大和芋(やまといも)とは?旬の時期・保存法・栄養・特徴まで解説

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大和芋の旬~おいしい時期~

やまといも

季節ごとの旬の食材をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。▶ 旬の野菜・魚介【年間カレンダー】

大和芋とは ~解説~

大和芋 やまといも(Yamato yam)

大和芋(やまといも)は、山芋の一種で粘りが非常に強く、すりおろすとふわふわの食感になるのが特徴です。主に関東地方を中心に栽培され、奈良県の「大和(やまと)」にちなんで名づけられました。

  • ヤマノイモ科のつる性多年草の芋
  • つくね芋、山の芋とも呼ばれる
  • 原産国は中国
  • 奈良県では「大和野菜」に認定されている
  • 高級食材として珍重する
  • 山芋の仲間で粘りは強烈に強い
  • 味にクセはなく食べやすい
  • 加熱調理でよい香りがする
  • 表面がしっとりと湿った感じ物のが良い
  • 表皮に傷がなく、持った時にずっしりと重い物を選ぶとよい

味と食感の特徴

  • 生のまますりおろすと、ふわふわでもっちり
  • 加熱するとほくほくして、煮崩れしにくい
  • クセが少なく、和食全般に使いやすい味わい

山芋の分類

種類粘りの強さ食感・特徴主な用途
長芋やや弱い(さらっと)シャキシャキ感あり千切り・サラダ・とろろ
自然薯非常に強い野生種で香り・粘りが最強とろろ・揚げ物
大和芋強いふんわり・もっちりとろろ、がんもどき、団子のつなぎなど

大和芋は、自然薯に近い粘りを持ちながら、栽培しやすく扱いやすいことが特徴です。

大和芋の保存方法

大和芋は水分が多く、保存状態によって風味や粘りが落ちやすい食材です。保存方法を誤ると乾燥・腐敗しやすいため、状態に応じて適切に管理しましょう。


常温保存(丸ごとの場合)

  • 皮付き・泥付きのまま新聞紙で包む
  • 直射日光を避け、風通しのよい冷暗所に置く
  • 冬場(10〜3月)なら約2〜3週間保存可能
現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

暖房の効いた部屋や夏場は避けましょう(腐敗しやすくなります)


冷蔵保存(カットした場合)

  • 切り口をラップで密閉し、野菜室で立てて保存
  • 断面の酸化を防ぐため、切ったその日か2〜3日以内に使用
  • すりおろしたものは変色しやすいため、できるだけ早く使うのが理想

大和芋の英語・漢字表記と読み方

読み方発音記号補足
漢字表記大和芋
(やまといも)
「大和=奈良地方」に由来する品種名。山芋の一種。
英語表記Yamato yam / Japanese yam[ˈjæmətoʊ jæm] / [ˈdʒæpəniz jæm]アメリカでは「Japanese yam」として販売されることもある。

解説

「大和芋(やまといも)」は、粘りが非常に強く、すりおろすとふわっとした食感になる山芋の一種です。漢字の「大和」は奈良地方を指し、関東圏で多く栽培・流通している品種群です。

英語では、「Yamato yam」や「Japanese yam」という表記が使われますが注意点は下記参照

  • Japanese yam は長芋・自然薯・大和芋など日本の山芋全体を指す場合がある
  • Yamato yam は特に大和芋として分類されたものに使われる(表記としてはややニッチ)

【食×英語】野菜と果物180種の英単語&漢字一覧表はコチラ

冷凍保存(すりおろしてから)

大和芋は冷凍可能ですが、生のままでは食感が変化するため、すりおろしてからの保存がおすすめです。

冷凍方法:

  1. すりおろした大和芋を1回分ずつラップで包む
  2. 密閉袋に入れて冷凍庫へ
  3. 解凍は自然解凍がおすすめ(電子レンジNG)
  • 保存期間:約1か月以内
  • 用途:とろろ・生地に混ぜ込む・汁物のとろみ付けなど

状態別 保存まとめ表

状態保存方法期間ポイント
丸ごと新聞紙+冷暗所約2〜3週間(冬)泥付きが長持ちする
カット後ラップ+冷蔵2〜3日断面をしっかり密閉
すりおろしラップ+冷凍約1か月加熱料理向きに使える

主な品種群

  • 伊勢芋
  • 加賀の丸芋
  • 丹波芋
  • つくね芋
  • やまいも

大和芋と相性の良い食材

大和芋は、他の山芋よりも粘りが強く、すりおろすとふんわりクリーミーな食感になります。この特徴を活かすには、旨味・香ばしさ・コク・ふんわり感を引き立てる食材との組み合わせがポイントです。


大和芋 × 卵

まろやかさとふわふわ感がアップ
→ とろろご飯や山かけそばに。卵と混ぜると口当たりがなめらかになり、栄養価も向上。


大和芋 × 出汁(かつおだし/昆布だし)

粘りと風味が調和し、上品な味わいに
→ とろろ汁やとろろそばのベースに。味噌汁のとろみ付けにもおすすめ。


大和芋 × 鶏ひき肉・豚ひき肉

肉の旨みをふわっと包み込む
→ がんもどき、つくね、蒸し団子など。焼く・蒸すどちらでも◎。


大和芋 × 鮭・白身魚

魚の旨味と淡白な粘りが相性抜群
→ 魚のとろろ蒸し、和風グラタンなど。香ばしく焼いた魚と合わせると主菜にぴったり。


大和芋 × 青のり・刻みのり・ネギ

香りや彩りをプラスしてアクセントに
→ とろろご飯、焼きとろろ、たこ焼きやお好み焼きのつなぎとしても活用。


大和芋 × 小麦粉・片栗粉

もちもち感を出したいときのつなぎに最適
→ もちもち団子、焼き餅風おやき、ふわふわお好み焼きなど、粉もの料理にも応用できる。


✅ まとめ

大和芋は、卵・出汁・ひき肉・魚・青のりなどと合わせることで、粘り・旨み・香りが引き立ち、とろろ以外にも和風・洋風・粉ものに幅広く応用できます。

大和芋の栄養素(食品成分表)

ながいも/やまといも(生)塊根
可食部100g当たり

栄養素単位
廃棄率10%
エネルギー119
水分66.7g
タンパク質4.5g
脂質0.2g
食物繊維(総量)2.5g
炭水化物27.1g
ナトリウム12
カリウム590
カルシウム16
マグネシウム28
リン72
0.5
亜鉛0.6
0.16
マンガン0.27
ヨウ素1
セレン1
クロム
モリブデン4
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)6
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.2
ビタミンK
ビタミンB10.13
ビタミンB20.02
ナイアシン0.5
ビタミンB60.14
ビタミンB12
葉酸6
パントテン酸0.54
ビオチン4.0
ビタミンC5
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

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現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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