金平牛蒡(きんぴらごぼう)|プロが教える“よくわかるレシピ”

よくわかるレシピ

香ばしいごま油の香りと、ピリッとした唐辛子の辛みが食欲をそそる「金平牛蒡」。
日本の家庭料理の定番ですが、炒め方・調味の順番・火加減で仕上がりが大きく変わります。

この記事では、現役和食調理師が教える「牛蒡の香りを活かす下処理」と
「しっとりでもシャキッとでもない絶妙な火の通し方」を詳しく紹介します。

食材と調味料と下ごしらえ

食材分量備考
牛蒡(ごぼう)1本(約150g)笹がきまたは千切り
人参1/3本(約50g)牛蒡と大きさを揃える
赤唐辛子1本小口切り(種を除く)
白胡麻適量仕上げ用

調味料

調味料分量割合役割
出汁60cc3旨味と全体のつなぎ
濃口醤油20cc1塩味と香ばしさ
砂糖20g1甘みと照り
みりん10cc0.5まろやかさ
胡麻油20cc1風味と香り

下ごしらえ

食材手順
牛蒡泥をよく洗い、皮は剥かない。笹がき(または千切り)にし、水にさらしてアク抜き。水気をしっかり切る。
人参皮を剥き、牛蒡と同じ大きさに切る。
赤唐辛子種を取り、小口切り。辛味が苦手な場合は省いてもよい。
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

牛蒡の皮には旨味と香りがあるため、皮は剥かずにタワシで洗う程度でOK。


作り方

① フライパンで炒める

  1. フライパンにごま油を入れ、強火で熱する。
  2. 水気を切った牛蒡と人参を入れ、しんなりするまでしっかり炒める。
     (牛蒡の水気が残っていると油がはねるため注意)

② 調味料を加え、炒り煮にする

  1. 中火にして、出汁・醤油・砂糖・みりんを加える。
  2. 全体を上下に返すように混ぜ、焦げ付かないように注意。
  3. 水分が少なくなり、ツヤが出たら火を止める。
  4. 赤唐辛子を加えて軽く混ぜ、香りを立たせる。

③ 仕上げ

  • 器に盛り付け、白胡麻をふる。
  • 冷めると味がなじみ、よりおいしくなる。

ワンポイント

★金平牛蒡について
最大のポイントは牛蒡の下ごしらえ。
アクを抜きつつ旨味を残すため、水にさらしすぎないことが大切。
炒めすぎず、煮詰めすぎず、**“歯ごたえを残して香ばしく”**が理想です。

★食材のアレンジ
牛蒡の代わりに蓮根・独活(うど)・大根なども美味。
具材を増やすなら、豚肉・こんにゃく・ピーマン・さやえんどうを加えた五目金平もおすすめ。

★調理のコツ

  • 強火で炒める → 水分を飛ばし香ばしさを出す。
  • 煮るときは弱火 → 調味料をしっかり絡ませる。
  • 出汁を入れすぎない → 水っぽくならない。

失敗の原因と解決法

失敗原因解決方法
硬い炒め・煮不足再度火にかける。味が濃くなる場合は少量の水を加える。
柔らかい過加熱そのまま冷まして食べるか、卵とじ・混ぜご飯に再利用。
味が薄い水切り不足/調味料少ない水分を飛ばすように炒め直す。
味が濃い分量間違い/煮詰めすぎ水または出汁を加え、軽く煮直す。
焦げた強火・混ぜ不足焦げてない部分を取り出し、別鍋で味を整える。
甘すぎる砂糖入れすぎ醤油を少し加え、再度炒めて味を締める。

保存方法

方法期間ポイント
冷蔵保存約3日密閉容器で保存。翌日が味のなじみ時。
冷凍保存約2週間小分けにして冷凍。自然解凍または軽く温めて使用。
常備菜として弁当や副菜に便利。冷めてもおいしい。

現役和食調理師のひと言

金平牛蒡は、“炒めの香り”と“煮の旨味”の掛け合わせが決め手。
炒めすぎず、煮すぎずの見極めが大切です。牛蒡の香りを最大限に引き出すため、炒め始めは強火・仕上げは弱火が理想。ご飯にも、お酒にも合う万能おかずです。

調理師プロフィール画像
この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

プロフィールを見る
タイトルとURLをコピーしました