うどんだし|プロが教える“よくわかるレシピ”

ソース&タレ

うどんの味を決める最大の要素――それが「だし」です。
見た目は薄くても、ひと口で旨味と香りが広がる“出汁の黄金比”を知っているかどうかで味が決まります。

「しょっぱい」「薄い」「香りが弱い」

──そんな悩みは、出汁と調味料のバランスで解決できます。
この記事では、家庭でもプロのような「すっきり澄んだ味」に仕上がる黄金比を紹介。
関西風うどんの基本から、煮物や鍋にも応用できる万能だしまで解説します。

味が決まらない原因

  • 出汁と調味料の比率が曖昧
  • 醤油やみりんの塩分濃度を考慮していない
  • 沸騰させて風味を飛ばしている
  • 追い鰹を入れすぎて濁ってしまう
  • 保存時に熱いまま容器へ入れて風味が落ちている

黄金比|2つの選べる比率

タイプ出汁薄口醤油みりん特徴
① 万人向け黄金比18110.5関西風。淡口で上品、やさしい甘味
② プロ寄り黄金比1510.80.5出汁を濃くし、調味料控えめで素材を活かす

その理由
出汁はうどんの“主役”。醤油やみりんは脇役として控えめに。
出汁を多く保つことで、すっきりと澄んだ味わいと香りを両立できます。
一方、プロ比では調味料を抑えて、素材(うどん・具材)の味を引き立てます。


材料

材料分量役割
出汁
(かつお昆布)
1800cc旨味と香りのベース。風味の強弱で全体の印象が変わる
薄口醤油100cc塩味と香りを与える。色を淡く仕上げる
みりん100cc甘味と照りを加える。コクのある味に
料理酒50cc魚介の臭みを抑え、旨味を引き出す
少々最後の味の調整。出汁の味を引き締める

作り方

  1. すべての調味料を合わせる
    鍋に出汁・薄口醤油・みりん・料理酒を入れ、中火にかける。
    → 沸騰直前(鍋の縁に小さな泡が出る程度)で火を止める。
    ※このタイミングが香りを最も引き出す「止めどき」。
  2. 追い鰹(必要な場合)
    火を止めた直後にかつお節をひとつかみ入れる。
    1〜2分置いてから静かに漉す。
    → 香りが増し、うどん専門店のような深みが出る。(長く置くと雑味が出るので注意)
  3. 冷まして保存
    粗熱を取ってから清潔な容器に移し、冷蔵庫へ。
    常温放置はNG。冷やすことで香りをキープできる。

失敗しない3つのコツ

  1. 調味料を同時に入れる(火入れのムラを防ぐ)
  2. 沸騰させない(香りと旨味が飛ぶ)
  3. 味見は必ず温かい状態で行う(冷めると味が変わる)

使い道

相性の良い料理解説
かけうどん素材の味が引き立つベース出汁
煮込みうどん濃いめ比率(プロ寄り)で煮ても風味が残る
鍋料理野菜や魚介の旨味と調和。万能スープに
煮物出汁を強めに取れば、上品な煮物だしとしても◎

保存方法

方法期間ポイント
冷蔵保存3〜4日密閉容器に入れ、しっかり冷ます
冷凍保存約1か月製氷皿で小分けにすると使いやすい
常温不可風味が落ちやすく、菌の繁殖リスクあり

応用・アレンジ

  • 煮物用だし:醤油を少し増やして旨味を強調
  • 鍋だし:塩を控えめにしてポン酢や薬味と合わせる
  • 冷やしうどん用:みりんを減らしてキリッとした後味に
  • 関東風にする場合:濃口醤油を半量ブレンドして色とコクを調整

現役和食調理師のひと言

うどんだしは、派手な味ではなく“透明感”が命。火入れの温度と調味料の順序で、香りの立ち方がまるで違います。特に「止める勇気」=沸騰直前で火を止めるが最大のコツ。
素材の味を支える「静かなだし」こそ、和食の真髄です。

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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