さっぱりとした酸味と香りが食欲をそそる「白菜の梅肉和え」。
旬の白菜に梅の風味と鰹の旨みを合わせた、和食らしい上品な副菜です。
シンプルな料理ほど仕上がりの差が出やすく、
「味が濃くなる」
「水っぽくなる」
「梅の塩気が強い」
と悩む方も多いはず。
本記事では、現役和食調理師が“水分をコントロールして味を決める”黄金比を解説。
ご家庭でも料亭のような味に仕上げられます。
よくある失敗と原因
- 味が濃すぎる → 梅の塩分量を確認せずに醤油を加えている
- 水っぽくなる → 白菜の水切り不足
- 味がぼやける → 和え衣を入れすぎ
- 梅が強すぎて酸っぱい → 鰹節やみりんの甘みが足りない
- 食感が悪い → 茹で時間が長すぎ
材料(2〜3人分)
調味料
| 調味料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 薄口醤油 | 小さじ1 | 味を引き締める |
| みりん | 小さじ1 | 甘みとまろやかさ |
下処理(プロの判断基準)
- 白菜は一口大にカット。
→ 白い部分と葉先の火の通りが違うため、厚みをそろえる。 - わかめは水で戻す。
生わかめの場合は、さっと湯通しして冷水で締める。 - 梅干し使用時:種を取り包丁で叩き、鰹節と一緒にたたいて香りを立たせる。
→ この一手間で味がなじみやすく、香りも上品に。
作り方
- 和え衣を作る
梅干しの種を取り、包丁で叩いてペースト状に。鰹節(削り粉)を加えてさらに叩き、ボウルに移す。薄口醤油とみりんを加え、よく混ぜ合わせる。
→ 梅の香りが立ち、全体が“艶のあるピンク色”になったらOK。 - 食材を切る
白菜は一口大に切り、芯と葉を分けておく。わかめは食べやすい大きさにカット。
→ ポイント:大きさを揃えることで味のムラを防ぐ。 - 食材を茹でる
沸騰した湯に塩少々を加え、まず白菜の芯→葉の順に入れる。10〜15秒ほどで取り出し、冷水にとって冷ます。水気をしっかり切り、軽く絞る。
→ 芯がやわらかく、葉が鮮やかな黄緑色になったらベスト。 - 和える
ボウルに白菜・わかめを入れ、和え衣を少しずつ加えて和える。
→ 味見をしながら加減し、“やや薄いかな”程度で止める。余熱で味がなじみ、時間が経つとちょうどよくなる。
失敗しない3つのコツ
- 梅干しの塩分を確認してから醤油の量を調整する
- 水気はしっかり絞る(水分が残ると味が薄まる)
- 和え衣は少量ずつ入れ、味を確認しながら整える
保存方法
- 冷蔵保存:密閉容器で1〜2日以内。
- 和え衣のみ:冷蔵で5〜7日保存可。
→ 「梅きゅう」「梅おろし」「薬味」「冷奴のタレ」として再利用可能。
相性の良い料理・献立
- 主菜:焼き魚(鯖・鮭・鰆など)、鶏の照り焼き
- 副菜:冷奴、ひじき煮、厚焼き玉子
- ご飯:白ごはん、おにぎり(梅干しと好相性)
旬と豆知識
白菜の旬は冬(11〜2月)。寒さで甘みが増すこの時期の白菜は、生でも茹でてもおいしい。
梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復に、鰹節はアミノ酸による旨みと香りで食欲を引き立てます。
現役和食調理師のひと言
梅肉和えは「味を決める一滴」と「水を切る一手間」で完成度が変わります。特に梅干しの塩分を見極めるのがポイント。塩分が強いときは、醤油を控え・みりんをひとたらしでバランスを取ります。和え衣は作り置きできる万能調味。ぜひ冷蔵庫に常備してください。
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