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柚子の英語・漢字表記

漢字表記:柚子
英語表記:Yuzu
発音記号:/ˈjuːzuː/(読み方:ユーズゥ)
英語では日本語と同じく「Yuzu」と表記され、世界的にYuzuの名で通じる和柑橘の一つです。海外の高級レストランやパティスリーでも「Yuzu-flavored」や「Yuzu sauce」といった表現が使われており、日本独自の香酸柑橘として注目されています。
柚子の旬
柚子の花
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
---|
青柚子
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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黄柚子
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
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▶ 季節ごとの野菜・魚介を一覧でチェックする【年間カレンダー】
柚子の旬は晩秋から冬にかけて、主に10月〜1月です。
特に11月中旬~12月下旬にかけての収穫が多く、香りが最も豊かで果汁もたっぷり含まれた「黄ゆず」が市場に多く出回ります。
一方、青ゆず(未熟果)は8.9月頃から出荷され、さわやかな香りを楽しむ薬味や酢の物に用いられます。熟す前の青ゆずと、完熟した黄ゆずでは風味が大きく異なるため、用途に応じて使い分けるのが和食の基本です。

現役和食調理師のヒント
柚子は、料理に「季節感」と「香りの華やかさ」を添える貴重な食材です。たとえば冬至の吸い物にひとかけ、焼き魚の薬味に皮をすりおろして添えるだけで、料理が一段と引き立ちます。
柚子とは ~解説~
柚子(ゆず)は、ミカン科ミカン属の常緑低木。
東アジア原産の香酸柑橘(こうさんかんきつ)の一種です。
果皮や果汁に特有の強い香りがあり、日本料理では古くから「香りを添える名脇役」として重宝されてきました。
主な特徴
- 見た目:表面にやや凹凸のある丸い果実で、熟すと鮮やかな黄色になります。
- 香り:果皮に豊富な精油を含み、爽やかで上品な香りが特徴。
- 味わい:果汁は酸味が強く、直接食べるのではなく調味料や香りづけに使用されます。
和食での活用
和食の現場では、吸い物の香り付けや焼き魚の薬味、鍋物のポン酢、柚子胡椒など、あらゆる料理に使われます。果汁だけでなく、果皮や種まで無駄なく活用できるのが柚子の魅力。25年以上和食に携わってきた経験上、「香りを足す」だけで料理全体の格が上がると感じています。

現役和食調理師のヒント
果汁だけでなく皮・種も活用でき、ポン酢、柚子味噌、柚子胡椒などに加工しても風味が長く楽しめます。
柚子の保存方法|風味と香りを長く楽しむために
常温保存(3~5日程度)
- 方法:直射日光を避け、風通しのよい涼しい場所に置きます。
- ポイント:熟した柚子は傷みやすいため、できるだけ早めに使い切りましょう。
冷蔵保存(1週間~10日)
- 方法:ポリ袋または保存袋に入れて、野菜室で保管。
- おすすめ:1個ずつキッチンペーパーに包むと、乾燥や傷みを防げます。
冷凍保存(長期:1ヶ月~)
丸ごと冷凍
- 洗って水気を拭き取り、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍。
- 使うときは自然解凍し、果汁や皮を料理に。
果汁だけ冷凍
- 絞った果汁を製氷皿で冷凍し、凍ったら保存袋に移します。
- 必要な分だけ取り出して使えるので便利。
皮の冷凍
- 柚子の皮を薄くむいて千切りにし、ラップに包んで冷凍保存。
- 吸い物や鍋の香りづけに手軽に使えます。

現役和食調理師のヒント
柚子は「皮」「果汁」「種」まで無駄なく使える食材です。特に皮は冷凍しておくと、一年中香りを添えることができて便利ですよ。冷凍時に「青ゆず」と「黄ゆず」を分けておくと、料理の色合いに合わせて選べます。
柚子の主な品種|地域ごとに風味や特徴が異なる
柚子には、実は地域ごとに異なる在来種や系統が存在します。ここでは代表的な品種をいくつかご紹介します。
■ 本柚子(ほんゆず)
- 日本で最も一般的な柚子。
- 果実は大きく、皮が厚く香りも強い。
- 冬至の「ゆず湯」にもよく使われる。
■ 花柚(はなゆ)
- 柚子の仲間ですが、果実は小さめ。
- 酸味が少なく、香り重視で観賞用にもされることがあります。
- 高知県などで生産されています。
■ 多田錦(ただにしき)
- 種がほとんどなく、果汁が多い品種。
- 香りはやや穏やかで、加工用途にも向いています。
- 主に徳島県などで栽培。
■ 青ゆず(未熟果)
- 品種名ではなく、本柚子などの未熟な状態。
- 秋頃に収穫され、爽やかな香りが特徴。
- 皮を削って吸い物などに重宝される。

現役和食調理師のヒント
香りの出方や酸味の強さが品種で微妙に異なるため、料理の仕上がりに差が出るポイントです。
柚子とよく合う食材|香りを引き立てる組み合わせ
柚子のさわやかな香りと上品な酸味は、さまざまな食材と好相性です。調理の幅が広がる、組み合わせの良い食材をいくつかご紹介します。
■ 白身魚(鯛・ひらめ など)
- 柚子の香りが魚の淡白な味を引き立て、刺身やカルパッチョに最適。
- 柚子皮や果汁を使った「柚子醤油」もおすすめです。
■ 鶏肉
- 照り焼きや塩焼きに柚子胡椒や柚子皮を添えると、香ばしさが一層際立ちます。
- 冬の鍋料理にもぴったり。
■ 大根・かぶ
- 柚子の果汁や皮を使った「なます」や「酢の物」に最適。
- やさしい甘さの根菜と柚子の風味がよく合います。
■ きのこ類(しめじ、まいたけ、椎茸など)
- 柚子ときのこの香りの相乗効果で、炊き込みご飯や炒め物が上品な一品に。
■ 味噌・醤油などの発酵調味料
- 柚子の香りは発酵調味料のコクと調和し、ドレッシングやたれに活用しやすい。
- 柚子味噌、柚子醤油などの形で展開できます。
■ 和菓子・餅類
- 柚子の皮や果汁は、練り切りや寒天、ようかんの香りづけに。
- 餅や団子にも少量添えることで、清涼感のある味わいに。

現役和食調理師のヒント
柚子は「香りの名脇役」。素材の味を邪魔せず、むしろ引き立てるのが魅力です。冬の鶏鍋に絞ったり、根菜と合わせて酢の物にしたり、“香りで季節を感じさせる”役目を持っています。
柚子の栄養素(食品成分表)
栄養の特徴まとめ
- ビタミンCが非常に豊富
果汁はもちろん、特に果皮に多く含まれており、美容や免疫機能の維持に役立つ栄養素です。 - カリウムやクエン酸も含有
体内の塩分バランスの調整や、疲労回復に効果的とされる栄養も摂取できます。 - 食物繊維は皮に多く含まれる
皮ごと料理に使うと、整腸作用も期待できます。 - 低カロリーで香り豊か
果汁も皮もカロリーは非常に低く、調味料や香味付けに使っても安心です。
柚子(生)
可食部100g当たり
栄養素 | 果汁 | 果皮 | 単位 |
---|---|---|---|
廃棄率 | 0 | 0 | % |
エネルギー | 30 | 50 | ㎉ |
水分 | 92.0 | 83.7 | g |
タンパク質 | 0.5 | 1.2 | g |
脂質 | 0.1 | 0.5 | g |
食物繊維(総量) | 0.4 | 6.9 | g |
炭水化物 | 7.0 | 14.2 | g |
ナトリウム | 1 | 5 | ㎎ |
カリウム | 210 | 140 | ㎎ |
カルシウム | 20 | 41 | ㎎ |
マグネシウム | 11 | 15 | ㎎ |
リン | 11 | 9 | ㎎ |
鉄 | 0.1 | 0.3 | ㎎ |
亜鉛 | 0.1 | 0.1 | ㎎ |
銅 | 0.02 | 0.02 | ㎎ |
マンガン | 0.10 | 0.12 | ㎎ |
ヨウ素 | – | – | ㎍ |
セレン | – | – | ㎍ |
クロム | – | — | ㎍ |
モリブデン | – | 1 | ㎍ |
ビタミンA(レチノール) | – | – | ㎍ |
ビタミンA(β-カロテン) | – | 19 | ㎍ |
ビタミンD | – | – | ㎍ |
ビタミンE(トコフェロールα) | 0.2 | 3.4 | ㎎ |
ビタミンK | – | – | ㎍ |
ビタミンB1 | 0.05 | 0.07 | ㎎ |
ビタミンB2 | 0.02 | 0.10 | ㎎ |
ナイアシン | 0.2 | 0.5 | ㎎ |
ビタミンB6 | 0.02 | 0.09 | ㎎ |
ビタミンB12 | – | – | ㎍ |
葉酸 | 11 | 21 | ㎍ |
パントテン酸 | 0.29 | 0.89 | ㎎ |
ビオチン | – | 3.6 | ㎍ |
ビタミンC | 40 | 160 | ㎎ |
▶ 栄養の全体像を知りたい方はこちら
五大栄養素・ビタミン・ミネラルをまとめたページへ
→ たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康に必要な栄養素35種類を、分類ごとにわかりやすく解説しています。
▶ 摂取量の目安を知りたい方はこちら
【2025年度版】日本人の食事摂取基準一覧(年齢別の摂取量)
→ 厚生労働省の最新版をもとに、年齢・性別ごとの1日の推奨摂取量を一覧表にまとめています。

現役和食調理師のヒント
皮にビタミンCや食物繊維が豊富で、果汁にもクエン酸が含まれているため、冬場の風邪予防にも重宝されています。
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