分が豊富に含まれています。
成分表から読み取れる、特に優れた3つのポイントを解説します。
抜群の含有量を誇る「ビタミンA」と「葉酸」
あさつきの緑色には、豊富なビタミンA(β-カロテン)が含まれています。 さらに注目したいのが、葉酸の多さです。葉酸は、新しい活力を生み出すために欠かせない「造血のビタミン」とも呼ばれ、健やかな毎日を維持したい方を力強くサポートしてくれます。
ビタミンAの働きと賢い摂り方はこちら
葉酸が健康維持に大切な理由とは?
スッキリを助ける「カリウム」と「食物繊維」
身体の巡りを整えるカリウムや、お腹の調子を整える食物繊維もしっかり含まれています。 あさつき特有の爽やかな辛味成分と合わさることで、日々の重だるさをスッキリさせ、内側からコンディションを整える手助けをしてくれます。
カリウムの重要性と健康への関わりについて
食物繊維の働きと上手な付き合い方はこちら
3代謝を支える「ビタミンB6」
タンパク質の活用を助けるビタミンB6も含まれています。 お肉やお魚の料理にあさつきを添えるのは、味の相性だけでなく、栄養を効率よく取り入れるための理にかなった組み合わせなのです。
調理師の目:茹でても栄養が逃げにくい!
25年以上板場に立ってきましたが、あさつきの成分表を見て改めて感心するのは、「生」と「茹で」で栄養価がほとんど変わらないという点です。通常、水溶性の栄養素は加熱で減りやすいものですが、あさつきは茹でてもカリウムが減らず、葉酸やビタミンCもしっかり残っています。 「サッと茹でて酢味噌和えにする」という定番の食べ方は、美味しさだけでなく、栄養を逃さない最高の調理法と言えますね。
あさつきの英語と漢字表記
浅葱
糸葱
Chives
Japanese chive
まとめ
あさつきは春を待つ食卓の主役
冬の寒さを耐え抜き、春の訪れをいち早く知らせてくれるあさつき。その魅力を改めて振り返ります。
旬は12月〜4月
特に2月・3月は、雪下で蓄えられた甘みと爽やかな辛味が絶頂を迎えます。
「緑」の栄養が凝縮
ビタミンAや葉酸、ビタミンB6など、日々の活力を支える成分が豊富です。
調理のしやすさ
茹でても栄養が逃げにくく、サッとお浸しや酢味噌和えにするだけで立派な一品になります。
薬味としてだけではもったいない、力強い「旬の味」をぜひ日々の献立に取り入れてみてください。
【調理師の独り言】献立に迷ったら「あさつき」を味方に
25年以上プロの台所に立ち、毎日数多くの献立を組み立ててきましたが、家庭での料理はもっと気楽でいいと考えています。
「副菜をもう一品作らなきゃ……」 「栄養バランスを考えなきゃいけないけれど、メニューが思いつかない」
そんな風に、献立を考えること自体がストレスになっていませんか? あさつきのような「サッと茹でて和えるだけ」で完結する食材は、忙しい方の救世主です。手の込んだ料理を作ることだけが、愛情ではありません。もしあなたが、日々のメニュー作りに「決断疲れ」を感じているのなら、こちらの記事が力になれるはずです。
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