柚子(ゆず/Yuzu)とは?旬・栄養・保存法・香りを活かす食べ方まで徹底解説!

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柚子
 

柚子の英語・漢字表記

漢字表記:柚子
英語表記:Yuzu
発音記号:/ˈjuːzuː/(読み方:ユーズゥ)

英語では日本語と同じく「Yuzu」と表記され、世界的にYuzuの名で通じる和柑橘の一つです。海外の高級レストランやパティスリーでも「Yuzu-flavored」や「Yuzu sauce」といった表現が使われており、日本独自の香酸柑橘として注目されています。

 

柚子の旬

柚子の花

青柚子

黄柚子

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柚子の旬は晩秋から冬にかけて主に10月〜1月です。
特に11月中旬~12月下旬にかけての収穫が多く、香りが最も豊かで果汁もたっぷり含まれた「黄ゆず」が市場に多く出回ります。

一方、青ゆず(未熟果)は8.9月頃から出荷され、さわやかな香りを楽しむ薬味や酢の物に用いられます。熟す前の青ゆずと、完熟した黄ゆずでは風味が大きく異なるため、用途に応じて使い分けるのが和食の基本です。

現役和食調理師のイラスト|25年以上の経験から料理のヒントを伝えます

現役和食調理師のヒント

柚子は、料理に「季節感」と「香りの華やかさ」を添える貴重な食材です。たとえば冬至の吸い物にひとかけ、焼き魚の薬味に皮をすりおろして添えるだけで、料理が一段と引き立ちます。

 

柚子とは ~解説~

柚子(ゆず)は、ミカン科ミカン属の常緑低木。
東アジア原産の香酸柑橘(こうさんかんきつ)の一種です。
果皮や果汁に特有の強い香りがあり、日本料理では古くから「香りを添える名脇役」として重宝されてきました。

主な特徴

  1. 見た目:表面にやや凹凸のある丸い果実で、熟すと鮮やかな黄色になります。
  2. 香り:果皮に豊富な精油を含み、爽やかで上品な香りが特徴。
  3. 味わい:果汁は酸味が強く、直接食べるのではなく調味料や香りづけに使用されます。

和食での活用

和食の現場では、吸い物の香り付け焼き魚の薬味鍋物のポン酢柚子胡椒など、あらゆる料理に使われます。果汁だけでなく、果皮や種まで無駄なく活用できるのが柚子の魅力。25年以上和食に携わってきた経験上、「香りを足す」だけで料理全体の格が上がると感じています。

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果汁だけでなく皮・種も活用でき、ポン酢、柚子味噌、柚子胡椒などに加工しても風味が長く楽しめます。

 

柚子の保存方法|風味と香りを長く楽しむために

常温保存(3~5日程度)

  • 方法:直射日光を避け、風通しのよい涼しい場所に置きます。
  • ポイント:熟した柚子は傷みやすいため、できるだけ早めに使い切りましょう。

冷蔵保存(1週間~10日)

  • 方法:ポリ袋または保存袋に入れて、野菜室で保管。
  • おすすめ:1個ずつキッチンペーパーに包むと、乾燥や傷みを防げます。

冷凍保存(長期:1ヶ月~)

丸ごと冷凍

  • 洗って水気を拭き取り、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍。
  • 使うときは自然解凍し、果汁や皮を料理に。

果汁だけ冷凍

  • 絞った果汁を製氷皿で冷凍し、凍ったら保存袋に移します。
  • 必要な分だけ取り出して使えるので便利。

皮の冷凍

  • 柚子の皮を薄くむいて千切りにし、ラップに包んで冷凍保存。
  • 吸い物や鍋の香りづけに手軽に使えます。
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柚子は「皮」「果汁」「種」まで無駄なく使える食材です。特に皮は冷凍しておくと、一年中香りを添えることができて便利ですよ。冷凍時に「青ゆず」と「黄ゆず」を分けておくと、料理の色合いに合わせて選べます。

 

柚子の主な品種|地域ごとに風味や特徴が異なる

柚子には、実は地域ごとに異なる在来種や系統が存在します。ここでは代表的な品種をいくつかご紹介します。


■ 本柚子(ほんゆず)

  • 日本で最も一般的な柚子。
  • 果実は大きく、皮が厚く香りも強い。
  • 冬至の「ゆず湯」にもよく使われる。

■ 花柚(はなゆ)

  • 柚子の仲間ですが、果実は小さめ。
  • 酸味が少なく、香り重視で観賞用にもされることがあります。
  • 高知県などで生産されています。

■ 多田錦(ただにしき)

  • 種がほとんどなく、果汁が多い品種。
  • 香りはやや穏やかで、加工用途にも向いています。
  • 主に徳島県などで栽培。

■ 青ゆず(未熟果)

  • 品種名ではなく、本柚子などの未熟な状態。
  • 秋頃に収穫され、爽やかな香りが特徴。
  • 皮を削って吸い物などに重宝される。
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香りの出方や酸味の強さが品種で微妙に異なるため、料理の仕上がりに差が出るポイントです

 

柚子とよく合う食材|香りを引き立てる組み合わせ

柚子のさわやかな香りと上品な酸味は、さまざまな食材と好相性です。調理の幅が広がる、組み合わせの良い食材をいくつかご紹介します。


■ 白身魚(鯛・ひらめ など)

  • 柚子の香りが魚の淡白な味を引き立て、刺身やカルパッチョに最適。
  • 柚子皮や果汁を使った「柚子醤油」もおすすめです。

■ 鶏肉

  • 照り焼きや塩焼きに柚子胡椒や柚子皮を添えると、香ばしさが一層際立ちます。
  • 冬の鍋料理にもぴったり。

■ 大根・かぶ

  • 柚子の果汁や皮を使った「なます」や「酢の物」に最適。
  • やさしい甘さの根菜と柚子の風味がよく合います。

■ きのこ類(しめじ、まいたけ、椎茸など)

  • 柚子ときのこの香りの相乗効果で、炊き込みご飯や炒め物が上品な一品に。

■ 味噌・醤油などの発酵調味料

  • 柚子の香りは発酵調味料のコクと調和し、ドレッシングやたれに活用しやすい。
  • 柚子味噌、柚子醤油などの形で展開できます。

■ 和菓子・餅類

  • 柚子の皮や果汁は、練り切りや寒天、ようかんの香りづけに。
  • 餅や団子にも少量添えることで、清涼感のある味わいに。
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柚子は「香りの名脇役」。素材の味を邪魔せず、むしろ引き立てるのが魅力です。冬の鶏鍋に絞ったり、根菜と合わせて酢の物にしたり、“香りで季節を感じさせる”役目を持っています。

 

柚子の栄養素(食品成分表

栄養の特徴まとめ

  • ビタミンCが非常に豊富
     果汁はもちろん、特に果皮に多く含まれており、美容や免疫機能の維持に役立つ栄養素です。
  • カリウムやクエン酸も含有
     体内の塩分バランスの調整や、疲労回復に効果的とされる栄養も摂取できます。
  • 食物繊維は皮に多く含まれる
     皮ごと料理に使うと、整腸作用も期待できます。
  • 低カロリーで香り豊か
     果汁も皮もカロリーは非常に低く、調味料や香味付けに使っても安心です。

柚子(生)

可食部100g当たり

栄養素果汁果皮単位
廃棄率00%
エネルギー3050
水分92.083.7g
タンパク質0.51.2g
脂質0.10.5g
食物繊維(総量)0.46.9g
炭水化物7.014.2g
ナトリウム15
カリウム210140
カルシウム2041
マグネシウム1115
リン119
0.10.3
亜鉛0.10.1
0.020.02
マンガン0.100.12
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン1
ビタミンA(レチノール)
ビタミンA(β-カロテン)19
ビタミンD
ビタミンE(トコフェロールα)0.23.4
ビタミンK
ビタミンB10.050.07
ビタミンB20.020.10
ナイアシン0.20.5
ビタミンB60.020.09
ビタミンB12
葉酸1121
パントテン酸0.290.89
ビオチン3.6
ビタミンC40160
参照「「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」」

▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。

▶ 摂取量の目安を知りたい方はこちら
【2025年度版】日本人の食事摂取基準一覧(年齢別の摂取量)
→ 厚生労働省の最新版をもとに、年齢・性別ごとの1日の推奨摂取量を一覧表にまとめています。

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現役和食調理師のヒント

皮にビタミンCや食物繊維が豊富で、果汁にもクエン酸が含まれているため、冬場の風邪予防にも重宝されています。

 

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この記事を書いた人
現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)

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