香ばしく焼いた葱(ねぎ)に出汁をじっくり含ませる「焼きネギの煮びたし」は、寒い季節にぴったりの副菜。
外はこんがり、中はとろりと甘い食感が魅力です。
ありがちな失敗は「焦げすぎ」「中まで火が通らない」「味がしみない」。
結論は、“中火で焼いて余熱で火を通す”+“煮立てずに含める”。
香ばしさと出汁の旨味を両立させる火加減が成功の鍵です。
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よくある失敗と原因
- ネギの中が生 → 強火で表面だけ焼いている
- ネギがバラバラになる → 煮すぎ、または沸騰させすぎ
- 味がしみない → 焼きたてをすぐ煮汁に入れていない
- 焦げる → 火が強い/長時間焼きすぎ
- 煮崩れする → 弱火で煮ず、煮立てたまま放置
材料
食材
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 根深ねぎ | 2本 | 主役。香ばしさと甘味を出す |
| 獅子唐辛子 | 5本 | 彩りとほろ苦さを加える |
| かつお節 | 10〜20g | 出汁の旨味と香りを補う |
調味料
| 調味料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 出汁 | 200cc | 全体の旨味と風味のベース |
| 薄口醤油 | 30cc | 色を抑え、上品に仕上げる |
| 砂糖 | 5g | コクと照りを出す |
| みりん | 40cc | 甘味とつや出し |
下処理
| 食材 | 手順 |
|---|---|
| 根深ねぎ | 3〜5cm長さに切る。根元はやや長めに残すと煮崩れにくい。 |
| 獅子唐辛子 | 縦に切れ目を入れ、種を取り除く(破裂防止)。 |
| かつお節 | 用意しておく(仕上げまたは煮込み時に使用)。 |

現役和食調理師のヒント
ネギは“焦げ目がつく程度に”焼く。黒く焼きすぎると煮汁が濁り、香りが落ちる。
作り方
① 下ごしらえ
根深ねぎと獅子唐辛子を準備。
獅子唐は必ず切れ目を入れて、油跳ねを防ぐ。
② 焼く(中火)
焼き網、またはフライパンを中火に熱し、
根深ねぎ・獅子唐をじっくりと焼く。
表面にうっすら焼き色がついたら火を止め、別皿へ。
👉 合図:表面が薄く焦げ、香ばしい香りが立ったらOK。中は少し白さが残る程度で止める。
③ 調味液を作る(中火 → 弱火)
鍋に出汁・薄口醤油・砂糖・みりんを入れ、火にかける。
沸騰直前で火を弱める。
焼いた葱と獅子唐を入れ、1〜2分軽く煮る。
最後にかつお節を加え、火を止めてそのまま冷ます。
👉 合図:煮立たせないこと。沸騰直前の小さな泡が目安。
④ 冷やして味を含ませる
そのまま常温で冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
1時間〜一晩置くと味がよくしみる。
⑤ 盛り付け
器にネギを横に並べ、獅子唐を立てかけるように添える。
仕上げにかつお節を天盛りにして香りを引き立てる。
失敗しない3つのコツ

- 中火で焼き、余熱で中まで火を通す
- 煮汁は“沸騰直前”で止める(煮立てると崩れる)
- 冷ます時間が旨味を作る(冷やすことで味がしみる)
保存方法
- 冷蔵保存:2〜3日(味がなじんで美味しくなる)
- 冷凍保存:不向き(食感・香りが損なわれる)
- 冷たいままでも美味しく、お弁当のおかずにも◎
相性の良い料理
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 鰆の西京焼き | 甘辛の魚料理に香ばしネギが合う |
| 白ご飯・雑穀米 | 出汁を吸った葱がご飯にぴったり |
| 茶碗蒸し | 優しい味わいの副菜として好相性 |
根深ねぎ(長ねぎ)の旬と栄養
出汁の取り方|プロが教える“よくわかるレシピ”
旬と豆知識
根深ねぎは秋〜冬が旬。
寒くなるほど甘味が増し、とろけるような食感になります。
香味成分「アリシン」には殺菌作用や血行促進効果があり、
風邪予防にもおすすめの冬野菜です。

現役和食調理師のヒント
煮びたしは「焼き」と「煮」を組み合わせる技。焼く工程で甘味を引き出し、出汁で包み込むように含めると葱の旨味が倍増します。
“焦がさず香ばしく”が、料理人の見極めポイントです。
失敗の原因と解決法
| 失敗 | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
| ネギが硬い | 焼き不足/煮時間不足 | 焼き目をつけた後、弱火で2分追加煮 |
| ネギが崩れる | 煮立てすぎ | 沸騰前で火を止め、余熱で煮含める |
| 焦げた | 火が強い/焼き時間が長い | 中火で回しながら均一に焼く |
| 味が薄い | 煮込み不足/冷ます時間不足 | 冷蔵で1時間置くと味がなじむ |
| 味が濃い | 煮詰めすぎ | 出汁を少量足して調整する |

現役の和食調理師/おかだ けんいち(調理歴25年以上)
和食の世界で25年以上。旬の食材や家庭でできる調理のコツを、やさしく、わかりやすくお届けしています。料理がもっと楽しく、おいしくなるきっかけになれば嬉しいです。
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