蝦蛄(Mantis shrimp)の旬はいつ?栄養価・目利き方法・食べ方まとめ

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しゃこ(蝦蛄)の旬はいつ?
栄養は豊富?
英語では何て言う?

旬の目安は春〜初夏(地域により秋も)
身は甘みと旨味が濃く高たんぱく・低脂質
英語は “mantis shrimp”(“shako” とも表記)。

本文では「蝦蛄の旬(地域差)」「基礎解説・地方名」「目利きの具体ポイント」「相性の良い食材・調理法」「栄養成分表」「英語・漢字表記」まで、調理師目線で分かりやすく解説します。続きで詳しくチェックしてください。

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蝦蛄の旬~おいしい時期~

しゃこ

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

魚介類の解説

蝦蛄 しゃこ(Mantis shrimp)

しゃこ(蝦蛄)は寿司や酒の肴として古くから親しまれてきた甲殻類です。旬は春から初夏にかけてで、特に4月頃から脂がのり、旨味が増していきます。この時期のメスは卵を抱えており、「カツブシ」と呼ばれて珍重され、オスよりも高値で取引されます。

調理法としては、生きたまま丸ごと茹でるのが一般的。ただし殻が非常に硬く、素手で剥くのは難しいため、ハサミを使って殻を割るのがおすすめです。味わいはカニやエビ以上に濃厚で、旨味の強さが特徴とされています。

近年は漁獲量が減少傾向にあり、市場での価格は年々高騰。その希少性から、より一層特別な食材として扱われています。

蝦蛄と相性の良い食材

相性の食材/調味相性が良い理由・使い方例
きゅうり酢の物・和え物にして、しゃこの甘みとシャキシャキ食感を引き立てる
とびこ
飛魚の卵)
プチプチした食感と彩りがよく、しゃこの甘みと組み合わせて前菜風に使われる
オクラ ネバネバ × プチプチ × 甘みのある蝦蛄という食感・色の組み合わせがよい
ポン酢茹でた蝦蛄をすっきり味で楽しむにはポン酢が合う
酢飯(寿司飯)しゃこの甘みを酢飯が引き立て、寿司ネタとして親和性が高い
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

蝦蛄は比較的甘み・旨味が強いため、あっさり風味の食材(酢・柑橘・野菜の淡味)と組み合わせるとバランスが取りやすいです。

蝦蛄と良く合う調理法

調理法特徴・メリット
塩ゆでシンプルに蝦蛄本来の甘み・旨味を楽しめる。殻付きのまま茹でて、その後殻を剥く
寿司ネタ茹でた蝦蛄を醤油・みりんで漬けたり締めたりして、にぎり寿司や寿司ネタに用いる
煮付け
(甘辛煮)
醤油・酒・みりんなどで煮含める。旨味を煮汁に移し、しっとりとした味わいに
炒めものニンニク・オリーブオイル・ハーブなどを使って、香味を活かした洋風調理
揚げ物衣をつけて揚げて、香ばしさと歯ごたえを加える。スパイシーや塩胡椒味も合う
蒸し 温かさを保ちつつ繊細な味を逃さず調理。下味やソースをかけて風味を加える
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

ゆで過ぎると身が固くなるので、調理法によって時間を調整。茹でた後にハサミで殻を切ってむくのが一般的です。

地方名

  • シャコエビ
  • ガザエビ
  • ガレージ(寿司屋の隠語)
  • シャッパ
  • ゼニヨミ

目利き

  • 生きているものを選ぶ
    死ぬと自らの酵素で身が溶け始め、鮮度が急速に落ちるため。
  • 大きめの個体を選ぶ
    同じ殻の厚さなら、身の入りが良く食べ応えがある。
  • 殻の色と光沢をチェック
    殻に暗めのツヤがあり、鮮やかさがあるものは新鮮。光沢が失われている場合は鮮度が落ちている。
  • 表面のぬめりを確認
    過剰なぬめりやべたつきがないものを選ぶ。ぬめりが強い場合は鮮度低下のサイン。
  • 関節部分の状態を見る
    頭部と胴部の関節がしっかり閉じているものが良い。緩んでいると劣化が進んでいる可能性。
  • 茹で済みのものを選ぶ場合
    チルド状態のものを選ぶと、冷凍品よりも風味と食感がよく保たれている。
  • 子持ちメスを狙う
    春~初夏は卵を抱えたメス(カツブシ)が出回り、珍重され高値になる。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

基本的に生きているものを選ぶ。もしくはボイル済みのものが良い

蝦蛄の栄養素 (食品成分表)

しゃこ(ゆで)
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率0%
エネルギー89
水分77.2g
タンパク質19.2g
脂質1.7g
食物繊維(総量)g
炭水化物0.2g
ナトリウム310
カリウム230
カルシウム88
マグネシウム40
リン250
0.8
亜鉛3.3
3.46
マンガン0.13
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
ビタミンA(レチノール)180
ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)2.8
ビタミンK
ビタミンB10.26
ビタミンB2.13
ナイアシン1.2
ビタミンB60.06
ビタミンB1213.0
葉酸15
パントテン酸0.30
ビオチン
ビタミンC
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」
  • 銅:3.46 mg
     魚介類の中でも突出して多い水準。造血・鉄利用に関与。
  • ビタミンB12:13.0 µg
     非常に多い。神経機能や赤血球生成をサポート。
  • 亜鉛:3.3 mg
     味覚・免疫に関わる必須ミネラルとして高め。
  • タンパク質:19.2 g
     高たんぱく・低脂質(脂質1.7 g)の優秀なたんぱく源。
  • リン:250 mg
     骨・歯、エネルギー代謝に重要で、魚介としてもしっかり多い。


補足ビタミンE 2.8 mgカルシウム 88 mgマグネシウム 40 mgも良好。
ナトリウム 310 mgはやや高めなので、塩分摂取が気になる場合は味付けで調整を。

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
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蝦蛄の英語表記

漢字表記:蝦蛄
ひらがな表記:しゃこ
英語表記:mantis shrimp
発音記号:/ˈmæn.tɪs ʃrɪmp/
読み方:マンティス・シュリンプ

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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