棗 なつめ(jujube)

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棗(なつめ)は、古くから「食べる漢方」とも呼ばれる滋養豊かな果実です。
中国や韓国では健康食材として親しまれ、日本でも薬膳料理やドライフルーツとして人気があります。鉄や葉酸、カリウムなどのミネラルを多く含み、貧血予防や疲労回復に役立つとされるほか、自然な甘みとやさしい香りが魅力。旬の時期には生のなつめも出回り、サラダや煮物など幅広く楽しめます。

この記事では、なつめの旬の時期・選び方・保存方法・相性の良い食材・栄養素を、現役和食調理師の視点でわかりやすく解説します。

なつめとは~解説~

中華料理の材料や薬膳食材として知られる「棗(なつめ)」は、古くから健康食として親しまれてきた果実です。果実は楕円形で、熟すと赤褐色になり、ほのかな甘みと香ばしさが特徴。生のまま食べることもできますが、一般的には乾燥させた「干しなつめ(大棗)」の方がよく知られています。
中国では「一日三粒のなつめを食べたら年を取らない」と言われるほど、滋養強壮の果実として重宝されています。ビタミンB群やカリウム、カルシウム、鉄、葉酸などを含み、薬膳料理では体を温める食材として利用されています。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

生のなつめは果皮にツヤとハリがあるものを選びましょう。乾燥なつめはシワが少なく、赤みが均一でしっとりとした質感のものが良品です。

なつめの旬

なつめの花は初夏(5〜7月頃)に咲き、果実が熟すのは秋。
旬の時期は8月中旬~11月初旬頃 とされています。生なつめはこの時期に出回りますが、乾燥なつめは通年で購入できます。秋の果実として、梨や柿と並び季節の変わり目に食べられることが多い果物です。

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

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秋口に出回る生なつめは、皮にハリがあってやや黄緑がかったものが甘みがのっています。完熟して赤褐色になったものは、ややねっとりした甘さに変わります。

棗(なつめ)の選び方(目利き)

生なつめ

  • 果皮にツヤと弾力があるもの
  • シワや傷、黒ずみがないもの
  • 手に取ったときに重みを感じるもの

乾燥なつめ

  • 色が均一でツヤがあり、極端に乾きすぎていないもの
  • 香りが自然で、焦げ臭さやカビ臭がないもの
  • 割れや穴、カビが見られないもの
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乾燥なつめは、調理前に軽くぬるま湯に浸して戻すとふっくら仕上がります。甘煮や煮物の仕上げに加えると自然な甘みが加わります。

棗(なつめ)の保存方法(冷蔵・冷凍)

生なつめ
生のなつめは乾燥しやすいため、ビニール袋に入れて冷蔵庫(野菜室)で保存します。
保存期間は 2〜3日程度 が目安です。常温ではすぐにしぼんでしまうため注意が必要です。

乾燥なつめ
開封後は湿気を防ぐため、密閉容器や保存袋に乾燥剤を入れて冷蔵保存しましょう。
保存期間の目安は、冷蔵で約1か月。冷凍で約6か月。

冷凍する場合は、小分けにしてラップで包み、冷凍用袋に入れると便利です。

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干しなつめは湿気を吸いやすく、風味が落ちやすいので、冷蔵庫での密閉保存が基本です。使う分だけ小袋に分けておくと使い勝手がよくなります。

棗(なつめ)と相性の良い食材

食材相性の理由
大根消化を助け、なつめの甘みとバランスがよい。薬膳スープに。
豆乳・牛乳なつめの甘みとコクがマイルドにまとまり、ドリンクやデザートに最適。

銀杏
秋の味覚として煮物や炊き込みご飯に合わせると風味が引き立つ。
シナモン
クローブ
スパイスを少量加えると香りが際立ち、エイジングケア向きの薬膳スイーツに。

棗(なつめ)の英語・漢字表記

表記読み方・発音補足
漢字日本語では「なつめ」と読む
英語Jujube(ジュジュブ)発音:/ˈdʒuːdʒuːb/
学名Ziziphus jujubaクロウメモドキ科の植物
混同注意デーツ(Date Palm)とは別種デーツ=ナツメヤシ(ヤシ科)

英語表記についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページで【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表まとめています。

なつめの栄養素(食品成分表)

 なつめ(乾)
可食部100g当たり

栄養素乾燥単位
廃棄率15%
エネルギー294
水分21.0g
タンパク質3.9g
脂質2.0g
食物繊維(総量)12.5g
炭水化物71.4g
ナトリウム3
カリウム810
カルシウム65
マグネシウム39
リン80
1.5
亜鉛0.8
0.24
マンガン0.46
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)7
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.1
ビタミンK
ビタミンB10.1
ビタミンB20.21
ナイアシン1.6
ビタミンB60.14
ビタミンB12
葉酸140
パントテン酸0.86
ビオチン
ビタミンC1
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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この記事を書いた人
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