牛肉の中でも「最もやわらかい部位」として知られるヒレ(テンダーロイン / Tenderloin)。
赤身中心で脂肪が少なく、上品で繊細な味わいが特徴です。ステーキやヒレカツ、ローストビーフなど、肉質を活かした調理法に最適で、家庭でも人気の高い高級部位です。
本記事では、ヒレ(テンダーロイン)の位置・特徴・細かい部位(シャトーブリアンやフィレミニヨン)・おすすめの調理法・他の部位との違いを、調理師の視点でわかりやすく解説します。
「どんな料理に合うの?」
「サーロインやリブロースとどう違うの?」
といった疑問を解消し、部位の知識を深めて料理の幅を広げたい方にぴったりの内容です。家庭で美味しく調理するコツや、栄養面の特徴も合わせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ヒレ(テンダーロイン)とは ~部位の解説~

ヒレ(英語:Tenderloin(テンダーロイン))は、
牛の腰の内側(サーロインの下)に沿って位置する細長い筋肉で、
牛がほとんど使わない部分のため、牛肉の中で最も柔らかい部位として知られています。
この部位は1頭からわずかしか取れず、全体のわずか2〜3%程度の希少部位。
脂肪が少なく上品な赤身が特徴で、キメが非常に細かく、口当たりがなめらかです。
高級ステーキやフレンチ料理で重宝され、**「シャトーブリアン」「フィレミニヨン」**なども
このテンダーロインから切り出されます。
筋肉の中央部分(シャトーブリアン)は最も厚みがあり、やわらかさとジューシーさを兼ね備え、
先端に向かうほど脂肪が少なく、あっさりとした味わいになります。
脂が控えめで消化が良いため、年配の方やヘルシー志向の方にも人気の部位です。

現役和食調理師のヒント
ヒレ(テンダーロイン)は、火の入れ方ひとつで食感が大きく変わる繊細な部位です。焼きすぎるとパサつくため、レア〜ミディアムレアがおすすめ。
ヒレの特徴まとめ

ヒレ(テンダーロイン)は、牛肉の中でも最も柔らかく上品な部位として知られています。脂肪が少なく、赤身の旨味が凝縮されており、ヘルシーで消化にも良いのが特徴です。1頭からわずかしか取れないため、希少性が高く高級部位として扱われます。
下の表では、ヒレの位置・味わい・食感・おすすめの調理法などをまとめました。
やわらかい肉質を活かすため、ステーキやロースト、ビーフカツなど、
短時間で火を通す調理法が特におすすめです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部位の位置 | サーロインの内側、脊椎の下に沿う細長い部位(腰の内側) |
| 特徴 | 牛肉の中で最も柔らかく、筋が少ない。脂肪が少なく上品な赤身。 |
| 味・食感 | クセがなく上品な旨味。しっとりとしてやわらかく、噛むほどに旨味が広がる。 |
| 脂肪の量 | 少なめ(赤身中心)。脂肪分が気になる方やヘルシー志向の方におすすめ。 |
| 栄養価 | 高たんぱく・低脂質。鉄分・ビタミンB群も豊富で、女性にも人気。 |
| 希少性 | 1頭あたり約2〜3kgしか取れない。非常に希少で高価な部位。 |
| 別名 | テンダーロイン(Tenderloin) ヒレ肉 フィレ フィレミニヨン |
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現役和食調理師のヒント
「ヒレ肉は、余分な脂がなく上品な味わいが魅力。ステーキにする際は、高温で短時間焼くのが美味しさの秘訣です。
テンダーロイン(ヒレ)の細かい部位

テンダーロイン(ヒレ)は、1本の長い筋肉から成る部位ですが、位置によって肉質や風味が大きく異なります。そのため、同じヒレでも「シャトーブリアン」「フィレ・ミニョン」「テート」など、部位ごとに名前が付けられています。
中央部分は特に厚みがあり、最高級ステーキ用として知られる「シャトーブリアン」。
先端はやわらかく上品な味わいの「フィレ・ミニョン」、根元は赤身の旨味が強い「テート」があります
| 部位名 | 位置 | 特徴・説明 |
|---|---|---|
| シャトーブリアン (Chateaubriand) | 中央部 | 最も厚みがあり、柔らかくジューシー。繊維が細かく、最高級ステーキに用いられる。 |
| フィレ・ミニョン (Filet Mignon) | 先端部分 (細い方) | 細く小さい部位。やわらかいがやや脂が少なく、上品で軽い食感。 |
| テート (Tête) | 根元 (モモ側) | やや繊維が太く、赤身の風味が濃い。食感はしっかりしている。 |
| サイドマッスル (Side Muscle) | 側面 | 通常は取り除かれることが多い。筋が多く硬め。ミンチや煮込みに利用。 |

現役和食調理師のヒント
ヒレはどの部位も柔らかいですが、“どこを食べるか”で印象が変わります。特別な日のステーキならシャトーブリアン、軽めの料理ならミニョンがおすすめです。
ヒレに向いている料理とおすすめの調理法

| 料理名 | 調理法 | おすすめ理由 |
|---|---|---|
| ステーキ | 強火で表面を焼き、内部はレア〜ミディアムレアに | 筋が少なく柔らかいので、短時間調理で旨味を閉じ込めるのが最適。シンプルな塩・胡椒が合う。 |
| ローストビーフ | 低温調理(オーブンでじっくり加熱) | 柔らかい肉質を活かし、しっとり仕上げられる。赤身の旨味がしっかり感じられる。 |
| ビーフカツ | 厚切り肉を短時間揚げる | 衣でうま味を閉じ込め、ジューシーな食感を楽しめる。脂少なめでも満足感あり。 |
| タタキ | 表面をサッと焼き、中はレアに | 脂が少なく上品な赤身なので、生食風でも臭みがなく食べやすい。ポン酢や薬味が合う。 |
| しゃぶしゃぶ | 短時間湯通し | さっと火を通すことで、やわらかく、パサつかず食べられる。 |
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テンダーロインは火を通しすぎるとパサついてしまいます。ステーキならミディアムレア、ローストなら中心温度60℃前後がベストです
ヒレと他の部位(サーロイン・リブロース・ランプ)との違い

ヒレ(テンダーロイン)は、牛肉の中でも最も柔らかい部位として知られています。一方で、サーロインやリブロース、ランプなどもステーキやローストに使われる人気部位です。それぞれに味わい・脂の量・食感・価格が異なるため、料理や好みに合わせた選び方が大切です。
下の表では、代表的な部位との特徴を比較しました。
| 部位名 | 特徴 | 味わい |
|---|---|---|
| ヒレ (テンダーロイン) | 最も柔らかく、脂が少ない。上品でクセがない味わい。 | 上品で淡白 |
| サーロイン | 適度な脂と旨味があり、ジューシー。肉の味を楽しめる。 | コクと旨味が強い |
| リブロース | サシが多く、とろけるような食感。濃厚な旨味。 | 風味が濃厚でジューシー |
| ランプ | 赤身中心で脂が少なく、しっかりした肉質。旨味が強い。 | しっかりとした赤身の味 |
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ヒレは“柔らかさ”が最大の魅力ですが、コクを求めるならサーロイン、ジューシーさを楽しみたいならリブロース、赤身の旨味を味わうならランプが最適です。
ヒレの栄養素 ~食品成分表~
ヒレ(テンダーロイン)は、高たんぱく・低脂質の代表的な赤身肉です。脂肪が少ない分、エネルギー(カロリー)を抑えながらも、筋肉や血液をつくるたんぱく質・鉄分・ビタミンB群が豊富に含まれています。
【和牛肉】ヒレ(テンダーロイン) 赤肉 生
可食部100gあたり
| 栄養素 | 値 | 単位 |
|---|---|---|
| 廃棄率 | 0 | % |
| エネルギー | 207 | ㎉ |
| 水分 | 64.6 | g |
| タンパク質 | 19.1 | g |
| 脂質 | 15.0 | g |
| 食物繊維(総量) | – | g |
| 炭水化物 | 0.3 | g |
| ナトリウム | 40 | ㎎ |
| カリウム | 340 | ㎎ |
| カルシウム | 3 | ㎎ |
| マグネシウム | 22 | ㎎ |
| リン | 180 | ㎎ |
| 鉄 | 2.5 | ㎎ |
| 亜鉛 | 4.2 | ㎎ |
| 銅 | 0.09 | ㎎ |
| マンガン | 0.01 | ㎎ |
| ヨウ素 | – | ㎍ |
| セレン | – | ㎍ |
| クロム | – | ㎍ |
| モリブデン | – | ㎍ |
| ビタミンA(レチノール) | 1 | ㎍ |
| ビタミンA(β-カロテン) | – | ㎍ |
| ビタミンD | – | ㎍ |
| ビタミンE(トコフェロールα) | 0.4 | ㎎ |
| ビタミンK | 4 | ㎍ |
| ビタミンB1 | 0.09 | ㎎ |
| ビタミンB2 | 0.24 | ㎎ |
| ナイアシン | 4.3 | ㎎ |
| ビタミンB6 | 0.37 | ㎎ |
| ビタミンB12 | 1.6 | ㎍ |
| 葉酸 | 8 | ㎍ |
| パントテン酸 | 1.28 | ㎎ |
| ビオチン | – | ㎍ |
| ビタミンC | 1 | ㎎ |
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ヒレの英語・漢字表記
| 項目 | 表記 |
|---|---|
| 日本語名 | ヒレ肉(フィレ肉) |
| 英語表記 | Tenderloin |
| 発音記号 | /ˈtɛndərlɔɪn/ |
| 英語読み方 | テンダーロイン |
| 別名 | Fillet(フィレ) Filet(仏語由来) Beef Tenderloin(牛ヒレ) |
Tenderloin は「tender(柔らかい)」+「loin(腰の肉)」という意味で、
英語圏でも“最も柔らかい部位”を示す言葉です。

現役和食調理師のヒント
海外のレシピでは「tenderloin」や「filet mignon」と表記されることが多いので、輸入レシピや英語メニューを読むときはこの単語を覚えておくと便利です。
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