爽やかな酸味と生姜の香りが調和した「生姜酢(しょうがず)」。
酢の物や焼き魚、冷しゃぶ、野菜のマリネなど、さっぱり仕立てにしたい料理にぴったりの万能合わせ酢です。
「生姜が強すぎる」「酸っぱすぎる」など味のブレが起きやすい調味ですが、出汁・酢・生姜の黄金比と火入れ・香りづけのタイミングを守れば、料亭のような上品な味わいに仕上がります。
味が決まらない原因
- 酢の酸味が強く、生姜の香りが負けている
- 出汁が多く、全体がぼやけている
- 生姜を加えるタイミングが遅く、香りが弱まる
- 酢を煮立てすぎて、酸味が飛んでいる
- すりおろし生姜を入れすぎて辛味が立つ
黄金比|2つの選べる比率
| タイプ | 比率 (出汁:醤油:砂糖:酢) | 特徴 |
|---|---|---|
| 万人向け黄金比 | 8:1.4:1:4 | 酸味・甘味・塩味がバランスよく、生姜が香る優しい味 |
| プロ寄り黄金比 | 6:1:0.8:5 | 酢を強めに効かせ、香りとキレを重視した爽やか仕立て |
その理由
生姜の辛味と香りは酸味をまろやかに感じさせます。
そのため、酢はやや多めにしても酸っぱくなりすぎず、
出汁の量で味の濃淡を調整するのがプロの考え方です。
材料
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 出汁 | 200cc | 酸味をやわらげ、全体をまとめるベース |
| 薄口醤油 | 35cc | 塩味と旨味を整え、色を上品に仕上げる |
| 砂糖 | 25g | 酢の角を取り、生姜の辛味をやわらげる |
| 穀物酢 | 100cc | さっぱりとした酸味を加え、香りを立たせる |
| 生姜 (絞り汁) | 適量 | 風味の主役。香りと辛味で味を引き締める |
作り方(よくわかるレシピ)
- 鍋に酢と生姜以外を入れる
出汁・醤油・砂糖を鍋に入れ、中火にかける。
→ 砂糖が溶けたらOK。沸騰させないこと。 - 酢を加える
火を止めてから酢を加える。
→ 酸味を飛ばさず、香りを残すために余熱で混ぜる。 - 急冷する
鍋ごと氷水にあて、すぐに冷ます。
→ 熱を残すと酢の香りが抜けるため、手早く。 - 生姜の絞り汁を加える
粗熱が取れたら、生姜の絞り汁を加えて仕上げる。
→ 熱いうちに入れると香りが飛ぶので注意。
失敗しない3つのコツ

- 酢は火を止めてから加える(酸味と香りを残す)
- 生姜汁は粗熱を取ってから入れる(香りを活かす)
- 酸味を抑えたい場合は出汁を1.2倍にする
使い道
| 相性の良い料理 | 用途・一言 |
|---|---|
| 新生姜や茗荷の酢の物 | 季節感ある香りを楽しめる一品に |
| 鯵や蛸の南蛮漬け | 魚介の臭みを抑え、さっぱり仕上げる |
| 冷しゃぶ・蒸し鶏 | 油を切り、爽やかな後味に |
| 野菜のマリネ・和風ピクルス | 優しい酸味で箸休めにぴったり |
保存方法
- 冷蔵保存:密閉容器で3〜4日
→ 生姜の香りが落ちやすいため、早めの使用が理想 - 冷凍保存:不可(生姜風味が変質)
- 再使用時:冷蔵庫から出して常温に戻すと風味が蘇る
応用・アレンジ

現役和食調理師のひと言
生姜酢は“香りで食わせる合わせ酢”。
生姜は主張しすぎず、「後味にふわっと香る」程度が理想です。
火加減と冷ますタイミングさえつかめば、誰でも上品な香味酢を作れます。
特に夏場は、冷しゃぶや酢の物の仕上げに使うと料理が引き締まります。
