よもぎの英語表記・読み方・漢字
※本記事には広告が表示されます。

英語表記(English):Japanese mugwort または Japanese wormwood
発音記号(IPA):/ˈdʒæpəˌniːz ˈmʌɡwɜːrt/(ジャパニーズ マグワート)
/ˈdʒæpəˌniːz ˈwɜːmwʊd/(ジャパニーズ ワームウッド)
日本語の読み方:よもぎ
漢字表記:蓬
🔍 補足:名前の由来と英語表記の違い
「wormwood」は同じヨモギ属(Artemisia)の総称で、欧米では特に苦よもぎ(Artemisia absinthium)を指すため、区別のために「Japanese wormwood」と呼ばれます。
「蓬(よもぎ)」という漢字は、古くから薬草や邪気払いの植物として日本の暮らしに根付いており、春の季語にもなっています。
英語では「Japanese mugwort(日本のよもぎ)」と表記されるのが一般的です。
よもぎの旬~おいしい時期~
よもぎの旬は3月下旬から5月上旬にかけて。春の野に芽吹く若葉が、香りも味も格別な時期です。
特に食用として適しているのは、草丈が10~15cmほどの若芽。柔らかくてえぐみが少なく、和菓子(草餅やよもぎ団子)や天ぷら、おひたしなどにぴったりです。
よもぎ
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
|---|
▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】

現役和食調理師のヒント
採れたてのよもぎは茹でた瞬間に広がる芳香と、ほのかな苦味が春らしさを演出してくれます。春の訪れを感じる代表的な山菜のひとつです。
よもぎとは~解説~

よもぎ(蓬/学名: Artemisia princeps)は、キク科ヨモギ属の多年草で、野原や土手などに自生する身近な野草のひとつです。日本各地で古くから食用や薬草として親しまれ、春の季語にも使われる植物です。
葉には特有の爽やかな香りがあり、この香気成分にはリラックス効果や消臭作用があるとされ、古くはお灸のもぐさ(艾)や薬湯、草餅などに用いられてきました。
和食調理師としての実感では、旬のよもぎは加熱しても香りがしっかり残るのが特徴で、特に新芽はクセがなく、苦味と香りのバランスが良いため、様々な料理に活用できます。
栄養的にも鉄分・食物繊維・カロテンを多く含み、山菜としてだけでなく、健康食材としても注目されています。
食用とするのは若い芽で、美味しい時期は3月から5月頃。

現役和食調理師のヒント
春の野山で採れるよもぎは、若葉ほどやわらかく香りが豊かです。特に新芽は天ぷらやおひたしにすると苦味が少なく、よもぎ本来の香りが引き立ちます。
よもぎの下処理
① 新芽選びと洗浄
- 春に伸びた柔らかい新芽を摘み、茎の硬い部分や枯れ葉は必ず取り除く 。
- 流水で葉の間の泥やゴミをしっかり洗い落とす 。
② 茹でてアク抜き
- 鍋に たっぷりの熱湯を沸かし、塩または重曹を少量(小さじ1/L程度)加える
- よもぎを入れ、1〜2分間軽く茹でる。泡が出て葉が鮮やかな緑色になったらOK
- 茹でたらすぐに 冷水に移して粗熱を取り、色止め・アク抜き
③ 水切りと刻み
- 水を数回替えながら10〜15分ほど浸してアクを完全に抜き、ざるに上げてしっかり水気を絞る
- 調理用途に応じて、細かく刻むかフードプロセッサーでペースト状にする 。
④ 保存方法
- 小分けにしてラップで包み、冷凍保存(1年程度保存可)
- ペーストは氷皿に入れて冷凍→固まったらジップ袋へ → 必要量だけ取り出せて便利

現役和食調理師のヒント
よもぎの下処理では、「ほどほどの茹で加減」が重要です。長時間茹で過ぎると香りが飛ぶため、色が鮮やかになったらすぐ冷水に移しましょう。
よもぎの保存方法|四季を通じて香りを保つコツ
春に摘み取ったよもぎは、すぐ使う分を除いて、下処理後に冷凍保存するのがおすすめ。香りや色をキープしつつ、長く活用できる方法をご紹介します。
冷凍保存
- 下茹で&アク抜き
沸騰湯に塩や重曹を少々入れ、よもぎを2〜3分茹でる。
色鮮やかになったら冷水に取る
茹でた後は20〜30分水にさらし、アクをしっかり抜く - 水気をしっかり絞る
ボウルの水を数回替えて浸しておき、絞る。 - 小分けカット or ペーストに
フードプロセッサーでペースト状にすると、取り扱いやすさUP
または、一回分ずつ荒く刻んで密封袋へ - 冷凍保存
平らに伸ばして袋に入れ、筋目を入れて小分け。
→ 1か月程度の保存が可能 。
真空パックにすると、香りや色を1年近く保てるという事例もあります
保存比較表
| 保存方法 | 工程 | 保存期間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 冷凍・筋目小分け | 下茹で→ 水切り→ ペースト→ 筋目 → 冷凍 | 約1ヶ月 | 必要な分だけ使える&香り保つ |
| 冷凍・真空パック | 同上+真空パック | 最大1年近く | 色・香りの保持に優れる |

現役和食調理師のヒント
よもぎは熱に強い香りが魅力。茹で過ぎず、色よく冷水でしめるのが基本です。特にペーストにすれば、団子、パン、炒め物などいろんな料理に使える万能素材となります。
よもぎと相性の良い食材|春の香りを活かす組み合わせ
よもぎ(蓬)はやさしい香りとほのかな苦味を持つ食材です。
相性が良い食材は以下の通り。
● 餅・あんこ・白玉粉
おなじみの草餅やよもぎ団子。もち米や白玉粉とよもぎペーストの組み合わせは、春の定番です。あんこやきな粉と合わせると、ほろ苦さと甘さの絶妙なバランスが楽しめます。
● チーズ(カッテージチーズ・クリームチーズ)
よもぎの清涼感とチーズのコクが調和し、洋風和風を問わず、前菜やディップにぴったりです。
● 卵(だし巻き・お吸い物)
よもぎのお吸い物やだし巻き卵に使うと、色合いと風味が一層引き立ち、春らしさを感じさせます。
● 豆腐・湯葉
さっぱりとした豆腐や湯葉によもぎを加えると、やさしい風味と香りが一体となって上品な和え物が完成します。
● 魚介類(白身魚・貝類)
軽く蒸した白身魚や貝にほんのり香るよもぎペーストを添えると、旨味との相乗効果が得られます。
● 酢・レモン系の酸味
よもぎの苦味は酸味と好相性。よもぎポン酢和え、よもぎ酢味噌和えにすると、清涼感ある味わいになります。

現役和食調理師のヒント
よもぎは「春の香りの名脇役」特に、もち米や卵、豆腐と組み合わせると、やさしい風味が引き立ちます。
よもぎの栄養素(食品成分表)
よもぎ(ゆで)葉
| 栄養素 | 値 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 37 | ㎉ |
| 水分 | 85.9 | g |
| タンパク質 | 4.8 | g |
| 脂質 | 0.1 | g |
| 食物繊維(総量) | 7.8 | g |
| 炭水化物 | 8.2 | g |
| ナトリウム | 3 | ㎎ |
| カリウム | 250 | ㎎ |
| カルシウム | 140 | ㎎ |
| マグネシウム | 24 | ㎎ |
| リン | 88 | ㎎ |
| 鉄 | 3.0 | ㎎ |
| 亜鉛 | 0.4 | ㎎ |
| 銅 | 0.28 | ㎎ |
| マンガン | 0.75 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | — | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | – | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | 6000 | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 3.4 | ㎎ |
| ビタミンK | 380 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.08 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.09 | ㎎ |
| ナイアシン | 0.5 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.04 | ㎎ |
| ビタミンB12 | – | ㎍ |
| 葉酸 | 51 | ㎍ |
| パントテン酸 | 0.13 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 2 | ㎎ |
| 栄養素 | 含有量(ゆで) | ひとこと評価 |
|---|---|---|
| β-カロテン | 6000 µg | 緑黄色野菜の中でもトップ級の多さ。ビタミンA前駆体で抗酸化◎ |
| ビタミンK | 380 µg | 骨代謝・血液凝固に関与。非常に高水準 |
| 食物繊維(総量) | 7.8 g | 葉野菜として突出して多い。整腸・血糖コントロールに |
| カルシウム | 140 mg | 葉ものの中でも高め。骨の健康に寄与 |
| 鉄 | 3.0 mg | 植物性としては多い部類。貧血対策の助けに |
▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
あわせて読みたい
紫蘇(しそ)の魅力!知っておきたい紫蘇
春菊(しゅんぎく)とは?相性の良い食材紹介
ごまの栄養と効能|保存・英語表記まで解説
