香ばしいごま油の香りと、ピリッとした唐辛子の辛みが食欲をそそる「金平牛蒡」。
日本の家庭料理の定番ですが、炒め方・調味の順番・火加減で仕上がりが大きく変わります。
この記事では、現役和食調理師が教える「牛蒡の香りを活かす下処理」と
「しっとりでもシャキッとでもない絶妙な火の通し方」を詳しく紹介します。
食材と調味料と下ごしらえ
調味料
下ごしらえ

| 食材 | 手順 |
|---|---|
| 牛蒡 | 泥をよく洗い、皮は剥かない。笹がき(または千切り)にし、水にさらしてアク抜き。水気をしっかり切る。 |
| 人参 | 皮を剥き、牛蒡と同じ大きさに切る。 |
| 赤唐辛子 | 種を取り、小口切り。辛味が苦手な場合は省いてもよい。 |

現役和食調理師のヒント
牛蒡の皮には旨味と香りがあるため、皮は剥かずにタワシで洗う程度でOK。
作り方

① フライパンで炒める
- フライパンにごま油を入れ、強火で熱する。
- 水気を切った牛蒡と人参を入れ、しんなりするまでしっかり炒める。
(牛蒡の水気が残っていると油がはねるため注意)
② 調味料を加え、炒り煮にする
- 中火にして、出汁・醤油・砂糖・みりんを加える。
- 全体を上下に返すように混ぜ、焦げ付かないように注意。
- 水分が少なくなり、ツヤが出たら火を止める。
- 赤唐辛子を加えて軽く混ぜ、香りを立たせる。
③ 仕上げ
- 器に盛り付け、白胡麻をふる。
- 冷めると味がなじみ、よりおいしくなる。
ワンポイント

★金平牛蒡について
最大のポイントは牛蒡の下ごしらえ。
アクを抜きつつ旨味を残すため、水にさらしすぎないことが大切。
炒めすぎず、煮詰めすぎず、**“歯ごたえを残して香ばしく”**が理想です。
★食材のアレンジ
牛蒡の代わりに蓮根・独活(うど)・大根なども美味。
具材を増やすなら、豚肉・こんにゃく・ピーマン・さやえんどうを加えた五目金平もおすすめ。
★調理のコツ
- 強火で炒める → 水分を飛ばし香ばしさを出す。
- 煮るときは弱火 → 調味料をしっかり絡ませる。
- 出汁を入れすぎない → 水っぽくならない。
失敗の原因と解決法
| 失敗 | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
| 硬い | 炒め・煮不足 | 再度火にかける。味が濃くなる場合は少量の水を加える。 |
| 柔らかい | 過加熱 | そのまま冷まして食べるか、卵とじ・混ぜご飯に再利用。 |
| 味が薄い | 水切り不足/調味料少ない | 水分を飛ばすように炒め直す。 |
| 味が濃い | 分量間違い/煮詰めすぎ | 水または出汁を加え、軽く煮直す。 |
| 焦げた | 強火・混ぜ不足 | 焦げてない部分を取り出し、別鍋で味を整える。 |
| 甘すぎる | 砂糖入れすぎ | 醤油を少し加え、再度炒めて味を締める。 |
保存方法
| 方法 | 期間 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵保存 | 約3日 | 密閉容器で保存。翌日が味のなじみ時。 |
| 冷凍保存 | 約2週間 | 小分けにして冷凍。自然解凍または軽く温めて使用。 |
| 常備菜として | ◎ | 弁当や副菜に便利。冷めてもおいしい。 |
現役和食調理師のひと言
金平牛蒡は、“炒めの香り”と“煮の旨味”の掛け合わせが決め手。
炒めすぎず、煮すぎずの見極めが大切です。牛蒡の香りを最大限に引き出すため、炒め始めは強火・仕上げは弱火が理想。ご飯にも、お酒にも合う万能おかずです。
