牛肉の中でも高級部位として人気の高い「リブロース」
肩ロースとサーロインの間に位置し、赤身と脂のバランスが絶妙で、やわらかくジューシーな味わいが特徴です。
ステーキやすき焼き、しゃぶしゃぶなど幅広い料理に使われ、食卓を華やかにしてくれます。
本記事では、リブロースの部位の位置や特徴、リブアイロールとの違い、向いている料理、英語表記などを、和食調理師の視点でわかりやすく解説します。
部位を理解すると、よりおいしい肉選びができるようになります。
▶ リブロースを通販で選ぶコツは、こちらの【調理師が厳選】失敗しない肉通販おすすめ5選で紹介しています。
※本記事には広告が表示されます。
リブロ―スとは?どこの部位? ~概要~

リブロースは、牛の背中の中央部分に位置する高級部位で、肩ロースとサーロインの間にあります。第6~12肋骨のあたりにあり、ロース系の中でも特に霜降りが入りやすく、柔らかくコクのある味わいが特徴です。
この部位は、赤身と脂のバランスが絶妙で、焼いても煮てもおいしい万能部位。
ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ローストビーフなど、さまざまな料理に使われます。
また、リブロースは「リブアイロール(Ribeye Roll)」とも呼ばれ、骨やスジを除いた芯の部分は海外で人気の「リブアイステーキ」として提供されます。
一般的に「ロース」と呼ばれる部位の中でも、最も霜降りが美しく、旨みの濃い部分がこのリブロース。肉質の良さから、和牛の高級部位としても知られています。
📍部位の位置
- 位置:肩ロース(チャックロール)とサーロインの間
- 範囲:第6~12肋骨周辺
- 分類:ロース系(高級部位)

現役和食調理師のヒント
脂の甘みと旨みを活かすなら、厚切りステーキやすき焼きが特におすすめ。
しっかりとしたコクがあり、口の中でとろけるような食感を楽しめます。
リブロースの特徴と味わい ~赤身と脂のバランス~

リブロースは、赤身と脂のバランスが非常に優れた部位です。
脂肪が細かく入り込む「霜降り」が豊富で、やわらかく、口の中でとろけるような食感が魅力。脂の甘みと赤身の旨みが調和し、ジューシーで濃厚な味わいを楽しめます。
特に和牛のリブロースは、きめ細かなサシが入り、甘みのある脂が豊か。熱を加えることで脂が溶け出し、肉全体に旨みが広がります。ステーキにすると芳醇な香りと柔らかな肉質を堪能でき、すき焼きやしゃぶしゃぶにしても上品なコクが味わえます。
一方、輸入牛では脂が控えめで、あっさりとした食味が特徴。赤身の旨みをしっかり味わいたい方に向いています。
リブロースの特徴まとめ
| 項目 | 特長 |
|---|---|
| 肉質 | やわらかく、霜降りが多い |
| 脂肪 | 甘みと香ばしさがあり、口どけが良い |
| 味わい | コクと旨みが強く、濃厚 |
| 向く料理 | ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ローストビーフ |
| 食感 | しっとりジューシーで、とろけるような食感 |

現役和食調理師のヒント
リブロースは「火入れ」が味を左右する部位です。
表面を香ばしく焼き、中をミディアムレアに仕上げると、脂の旨みと赤身のコクが最高に引き立ちます。
\ とろけるような旨味を自宅で! /
佐賀県のブランド和牛【伊萬里牛 松尾勝馬牧場】のリブロースは、
甘みのある脂と上質な赤身のバランスが絶品。
リブロースの細かい部位と呼び名(リブアイロールなど)

| 名称 | 部位の位置 | 特徴 |
|---|---|---|
| リブキャップ (マキ) (カブリ) | リブロースの上部(背中側)、芯を包み込む部分 | 脂が多く、濃厚でコクがある。旨みが強い |
| リブアイロール (リブ芯) | リブロースの中心部 | 霜降りが美しく、柔らかくジューシー。脂の甘みが強い |
| エンピツ | リブロースの芯の横(肋骨側)に沿った細長い筋肉 | 希少部位。繊維が細かく、しっとり柔らかい |
サーロインよりやや脂控えめで、肉の旨味が濃いのがリブロース。
👉 伊萬里牛の詳細を見る(公式サイト)

現役和食調理師のヒント
リブロースは1つの塊でも、部分によって食感や味わいが大きく変わります。
芯(リブアイ)はステーキ、マキ(カブリ)はすき焼きやしゃぶしゃぶ、エンピツは繊細な肉質を活かして軽く火を通すのがおすすめです。
リブロースに向いている料理・調理法

| 料理名 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| ステーキ | 厚切りにしてミディアムレアで焼くと、脂の甘みと赤身の旨みが最大限に引き立つ。高温で香ばしく仕上げるのがコツ。 |
| ローストビーフ | 肉の内部をじっくり加熱することで、しっとりとした食感に。リブロースの霜降りがとろけるような旨みを生む。 |
| すき焼き | 脂が甘く、タレとの相性が抜群。さっと火を通すことで、やわらかさとジューシーさを保てる。 |
| しゃぶしゃぶ | 脂が溶け出して旨みがスープに広がる。赤身と脂のバランスが良く、軽やかな味わいを楽しめる。 |
| 焼肉 | サシが多く、焼くと脂が香ばしく溶け出す。ジューシーで食べごたえがある。 |
ステーキ・しゃぶしゃぶ・すき焼き、どんな料理でも主役級。
調理師おすすめ

現役和食調理師のヒント
リブロースは「高温で焼く」「短時間で煮る」など、脂を活かす火入れが鍵。
ステーキなら表面をしっかり焼いて香ばしさを出し、中心はジューシーに。
すき焼きやしゃぶしゃぶでは、火を通しすぎずさっと加熱がポイントです
リブロースの栄養素(和牛肉100gあたり)
リブロースは、牛肉の中でもエネルギーが高く、たんぱく質と脂質のバランスに優れた部位です。
脂肪が多い分カロリーは高めですが、良質なたんぱく質やビタミンB群、鉄、亜鉛などを豊富に含み、筋肉づくりや疲労回復、貧血予防にも役立ちます。
以下の表では、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より、和牛リブロース(赤身)と脂身つきの栄養成分を比較しています
和牛肉 リブロース 生
※可食部100あたり
| 栄養素 | 赤身 | 脂身付 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | 0 | % |
| エネルギー | 395 | 514 | ㎉ |
| 水分 | 47.2 | 34.5 | g |
| タンパク質 | 14.0 | 9.7 | g |
| 脂質 | 40.0 | 56.5 | g |
| 食物繊維(総量) | – | – | g |
| 炭水化物 | 0.2 | 0.1 | g |
| ナトリウム | 53 | 39 | ㎎ |
| カリウム | 210 | 150 | ㎎ |
| カルシウム | 3 | 2 | ㎎ |
| マグネシウム | 14 | 10 | ㎎ |
| リン | 120 | 84 | ㎎ |
| 鉄 | 1.7 | 1.2 | ㎎ |
| 亜鉛 | 3.9 | 2.6 | ㎎ |
| 銅 | 0.04 | 0.03 | ㎎ |
| マンガン | – | – | ㎎ |
| ヨウ素 | 1 | 1 | ㎍ |
| セレン | 11 | 8 | ㎍ |
| クロム | – | – | ㎍ |
| モリブデン | 1 | 1 | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 6 | 10 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 2 | 3 | ㎍ |
| ビタミンD | – | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.4 | 0.6 | ㎎ |
| ビタミンK | 7 | 8 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.05 | 0.01 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.13 | 0.09 | ㎎ |
| ナイアシン | 3.5 | 2.4 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.23 | 0.15 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 1.5 | 1.1 | ㎍ |
| 葉酸 | 5 | 3 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.50 | 0.35 | ㎎ |
| ビオチン | 1.4 | 1.1 | ㎍ |
| ビタミンC | 1 | 1 | ㎎ |
▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ

現役和食調理師のヒント
リブロースは「ごちそう肉」として脂が多めですが、少量でも満足感が高い部位です。
たんぱく質や鉄分など栄養価も高く、特別な日の食事や体力をつけたい時におすすめです。
リブロースの英語表記・海外での呼び方
リブロースは英語で一般的に 「Rib Roast(リブ・ロースト)」 または 「Ribeye(リブアイ)」 と呼ばれますが、国やカットの規格によって呼び名が変わることがあります。
アメリカとオーストラリアでは同じ部位でも異なる名称が使われており、部位の位置や用途を理解しておくことで、海外レシピや輸入肉を選ぶときにも混乱せずに済みます。
- 🇺🇸 アメリカでは、骨付きのリブロースを「Rib Roast」または「Prime Rib」と呼び、
骨やスジを除いた芯の部分を「Ribeye Roll」、ステーキカットを「Ribeye Steak」と呼びます。 - 🇦🇺 **オーストラリア(およびニュージーランド)**では、同じ「リブロース芯」を
「Cube Roll(キューブロール)」 と呼び、ステーキ用にカットされたものは「Scotch Fillet(スコッチフィレット)」という名称になります。
つまり、
🔹 Ribeye Roll(アメリカ)= Cube Roll(オーストラリア)
であり、どちらもリブロースの芯(リブアイ)を指します。
| 名称 | 使用地域 | 意味・特徴 |
|---|---|---|
| Rib Roast | アメリカ イギリス | 骨付きリブロース(ロースト用)。「Prime Rib」とも呼ばれる |
| Ribeye Roll | アメリカ | リブロースの芯。骨やスジを除いたロール部分 |
| Ribeye Steak | アメリカ | Ribeye Rollをステーキ用にカットしたもの |
| Cube Roll | オーストラリア ニュージーランド | Ribeye Rollと同義。リブロース芯のロール状の部位 |
| Scotch Fillet | オーストラリア | 骨なしリブロースをステーキ用にスライスしたもの |
| Ribeye / Rib Section | 共通 | 肋骨周辺の総称やステーキ用の呼び名 |
海外のメニューやレシピでは、部位名が英語で表記されていることも多くあります。
👉 【英語一覧】牛肉・豚肉・鶏肉の部位の名前まとめ で、主要な部位の英語表記を一覧で確認できます。

現役和食調理師のヒント
海外では、同じ「リブロース」でもカットの仕方や販売形態によって名前が変わります。
アメリカで「Ribeye」と書かれた肉は、オーストラリアでは「Cube Roll」や「Scotch Fillet」として売られていることもあります。
最後までお読みいただきありがとうございます!
調理師おすすめの通販はこちら👇
▶ 【伊萬里牛 松尾勝馬牧場】公式オンラインショップへ
あわせて読みたい
🥩 牛肉の部位図と特徴一覧|おすすめ料理・使い分けを調理師が解説
└ 牛の各部位の位置・特徴・味わいをまとめて紹介。部位ごとの料理選びに役立ちます。
🛒 【調理師が厳選】失敗しない肉通販おすすめ5選|部位別の選び方と用途
└ リブロースをはじめ、各部位の特徴を活かした通販肉を調理師が厳選。
