すりおろした胡瓜の香りと爽やかな酸味が特徴の「みどり酢」。
見た目も涼しげで、初夏から夏にかけての料理にぴったりの合わせ酢です。
「味が薄い」「水っぽくなる」といった悩みも、黄金比を守ればブレない味に。
土佐酢をベースにしたプロの比率で、香り・酸味・旨味が調和した一品に仕上がります。
味が決まらない原因
- 胡瓜の水切りが不十分で、味がぼやける
- 土佐酢の量が多すぎて酸味が強くなる
- 酢を熱いまま加えて胡瓜の色が変わる
黄金比|2つの選べる比率

| 種類 | 比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 万人向け黄金比 | 出汁 6 薄口醤油 1 みりん 1 穀物酢 2 | 優しい酸味とバランスの良い味わい |
| プロ寄り黄金比 | 出汁 6 薄口醤油 1 みりん 1 穀物酢 3 | 酸味を立たせ、料理を引き締める仕上がり |
その理由:
みどり酢は“香りを生かす酢”。酸味が強すぎると胡瓜の風味が消えるため、
用途によって酢の比率を調整するのがプロのコツです。
材料
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 胡瓜 | 4本 | 香りと色味の主役。すりおろして清涼感を出す |
| 出汁 | 150cc | 酸味を和らげ、旨味の基礎をつくる |
| 薄口醤油 | 25cc | 色を濁らせず、上品な塩味を加える |
| みりん | 25cc | 酸味を丸めてコクを出す |
| 穀物酢 | 50〜75cc | 爽やかな酸味を与える(用途により調整) |
| かつお節(土佐酢用) | 適量 | 出汁と旨味を補う |
作り方(よくわかるレシピ)

1️⃣ 土佐酢を作る
鍋に出汁・薄口醤油・みりん・酢を入れ中火にかける。
ふちがフツフツと泡立ったら火を止め、かつお節を加える。
粗熱を取り、こして冷ます。
👉 詳しい土佐酢の作り方はこちら
2️⃣ 胡瓜をすりおろす
胡瓜は縦半分に切り、スプーンで種を取り除く。
皮ごとすりおろし、ザルにあげて軽く水気を切る。
※強く絞ると香りが飛ぶので注意。
3️⃣ 合わせる
冷めた土佐酢とすりおろし胡瓜を同割(1:1)で合わせる。
全体をやさしく混ぜ、色と香りが均一になったら完成。

現役和食調理師のヒント
鮮やかな緑色が残り、表面に軽いとろみがある状態が理想。
失敗しない3つのコツ
- 酢は必ず冷ましてから胡瓜と合わせる(変色防止)
- 水切りは軽くでOK。香りを残す程度に
- 土佐酢と胡瓜は“同割”が黄金比の基本
使い道
| 相性の良い料理 | 使い方 |
|---|---|
| 魚の南蛮焼き | 仕上げにかけて酸味と彩りをプラス |
| だし巻き卵 | さっぱりした風味を添える |
| 鶏の唐揚げ | 揚げ物に合わせて油分を中和 |
| 冷しゃぶサラダ | 胡瓜の香りで爽やかに |
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保存方法
| 状態 | 期間 | 方法 |
|---|---|---|
| 冷蔵保存 | 約2〜3日 | 清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存。色が変わったら使い切り。 |
| 冷凍保存 | 不可 | 胡瓜の水分が多く、解凍時に離水するため不向き。 |

現役和食調理師のヒント
できるだけ当日〜翌日に使い切るのが理想です。
応用・アレンジ

- 大根おろし入り: さっぱり感が増し、焼き魚に最適
- 林檎すりおろし入り: フルーティーで洋風サラダにも合う
- 生姜汁プラス: 揚げ物に合う爽快な後味に
- 青じそ入り: 色持ちが良く、香りも豊かに
現役和食調理師のひと言
みどり酢は、香りと色が命の繊細な合わせ酢。
加熱を避け、胡瓜の水分と香りを活かすのがポイントです。
合わせるだけの簡単な作業でも、土佐酢のバランスが整っていれば驚くほど上品に仕上がります。
料理の“締め役”として使えば、季節感のある一皿に変わります。
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